虫干し映画MEMO

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SPL/狼よ静かに死ね (2005/香港)

2006年07月11日 | 映画感想あ行
SPL
SHA PO LANG
監督: ウィルソン・イップ  
アクション監督: ドニー・イェン
出演: ドニー・イェン    マー
    サモ・ハン    ポー
    サイモン・ヤム   チャン

 1994年香港の裏社会のドン、ポーの有罪の決定的証人を護衛中に殺されたチャン刑事は、以来ポーを追っている。3年後、重病で余命わずかとなったチャン刑事は引退を決意、彼の捜査チームの新たなリーダーとしてマー刑事を迎え入れる。彼は凶悪犯を素手で殴り廃人にしてしまった過去を持つ武闘派刑事。チャン刑事とその部下たちはチャンの引退前にポーを追い詰めようと焦るあまり次第に暴走していく。

 トム・クルーズ、ミラ・ジョボビッチの派手で華麗で絵優先のアクションを続けてみた後で、タイ映画の痛さに迫ろうという痛そうな、今までの香港アクションとも少し趣の違った華麗よりも迫力を感じさせるものになっておりました。
 いかにも香港ノワールの香フンプン、警察側の暴走も相当のもので、サモ・ハン演じる悪役ボスの実力も充実、死屍累々たる結末なのだが、その死に様が実にノワールで壮絶で無残な死に方を見せてくれます。 とくに、娘のプレゼントを開けかけて、ついに中身を見ないままに死んで行く男なんて、男の人はこんなの好きなんだろうなあ、と思う。
 殺し屋の白いスーツも時代錯誤のようだけど、最後で意味を持ってくるし、ラストはちょっとびっくりしたが、らしいといえば、思い切り香港らしい。
 ドニー・イェンも年取ってもともとの、昔ほんと悪役似合わなかったかわいい顔がちょっとこけ、スッキリ清潔感のある大人顔に陰って感じになってよかった。(ちょっと贔屓目です)サモ・ハンの悪役も貫禄です。

 ともかく、見た目のかっこよさよりも「取っ組み合い」という言葉がはまるような闘いの実感を重視したようなアクションでした。背骨痛そうでした。