この時の日本は、既存の電力会社体制が緩み、自家発電、地域発電が広く認められていた。この地域発電、自家発電体制に、香奈オフィスが深く関与していた。表面的には、上場企業の資源開発が窓口となってはいた。この地域発電、自家発電 の運用を一括して、香奈オフィスが全面的に請け負う事が密かに進んでいた。
世界各国でも規制を見ながら進んでいた。レアメタル発電は、排煙も出ない、小型発電としては有名だった。
香奈オフィスは各種資源の取り扱いをしていて、意識的に中規模以上の発電体制には慎重だった。レアメタル発電の発電機は 香奈ハイテクのエネルギー研究所が独占していて、可能だった。
この新しい鉱物は 香奈オフィスが発電を請け負っていた、幾つかの発電機で試験運用がされていて、極めて微量のこの鉱物を混ぜる事で、レアメタルの使用量を減らせると云う結論が出ていた。ただ 理由は不明だが、この使用量の減少比率が一定ではなかった。
未公表の段階とは云え、香奈オフィスは慎重に進めていた。ココシロも その事を知ってはいた。その中での利益配分をどこまで主張するかが微妙なのだった。