虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

人はなぜ「美しい」がわかるのか/橋本治著

2004年07月31日 | 
ちくま新書

315円DVDを求めて時間を費やしたので映画の数が減りました。
なんとなく本末転倒な感じはします。
おかげで電車移動中に読む本の数は増えたような気はする。

 橋本治のこの本は2度目になる。
 あるものを「美しい」と感じる感性も、すべて関係性で解説され、いわゆる豊かな感受性というものさえも、人との関係をいかに築いてゆけるかにかかるようだ。これって、昔「恋愛論」で同じようなことを感じたような気がする。

 まあ、それで思い出したのが「アンネの日記」狭い隠れ家の中で三家族が、安定剤を飲んで気分を抑えて暮らす極限状況で、彼女が偽物ではないかと疑われるまでの文章を残し、精神的成長を遂げたのは、日記を架空の相手への通信として、他者の目と存在を忘れないアンネ・フランクという少女の精神のありようと無関係ではないろう。
 そういうわけで今回はこの本で「自他」を考えてしまった。