ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

WITH コロナ時代のエンタメ3

2020-07-29 19:30:00 | 日記
甲斐バンド&甲斐よしひろのライブイベンターであるディスクガレージの中西社長は
コンサートプロモーターズ協会の会長でもいらっしゃいますが
「東日本大震災後、音楽産業はインターネットでバーチャルな楽しみが広がる半面
その反動からか?リアルに体験できる音楽やステージへの欲求が高まったため

コンサート市場は、2013年にCD市場を追い越して
レコード会社主導型からライブ主導型に変化し
ライブ会場の飲食やTシャツ販売など関連売り上げも急増するなど
ライブに行く人の裾野が飛躍的に広がって、シニア層も行くようになったんですけど
首都圏の会場不足によって、もっと成長できるはずなのに
近年は微増に抑えられて来たんです」と話されていて

ぴあの矢内社長の長年の夢だったという「ぴあアリーナ」を始め
エンタメとは無縁のゼネコンや総合商社が、全国の自治体にホール建設を持ちかけ
「バブルの兆候」が見え始めた矢先のコロナ禍で、市場は一気にフリーズ(汗)
4月25日に開業予定だったぴあアリーナで、こけら落としライブを行うはずだったゆずが
無観客で演奏した代表曲を配信し「開業宣言」代わりにしたものの
観客を入れての「開業」は、8月以降としか決定していないらしい(汗)

各地のホールもライブやイベントの延期・中止が相次ぐ中
神戸文化ホールは、設置している2台のグランドピアノを一般に貸し出すサービスを開始
9百人超が入るホールを独占し、1台数千万円はするという
オーストリアの「ベーゼンドルファー」と米国「スタインウェイ」に
1日最大3時間まで触れることが出来るとのことで

「ホテルなどで演奏する機会がなくなった」というピアニストの方や
「仕事柄、ピアノを聴くことが多いため
自分でも弾いてみたかった」というレコード会社経営者の方など体験者が多数おられ
担当者は「感染状況にもよるが、当面続けて行きたい」そうですが
奥さんは、有観客でホール使用可能になった暁には
甲斐バンドの「出禁」を解いて貰いたいんだとか…(笑)

とりあえず、有観客での興行が可能になったとはいっても
通常のホールでさえ、人数制限によって収入が50%以下に落ち込む中
2月のクラスター発生以来「夜の街」と並んで
「悪者」扱いされているライブハウスは、更に苛酷な状況みたいで
普段は音楽に寛容とされる下北沢にあるライブハウスでも
「郵便受けに『出て行け!』という手紙が投函されていた」らしい(汗)

ご自身の活動の他、矢沢永吉さんや長渕剛さんらのツアーにも加わっておられるichiroさんは…
「アリーナから小さな小屋まで、年間150本近いライブをこなして来たけど
今年はコロナで、すでに3分の1の仕事が吹っ飛んだ
でも、僕だけじゃないですから…大きなコンサートが中止になれば
音響、照明、警備まで、数百人が仕事を失うんです」と話され

「コンサートは住宅の建築と似ている
大工や左官、とびなど専門職が分業して家を建てるように
舞台制作会社が音楽家の要望を聞いて構想を練り
音響や照明、機材の搬送など、各業者が分担する
公演の中止は、これら特殊技能を持つ中小企業の経営や
フリーランスの人の生活を直撃する」といった説明があり

音響機器を扱う「パブリックアドレス」の武井社長は…
「ミキサーやスピーカーに数千万円の投資をし、4人の新卒を採用したところだった
夏にオリンピックが予定されていたため、公演が集中する春に向けて準備していた
売り上げを補うため、古い機材を売って現金化してますが
中古機材の相場も下がってしまって…」とおっしゃっているし

観客誘導や警備を担う「エスタシオン」の長谷川代表も
「貯めて来たものを一気に吐き出してます」と頭を抱えておられます

そんな状況のエンタメ業界の救済に、政治の世界で中心となって動かれたのは
東京地検特捜部時代に、村上ファンド代表の逮捕・起訴に関わられた検事の山下貴司元法務大臣
「もともとライブは好きでして、これまで9つの法律の議員立法に携わった
公共の場でやれば、立派に条例違反なのに
対象外のネット上でボロ儲けしていいものか」…と立ち上げられたのが、チケット不正転売禁止法で

現在は、自民党ライブ・エンタテイメント議連の事務局長として、業界からの陳情に耳を傾けられ
経済対策では、フリーランスや小規模団体向けの文化庁のコロナ支援策に560億円の予算を付け
経済産業省のJ-LODライブ事業に878億円を計上

公演を中止した主催者が再開した場合
公演のライブ映像を元に、5分以上の動画を作って海外配信すれば
公演などの経費の半額の補助を受けられるシステムも合わせて、1500億円が投じられ
この数字は、米国の250億円、フランスの26億円に比べて、はるかに多いものの

業界側は「3月以降の売り上げが、ほぼゼロで
第2波襲来の中、本格的な見通しが立たない」ことや
「仮に、政府が容認する会場の収容率50%で観客を入れたとしても
コンサートは、70~80%くらい観客が入らないと黒字にはならないので
思い切って、チケット代を引き上げるか、制作費用を切り詰めるか
ホールやアリーナの使用料を大幅に下げて貰うかしないと収支が成り立たない」こと

また…「J-LODライブ事業で、無観客ライブを配信する動きが広がったとしても
車を売っていたディーラーが、カーナビを売るようなもの」
…と、せっかくの予算投入も、その手応えは物足りないみたいです(汗)

それでも、前述の山下元法務大臣のような文化事業に理解のある方はともかく
やはり、衣食住といった「生命」や「生活」に直結するものと比べると
音楽や演劇、映画など、あらゆるエンターテイメントは
「二の次」扱いをされるのは、いかんともし難く(汗)

そのエンタメを生業になさっている方々にも「生活」があるということには思い至らない
というか、思いを巡らす余裕がないというか
確かに「衣食住」が整わない中で「音楽で元気を出して」と言われても
耳を傾ける気になるかどうか…ですよねぇ(汗)

ただ…「人はパンのみにて生きるにあらず」という聖書の教えを
「人は物質的な満足だけでなく、精神的、文化的な満足もなければ、生きて行けない」
…という風に、間違った受け取り方をされているのは
「文化や芸術は、人間の生活にとって欠かせないものである」と
思っている方が大勢いらっしゃるからじゃないかと…?

ちなみに…「人はパンのみにて生きるにあらず」というのは
「パンばかりに固執してはいけない
神様の教えに従っていれば、おのずとパンも与えられるのだから」といった意味みたいです

ともあれ、劇団四季の吉田智誉樹社長は…
「自粛期間中、自宅で自己鍛錬するしかない俳優のメンタルが心配で
オンラインでのレッスンや交流の機会をたびたび設け、気持ちを切らさないよう努めました
彼らの収入は、出演単価と回数に応じた額が、定額に加算されて決まるんですが
自粛期間中も一定の比率で出演したとみなして支払うことにしました

ブロードウェイは、年内は再開できず深刻です
人種問題が、コロナと同じくらいのインパクトで演劇界を襲っている
1年近く空白が続くと、廃業する人も多く出るでしょう

今後は、海外展開もにらんだオリジナルの新作を増やし
有料ライブ配信することも検討しています
劇場で感動を分かち合うという本筋を曲げるつもりはないが
浅利らが目指した『演劇だけで食べる』理念を
『演劇で食べる』に少し変更しないといけない

活動継続への支援を求めるクラウドファンディングは
個人から多くの支援を頂き、本当にありがたい
『演劇界の最大手の劇団ですら、このような手段を…』と感じて頂くことで
業界全体の危機を世間に認識して貰えれば…という思いもありました

多くの業界が困っているので、文化の危機だけを主張するのはおこがましいが
ただ、演劇は失われたら、なかなか戻って来ないジャンルなので、何とか目を向けて欲しい

コロナ禍で演劇そのものが否定された訳ではない
個別の集団が生き残れるかという問題はあるかも知れないけれど
演劇の形が大きく変貌したり、社会から受け入れられなくなったりということは起きないでしょう」と話されていて
本格的に再開できる日まで、なんとしても持ちこたえようという
「しぶとさ」「したたかさ」を感じました

長々ととりとめもなく書いて参りましたが
北山修さんが…「歌は人を殺す凶器にもなるし、慰み者にもなる
過大評価はしていない
歌は生活の一部だが、決して全部にはならない
しかし、その一部により、生活全体が豊かになることは信じて疑わない
…とおっしゃっているのが、一番しっくり来るような気がします
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« WITH コロナ時代のエンタメ2 | トップ | 個人の見解ですので… »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。