はい。この記事は「長期金利の正体」から続くシリーズものとなっております。
「長期金利」の正体
「長期金利」と「政策金利」
前回までのあらすじをお伝えしますと、
・このところ、国債の「長期金利」が上昇したとマスコミが騒いでいる。
・長期金利上昇でマスコミが騒ぐのは、長期金利は「物価変動の予測に左右」され、「住宅 ローンなど、長期融資の金利の基準になる」からと、Wikipediaに書いてある。
・では、そもそも「長期金利」とは一体何なのか。
これが「長期金利」の正体のあらすじ。
続きまして、
・モーニングバードで「長期金利はあらゆる金利の中で、最も利率の低い金利である」と玉川徹という男が発言していた。
・実際には大きな誤りであり、日本の利率の中で最も低い金利は「政策金利」である。
・国債の「金利」をあらわす指標には、「長期金利」以外に「債権価格」そして「表面金利」、「利回り」という言葉がある。
・国債は政府が入札にかけ、一旦売り切れてしまうとそこで「金利(表面金利)」が決定し、政府はそれ以上に利息を支払う必要はない。
・にもかかわらず、一体なぜ国債の「金利」が上昇した、下落した、と騒がれるのか。
というのが「長期金利」と「政策金利」のあらすじでございます。
ってことで、本日のお題。ペンペン
「長期金利」と「表面金利」でございます。
前回の記事の中で、
・国債の「金利」をあらわす指標には、「長期金利」以外に「債権価格」そして「表面金利」、「利回り」という言葉がある。
ということをお示ししたわけですが、「長期金利」をよく理解するために、その他の言葉。「債券価格」や「表面金利」、そして「利回り」のことをご説明いたします。
「国債」を使って政府が資金を調達するとき、政府は新たに国債を発行するために承認を国会で受けて、国債を発行するための「特例法」を成立させた後、発効された国債を「入札」にかけます。
入札にかけられた国債は、『銀行・証券会社・生損保等の金融機関が購入』(Wikiより)し、ここから私たち個人や投資家たちが購入する、という方法がとられています。
ちなみに、こちらが→入札参加者一覧です
前回の記事でお示しした「10年利付国債(第329回)の入札発行」にございます、「表面金利」とは、これらの入札参加者が政府から国債を落札する折に、決定した、いわゆる「落札金利」のことです。
発効された債権に対して、将来受け取ることが保証された金利のことです。この金利は一定であり、償還期限まで変わることはありません。
第329回の10年物国債であれば、年利0.8%が決定した表面金利です。
日本の債券市場は通常「単利」なのだそうですから、今回発行された2兆4000億円のうち0.8%×10年=8%が10年後、今回発効された国債に対して日本国政府が支払うべき利息ですね。 1920億円です。
ま、決して安い金額ではありませんがね。
で、発行された国債は2.4兆円あるわけですが、最終的に末端の市場まで浸透する際には金額が細分化され、もう少し細かい金額になっています。まあ、当たり前っちゃあ当たり前ですが。
個人向け国債として、仮にのんきが5万円分の国債を購入したとしましょう。
ここからが少しだけ難しい。
のんきが購入できる国債は、既に発行され、銀行や証券会社などが落札済みのもの。
再販された国債を5万円分のんきが購入した際、この国債の金利は「年率0.8%」ですから、のんきが10年間この国債を持ち続ければ、5万円の8%分。4000円を額面の5万円に加えて受け取ることが出来ます。
問題なのは、のんきが国債を購入するとき。たとえば、その時に国債が人気がなく、銀行がいくら売りに出しても売れない時。銀行としても資金を流動化(現金化し、その他の目的に利用しやすくする)させる必要がありますから、売りたくてたまらないとします。
このとき、では、「5万円の国債」をどのようにすれば売ることが出来るのか。
簡単ですね。 5万円より安くすれば売れるわけです。
そうですねぇ・・・。たとえば、千円引きで49000円くらいで販売したとしたらどうでしょう。
49000円で購入したとしても、国債そのものの価値は5万円ですから、単純に5万円で購入した場合に比較して、その差額の1千円分、余分に資金を手にすることが出来るわけです。
値引きせずに買った時、10年後受け取れる額が54000円。値引きして購入した際の額が55000円です。
表面利息は0.8%ですが、実際に受け取った利益は投資金額の年率換算で1%。8%の利息しか受け取れなかったはずですが、実際には1割の利益を受け取ったことになります。
この、「実際に受け取った金利」のことを「利回り」と呼びます。購入したときの「49000円」という金額を「債券価格」。
整理すると
表面金利=国債が落札されたときの利率
債券価格=国債が二次販売される時の価格(売れ行きによって高くなったり安くなったりします)
利回り =債券価格と額面金額との差額を差し引いた実際の利益
となりますね。
長期金利とは、すなわちこの「利回り」のことです。
国債の場合、金融機関が個人向けに販売する折、「額面5万円の国債」が値下がりしているからと言って、「49000円にしますよ」なんて売り方はしません。
実際には49000円分の債権に1000円分上乗せして販売しているわけです。
購入者には「表面金利」ではなく、「長期金利」を示し、「あなたがこの国債を購入することによって、年率で○%分の利息を受け取ることができますよ」としているのです。
ですが、実際の「長期金利」はあくまで「利回り」であり、政府が支払うべき利息は決定しています。
テレビを見ていると、これを「政策金利」とごちゃまぜにして解説し、視聴者の判断を大幅に狂わせるような仮説をしている「自称専門家」がいかに多いことか・・・。
たとえば、同じモーニングバードで玉川徹の「そもそも総研」とやらに出演し、解説をしていた奴がこいつ。
野口悠紀雄という男です。週間ダイヤモンドなどでよく解説をしている男です。朝まで生テレビなどにも登場していますね。
彼の言い分はこうです。
「国債の長期金利が上昇するとインフレになります。インフレが起きると名目金利は上昇するんですよ」
はい。全くのでたらめですね。いえ・・・全くのでたらめとは言えないかもしれません。
ですが、むちゃくちゃな理屈です。
国債の長期金利が上昇するのは、「国債が売られるから」であって、国債が売られたからインフレになるわけじゃありません。
ただし、好況下の社会では、国債が売られたことにより、その資金が国債以外の投資先に向けられます。それが株式であったり、あるいは企業の設備投資であったり、不動産であったりするわけです。
こういった投資が行われた結果、確かに市場はインフレを起こすでしょう。というより、そもそもアベノミクスが目指しているのは2%程度のインフレを起こすことにあるのであり、起きなければ逆におかしいんですが・・・
また、インフレが起きているということは、物がよく売れているということであり、確かに名目金利は上昇するでしょう。わざわざ利息を引き下げなくても物が売れるわけですから。
ですが、実際に名目金利が上昇するか否かを決定しているのは、あくまでも「政策金利」であり、今のまま日銀が低金利政策を続けていくのであれば、彼が言うような「名目金利の上昇」は起きません。名目金利が上昇しない、というわけではなく、市場に過度な悪影響を及ぼす上昇は起きない、ということです。
何が言いたいかというと、彼は、あたかも「長期金利が上昇すると、名目金利が上昇する」かのような誤った印象を視聴者に対して与えている、ということです。
長期金利上昇、国債バブル崩壊の懸念
↑こちらは、その野口 悠紀雄が「東洋経済」に投稿している記事です。
ダイヤモンドは金を払わなければ全文を見られない設定にしている←金を払ってでも野口の記事を読もうと思う人間にしか情報を開示していないため、読むことが出来ませんので、全文を読むことが出来る東洋経済の記事を掲載しておきます。
金を払ってでも・・・という意味では、ニコ動の投稿動画で、何故か小沢一郎の投稿だけは金を払って有料で見なければ見ることが出来ないようになっています。なぜでしょうね・・・
まあ、何しろ・・・わかりにくい。「お前は何を言っているんだ」と。
そもそも「国債バブル=長期金利が低い金利水準で売買されている」ことがおかしいのであって、そのお金が国債以外の部分へ投資しないからいつまでたっても景気は良くならないし、税収も増えない。
そういった肝心なことを何も掲載せず、不安ばかりを煽る。
↑つまり、そういった行動を行うことで、彼は何らかの利益を得ているということです。
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「長期金利」の正体
「長期金利」と「政策金利」
前回までのあらすじをお伝えしますと、
・このところ、国債の「長期金利」が上昇したとマスコミが騒いでいる。
・長期金利上昇でマスコミが騒ぐのは、長期金利は「物価変動の予測に左右」され、「住宅 ローンなど、長期融資の金利の基準になる」からと、Wikipediaに書いてある。
・では、そもそも「長期金利」とは一体何なのか。
これが「長期金利」の正体のあらすじ。
続きまして、
・モーニングバードで「長期金利はあらゆる金利の中で、最も利率の低い金利である」と玉川徹という男が発言していた。
・実際には大きな誤りであり、日本の利率の中で最も低い金利は「政策金利」である。
・国債の「金利」をあらわす指標には、「長期金利」以外に「債権価格」そして「表面金利」、「利回り」という言葉がある。
・国債は政府が入札にかけ、一旦売り切れてしまうとそこで「金利(表面金利)」が決定し、政府はそれ以上に利息を支払う必要はない。
・にもかかわらず、一体なぜ国債の「金利」が上昇した、下落した、と騒がれるのか。
というのが「長期金利」と「政策金利」のあらすじでございます。
ってことで、本日のお題。ペンペン
「長期金利」と「表面金利」でございます。
前回の記事の中で、
・国債の「金利」をあらわす指標には、「長期金利」以外に「債権価格」そして「表面金利」、「利回り」という言葉がある。
ということをお示ししたわけですが、「長期金利」をよく理解するために、その他の言葉。「債券価格」や「表面金利」、そして「利回り」のことをご説明いたします。
「国債」を使って政府が資金を調達するとき、政府は新たに国債を発行するために承認を国会で受けて、国債を発行するための「特例法」を成立させた後、発効された国債を「入札」にかけます。
入札にかけられた国債は、『銀行・証券会社・生損保等の金融機関が購入』(Wikiより)し、ここから私たち個人や投資家たちが購入する、という方法がとられています。
ちなみに、こちらが→入札参加者一覧です
前回の記事でお示しした「10年利付国債(第329回)の入札発行」にございます、「表面金利」とは、これらの入札参加者が政府から国債を落札する折に、決定した、いわゆる「落札金利」のことです。
発効された債権に対して、将来受け取ることが保証された金利のことです。この金利は一定であり、償還期限まで変わることはありません。
第329回の10年物国債であれば、年利0.8%が決定した表面金利です。
日本の債券市場は通常「単利」なのだそうですから、今回発行された2兆4000億円のうち0.8%×10年=8%が10年後、今回発効された国債に対して日本国政府が支払うべき利息ですね。 1920億円です。
ま、決して安い金額ではありませんがね。
で、発行された国債は2.4兆円あるわけですが、最終的に末端の市場まで浸透する際には金額が細分化され、もう少し細かい金額になっています。まあ、当たり前っちゃあ当たり前ですが。
個人向け国債として、仮にのんきが5万円分の国債を購入したとしましょう。
ここからが少しだけ難しい。
のんきが購入できる国債は、既に発行され、銀行や証券会社などが落札済みのもの。
再販された国債を5万円分のんきが購入した際、この国債の金利は「年率0.8%」ですから、のんきが10年間この国債を持ち続ければ、5万円の8%分。4000円を額面の5万円に加えて受け取ることが出来ます。
問題なのは、のんきが国債を購入するとき。たとえば、その時に国債が人気がなく、銀行がいくら売りに出しても売れない時。銀行としても資金を流動化(現金化し、その他の目的に利用しやすくする)させる必要がありますから、売りたくてたまらないとします。
このとき、では、「5万円の国債」をどのようにすれば売ることが出来るのか。
簡単ですね。 5万円より安くすれば売れるわけです。
そうですねぇ・・・。たとえば、千円引きで49000円くらいで販売したとしたらどうでしょう。
49000円で購入したとしても、国債そのものの価値は5万円ですから、単純に5万円で購入した場合に比較して、その差額の1千円分、余分に資金を手にすることが出来るわけです。
値引きせずに買った時、10年後受け取れる額が54000円。値引きして購入した際の額が55000円です。
表面利息は0.8%ですが、実際に受け取った利益は投資金額の年率換算で1%。8%の利息しか受け取れなかったはずですが、実際には1割の利益を受け取ったことになります。
この、「実際に受け取った金利」のことを「利回り」と呼びます。購入したときの「49000円」という金額を「債券価格」。
整理すると
表面金利=国債が落札されたときの利率
債券価格=国債が二次販売される時の価格(売れ行きによって高くなったり安くなったりします)
利回り =債券価格と額面金額との差額を差し引いた実際の利益
となりますね。
長期金利とは、すなわちこの「利回り」のことです。
国債の場合、金融機関が個人向けに販売する折、「額面5万円の国債」が値下がりしているからと言って、「49000円にしますよ」なんて売り方はしません。
実際には49000円分の債権に1000円分上乗せして販売しているわけです。
購入者には「表面金利」ではなく、「長期金利」を示し、「あなたがこの国債を購入することによって、年率で○%分の利息を受け取ることができますよ」としているのです。
ですが、実際の「長期金利」はあくまで「利回り」であり、政府が支払うべき利息は決定しています。
テレビを見ていると、これを「政策金利」とごちゃまぜにして解説し、視聴者の判断を大幅に狂わせるような仮説をしている「自称専門家」がいかに多いことか・・・。
たとえば、同じモーニングバードで玉川徹の「そもそも総研」とやらに出演し、解説をしていた奴がこいつ。
野口悠紀雄という男です。週間ダイヤモンドなどでよく解説をしている男です。朝まで生テレビなどにも登場していますね。
彼の言い分はこうです。
「国債の長期金利が上昇するとインフレになります。インフレが起きると名目金利は上昇するんですよ」
はい。全くのでたらめですね。いえ・・・全くのでたらめとは言えないかもしれません。
ですが、むちゃくちゃな理屈です。
国債の長期金利が上昇するのは、「国債が売られるから」であって、国債が売られたからインフレになるわけじゃありません。
ただし、好況下の社会では、国債が売られたことにより、その資金が国債以外の投資先に向けられます。それが株式であったり、あるいは企業の設備投資であったり、不動産であったりするわけです。
こういった投資が行われた結果、確かに市場はインフレを起こすでしょう。というより、そもそもアベノミクスが目指しているのは2%程度のインフレを起こすことにあるのであり、起きなければ逆におかしいんですが・・・
また、インフレが起きているということは、物がよく売れているということであり、確かに名目金利は上昇するでしょう。わざわざ利息を引き下げなくても物が売れるわけですから。
ですが、実際に名目金利が上昇するか否かを決定しているのは、あくまでも「政策金利」であり、今のまま日銀が低金利政策を続けていくのであれば、彼が言うような「名目金利の上昇」は起きません。名目金利が上昇しない、というわけではなく、市場に過度な悪影響を及ぼす上昇は起きない、ということです。
何が言いたいかというと、彼は、あたかも「長期金利が上昇すると、名目金利が上昇する」かのような誤った印象を視聴者に対して与えている、ということです。
長期金利上昇、国債バブル崩壊の懸念
↑こちらは、その野口 悠紀雄が「東洋経済」に投稿している記事です。
ダイヤモンドは金を払わなければ全文を見られない設定にしている←金を払ってでも野口の記事を読もうと思う人間にしか情報を開示していないため、読むことが出来ませんので、全文を読むことが出来る東洋経済の記事を掲載しておきます。
金を払ってでも・・・という意味では、ニコ動の投稿動画で、何故か小沢一郎の投稿だけは金を払って有料で見なければ見ることが出来ないようになっています。なぜでしょうね・・・
まあ、何しろ・・・わかりにくい。「お前は何を言っているんだ」と。
そもそも「国債バブル=長期金利が低い金利水準で売買されている」ことがおかしいのであって、そのお金が国債以外の部分へ投資しないからいつまでたっても景気は良くならないし、税収も増えない。
そういった肝心なことを何も掲載せず、不安ばかりを煽る。
↑つまり、そういった行動を行うことで、彼は何らかの利益を得ているということです。
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