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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

遠野町家の雛祭り

2014-03-03 09:00:00 | Weblog
        
       

 民話の里・遠野市で開催されている町家のお雛様にでかけてきました。

 これは江戸時代中期のお人形。
お内裏さまの位置が逆なのは京風の影響を受けているからです。
お雛様は女の子の固有の持ち物ではなく、代々受け継がれて来た家の財産だそうです。
一切の管理を任される女たちにとっても、それは大変誇らしい仕事であったろうと思います。
またしばし、嫁、姑の深刻な確執の種となるほどの重要な仕事でもあったようです。
以上のことは、お雛様にも負けないほどの美しい語り手である商家の奥様からお聞きしました。

 古さを全く感じさせないみやびな姿は、長い歴史の中で大切に保存されてきたからです。
幾多の政変も飢饉も戦争も震災も、一族の幸も不幸もすべて承知のお人形たち。
どんなことがあっても永遠に変わらぬ雛の微笑みをじっと見ていると、私はちょっと・・・

 ごめんなさい。ああ、なんだかそこはかとなく怖くなってしまいました。
お雛様って時々、薄笑いを浮かべながらまっすぐにこちらを凝視してくることがあるのです。
いえ、そんなことを考えるのは、よこしまで穏やかならざる私の心持ちのせいに他ならないのですが。
そういえば今年もまた埃をかぶった段ボールの中で横たわっている我が家のお雛様。
来年こそは日の目を見せてあげることにいたします。
 


          



 遠野市には至るところに河童伝説が息づいています。
誰もが見たことも捕まえたこともないけれど、どこかにいそうな気がする未確認動物・河童。

 驚いたことに遠野駅前の河童たちは皆、色違いの温かそうな毛糸のマフラーをかけてもらっていました。
県内でも有数の厳寒地である遠野市。
毎年冬になるとマフラーをするそうですが
 「河童がどうか風邪などひきませんように
きっとどこかの親切な方が用意してくださったのでしょう。
私の写真では不鮮明なのでこちらを参考にしてください→マフラーを巻いた遠野駅前の河童



 ここの河童は、遠野市内によくあるいたずら好きの愛らしいマスコットキャラクターの雰囲気はありません。
スリムだけれど力強く、どちらかというと不可思議な力を持つ物の怪とか妖怪のような非日常的存在のイメージの河童です。
初めて遠野駅に降り立った旅人はみな、この異様な河童群像に驚嘆の声をあげるのではないかと思います。
それぞれが抱いていた河童のイメージを大きく変える力があり、民話という摩訶不思議な世界に踏み込む期待が膨らみます。
風刺が効いた立派な芸術作品で、私も個人的に大好きです。


              


 マフラーをしていない時はこんな感じ。
言わなくてもよい(言わない方がよい?)見解かもしれませんが、ここの河童たちに色鮮やかな化繊のマフラーは・・・
ごめんなさい。全然似合わないような感じがしました。

 私の意見は遠野市の心優しいどなたかを傷つけることになるかもしれません。
もしかしたらなんらかの理由や事情があるのかもしれません。

 でももし私がこのカッパ群像の制作者であったなら
そのようなご親切はどうかお構いなく!
と固辞すると思います。

 傘地蔵のお話には感動した私ですが、襟巻き河童のお話にはちょっと違和感が・・・ 
マフラーが目立ちすぎて作品の世界観をだいなしにしてはいないでしょうか?
それにたぶん河童という種族は遠野の寒さなんか屁の河童さ!と言っていると思います。