虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ベルズ・アー・リンギング(1960年/アメリカ)

2006年07月20日 | 映画感想は行
BELLS ARE RINGING
監督: ビンセント・ミネリ
出演: ジュディ・ホリディ
   ブレット・クラーク
    ディーン マーティン
    ジーン ステイプルトン

 1956年のニューヨーク。電話応対代行会社に勤めるエラは、子どもにサンタのマネでほうれん草を食べさせたり、オペラ歌手にのどのお手入れを紹介したり、ついつい性分で契約以上のサービスをしてしまう。彼女は顧客である劇作家のジェフリーに惹かれている。しかし、ある日彼女たちの仕事を秘密売春組織と誤解した刑事が現れる。

 ちょっとおせっかいな電話対応代行業の女の子が、奇跡の女神役をしてしまう、おまけに恋も獲得という、楽曲は少なめだけど甘くて、眼にもにぎやかで楽しいオーソドックスなミュージカル。エラという気のいいアメリカ娘を(当時の)アメリカ的な性善説丸出しで描き、ハッピーエンドで納める。
 その多くない曲も、ノミ屋大合唱とか、むちゃくちゃ面白い。
 ジュディ・ホリディは「ボーン・イエスタディ」ですごいな、と思ったが、これを見て話し方までトーンが違って演技の多彩さにびっくり。いかにも知性より性格に見える、メリハリバディで「キューティーブロンド」のブロンド美女神話的な美人で、しかも芸達者。それにクールよりも親しみの持てるかわいらしさがあって、本当に夭折が惜しまれます。

 というわけで、ヒロインは素敵だったけど、私はエラが結ばれる劇作家ディーン・マーチンが今ひとつなのでした。これは私の趣味なのでどうしようもないですが、もっと清潔感とカワイゲのある遊び人風だったら良かったのになあ…

 この劇は、脇キャラが面白くて作曲家志望の歯科医を主役にしても面白そう。