韓国、女子アーチェリー団体戦で金メダル…不滅の「五輪9連覇」
ロシアオリンピック委員会に6-0で圧勝
1988年五輪以来、不敗神話続く
「金-金-金-金-金-金-金-金-金」
自分の目を疑うほどの大記録だ。2020東京五輪に出場した女子アーチェリー代表チームの選手らが、韓国選手団に二つ目の金メダルをもたらした。1988ソウル五輪でアーチェリー団体戦が始まって以来、これまで9回行われた五輪で女子アーチェリー韓国代表は全て金メダルを獲得した。照り付ける熱い東京の太陽よりも眩しく輝いていた。
女子アーチェリー韓国代表のカン・チェヨン(25)、チャン・ミンヒ(22)、アン・サン(20)は25日、夢の島公園アーチェリー場で行われた女子団体戦決勝で、“難敵”ロシアオリンピック委員会をセットスコア6-0(55:53/56:53/54:51)で破った。ロシアは過去、ドーピングサンプル操作問題が明るみに出たことで、今大会にロシアオリンピック委員会として出場した。
これで韓国は、女子アーチェリー団体戦9連覇という大記録を打ち立てた。韓国は1988年ソウル五輪でアーチェリー団体戦が始まって以来、バルセロナ、アトランタ、シドニー、アテネ、北京、ロンドン、リオデジャネイロ大会をすべて制覇したのに続き、東京でも韓国の国旗を掲揚することになった。「女子アーチェリーは金メダルを取って当たり前」というプレッシャーを乗り越えて積み上げた金字塔だ。
同日競技に出場した代表チーム選手は全員、今大会が五輪初出場。しかし、五輪の舞台という負担は全く感じていないようだった。むしろ試合中ずっと笑顔を見せるなど、雰囲気が良かった。実力も圧倒的だった。代表チームは準々決勝でイタリアを6-0で下し、準決勝では日本を抑えて勝ち進んだベラルーシを5-1で破った。決勝戦も6-0の完勝だった。1セットも取られない完璧な勝利だった。アーチェリー団体戦は、1セットを取ると2点、引き分けになると1点が与えられる。
徹底したトレーニングが功を奏した。代表チームは、昨冬から夢の島公園アーチェリー場をそのまま移したような選手村内の専用練習場で毎日のように特訓を行ってきた。地震などの特殊状況に備え、さまざまなメンタルトレーニングも行いながら、地道かつきめ細かい訓練を重ねてきた。新型コロナウイルスへの感染を懸念し、外部の出入りはもちろん、外部の人との接触も完全に遮断するほど徹底していた。
まだ若い上、実力も備えており、将来も期待される。特に身体能力とパワーに優れているのが強みだ。韓国アーチェリー代表チームのリュ・スジョン監督は「韓国女子アーチェリー史上最高レベル」だと評価する。実際、カン・チェヨン(171センチ)、チャン・ミンヒ(175センチ)、アン・サン(172センチ)の3選手とも身長が170センチを超える。かつて「神弓」と呼ばれた選手らはアン・ボベ(168センチ)を除けばほとんどが平均的な身長だった。
リュ監督は「背が高いだけに力があるので、カン・チェヨンやチャン・ミンヒらは重い男性用の弓矢を使っており、揺れが少ない」と説明したが、特に同日試合が行われた夢の島は東京湾に作られた人工島であるため、海風が強く、韓国代表チームの強みがより際立った。残りの女子個人戦も夢の島で開かれるため、大きなメリットになりそうだ。
先に行われた混成団体戦で金メダルを取ったアン・サンは東京五輪で初の2冠に輝いた。30日に開かれる女子個人戦でアーチェリー史上初の3冠を狙う。アン・サンは代表選抜戦で3位となり、最後に代表入りした最年少メンバーだが、特有の強い精神力で韓国選手の中で2冠第一号のタイトルを手にした。「うまくやってきたし、うまくやっているし、うまくやっていける」という彼女のつぶやきが個人戦でも通用するかどうか注目される。
見通しは明るい。アン・サンは23日に開かれた女子個人予選ランキングラウンド(順位決定戦)で、72発合計680点で五輪新記録を塗り替え、すでに力を証明した。決勝ラウンドに進出した64人の中で1位になったのは言うまでもない。アンは自信に満ちている。試合に出場する前から「目標は1位」だと語っており、混成団体戦で優勝した後は「もう一度愛国歌(韓国の国歌)を聴きたい」という希望も明らかにした。
アン・サンがすでに女王としての風格を漂わせており、他国の選手にとっては強いプレッシャーになるものとみられる。特に特有の「ポーカーフェイス」が強みに挙げられる。リュ・スジョン監督は「最近は外国選手も(実力がかなり向上し)韓国の女子アーチェリー選手を見ても気後れしない。しかし、サン(アン・サン)には恐れをなして、実力を発揮できない場合がある。思いっきり弓を射る上、最後までポーカーフェイスを維持するからだ」と説明した。アン・サンは24日の混成団体戦の時も落ち着いた様子で、何度も「ファイティン!」と叫ぶキム・ジェドク(17)と対比を成していた。まるで氷(アン・サン)と火(キム・ジェドク)のようだった。
代表チームのキャプテン、カン・チェヨンも同日、金メダルを獲得し、2016リオ五輪で代表チームに選ばれなかった無念を晴らした。カン・チェヨンは当時、世界ランキング1位だったにもかかわらず、代表選抜戦で3位と1点差の4位となり、苦杯をなめた。チャン・ミンヒも同日、初めて五輪メダルを手にした。両選手はアーチェリー個人戦で大会2冠を狙う。
一方、男子アーチェリー代表チームは26日、同じ場所で団体戦金メダルに挑戦する。