虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

SAYURI(2005/アメリカ)

2007年04月10日 | 映画感想さ行
MEMOIRS OF A GEISHA
監督: ロブ・マーシャル
出演: チャン・ツィイー    さゆり
   渡辺謙   会長
   ミシェル・ヨー    豆葉
   役所広司    延
   桃井かおり   おかあさん
   工藤夕貴   おカボ
   コン・リー    初桃

 貧しい漁村に生まれ、9歳で花街に売られた少女・千代は、辛い生活の中で優しい紳士との出会う。彼女は、その紳士に出会うために芸者となろうとする。

 原作は以前に図書館で斜め読みしてきました。花街の生活のディティールが細かく描かれていて、日本人の手による作ではないという違和感は余り感じませんでした。そもそも花街なんて、私は本と映画以外に知りませんというほとんど外国のお話のようなものなので、「そうなの~」と感心して読み進んじゃってそれだけなのでした。

 それがねえ~
 この映画渡辺淳一氏は「国辱」とか仰ったそうですが、私はそれ以前。
 大体日本に見えないんですもの。言ってみれば「千と千尋の神隠し・花街編」日本のようで微妙に日本でない世界、って感じなのです。
 例によって、口の中で「どひゃあ~」「ひょええ」とか呟きながら、しかも要所要所で思わず笑ってしまう。あの水揚げシーンの赤い長襦袢(たぶんそうよね)では声出して笑っちゃったし。踊りはどうしても雑技団風味に見えちゃうし。
 チャン・ツイィー筆頭に女優さんはすごくきれい。特にミシェル・ヨーのきりりはかっこよかった。工藤夕貴も巧いです。
 着物はこの映画でもカナメで、その時のその人を十分に表現し、美しい。衣紋から襦袢の衿が出てるのも目障りだけど許す。コン・リーについてはあんな着方をする芸者さんはいないんじゃないかと思うけど、まあ、役柄を表現してると思えばいいか。
 時代考証も十分してるはずだから、結局ハリウッドが選んだマーケット相手ではこうなってしまうのが必然だったのでしょう。

 でも結局秘めた思いを軸に女の半生を描くんだったら、ああ「祇園の姉妹」「祇園囃子」の溝口監督だったら…女の怖い世界だったら「流れる」の成瀬監督だったら…縛られた人生の中の女の一生については有吉佐和子先生のご意見を伺いたかった!…などなど詮も無いことを思ってしまいました。


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