虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

シリアナ(2005/アメリカ)

2007年04月12日 | 映画感想さ行
SYRIANA
監督: スティーヴン・ギャガン
出演: ジョージ・クルーニー   ボブ・バーンズ
   マット・デイモン   ブライアン・ウッドマン
   アマンダ・ピート   ジュリー・ウッドマン
   クリス・クーパー   ジミー・ポープ
   ジェフリー・ライト   ベネット・ホリデイ
   クリストファー・プラマー    ディーン・ホワイティング

 元CIA工作員ロバート・ベアが著わした告発本『CIAは何をしていた?』を、「トラフィック」でアカデミー脚本賞を獲得したスティーヴン・ギャガンが監督・脚本を手掛け映画化。
 ある中東産油国。中東スペシャリストのCIA工作員のボブ・バーンズは引退前の最後の任務へ… 弁護士ベネットは、その国の油田の権利を獲得した石油会社の大型合併を巡る調査に当たる…。ジュネーブのアナリストのブライアンは、その国の王子の別荘で子どもを失う… 出稼ぎに来てコネックス社の油田で働いていたパキスタン人青年ワシームは、突然の解雇に遭う…。彼らの運命が、縒り合わさるときに…

 私の知識不足で「シリアナ」というタイトルの意味が、見た後で検索するまで掴み切れませんでした。CIAがイラン・イラク・シリアが合体した国を仮想して呼んでいる言葉なんだそうです。原作の邦題のほうがそういう予備知識無しで見るには親切かな。
 監督や製作のジョージ・クルーニー、ソダーバーグのいかにもこのメンバーらしい意図は十分に理解できるものの、後味最悪な映画で、マット・デイモンが帰宅した、命があったということだけがせめても、という感じです。それでも失意の帰宅ですが命あってのモノダネです。
 あのカッコイイ中年セクシーのクルーニーの緩んだ身体もすごい、とかそういうことも思うには思ったものの、やっぱり感じたのはつくり手の意思です。イラク開戦の直後は無理だったでしょうがこれだけのものをつくってしまう、知らないもの同志が全く意識もせずにグローバルに関連性を持ってしまう「今」、「国益」という必要にして如何様にも解釈可能なものをあからさまにし、見るものを向かい合わせてしまう映画をとっちゃうんだなあ…

 問題の質は違うけど、日本では「ナントカ還元水」を見事に笑い飛ばすメディア作品も出て来ないし(私が知らないだけですか?)… 自衛隊派遣の実績は着々残れど議論は進展しないし(はっきりしたほうが実際に現場に赴く人も困らないでしょう?)… 映画のためだけでないイライラが残ってしまったのでした。


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