今回は韓米が4年7カ月ぶりに空母を動員した合同海上訓練を終えた直後、複数の地域から短時間でSRBM数発を発射した。

2022-06-07 09:12:42 | アメリカの対応

北朝鮮、今度は平壌と咸興でSRBMを「同時多発的に」発射…

2次打撃能力を誇示か

登録:2022-06-06 06:40 修正:2022-06-06 09:22
 
ICBMとSRBMの連続発射に続き、SRBMを同時多発的に発射 
西海岸・内陸・東海岸地域で35分間に8発 
専門家「2次打撃能力があってこそ先制打撃を抑制できる」 
 
 
尹錫悦大統領(中央)が今月5日午前、ソウル龍山の大統領室庁舎地下にある国家危機管理センターで、キム・ソンハン国家安保室長の主宰で開かれた国家安全保障会議(NSC)常任委員会の結果報告を受けている/聯合ニュース

 先月、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と短距離弾道ミサイル(SRBM)をほぼ同時に発射した北朝鮮が、今度は4地域から短距離弾道ミサイル数発をほぼ同時に発射した。「連続発射」がそれぞれ米国本土打撃と朝鮮半島の戦場に対する戦術能力を備えていることを誇示したものなら、「同時多発発射」は先制攻撃に対抗した2次(報復)打撃能力があることを強調するためのものと言える。

 5日の合同参謀本部の説明を総合すると、北朝鮮は同日午前9時8分頃から約35分のあいだに、平壌順安(ピョンヤン・スナン)と平安南道价川(ケチョン)、平安北道鉄山郡東倉里(チョルサングン・トンチャンリ)、咸鏡南道咸興(ハムフン)の4地域からSRBM8発を発射した。平壌と价川は内陸で、東倉里と咸興はそれぞれ西海と東海に隣接している。西海岸-内陸-東海岸など、いつでもどこでも弾道ミサイルを同時多発的に発射できる能力を備えていることを示したわけだ。

 北朝鮮が発射したミサイルは、飛行距離(約110~670キロメートル)、高度(25~90キロメートル)、速度(約マッハ3~6)が異なり、様々な種類の弾道ミサイルと推定される。北朝鮮は2019年8月と9月、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が見守る中、それぞれ咸興と价川でいわゆる「北朝鮮版ATACMS(エイタクムス)」と超大型放射砲を発射した。

 世宗研究所のキム・ジョンソプ副所長は「北朝鮮は核・ミサイル能力を高度化しながら、米本土への打撃能力と韓国・日本など朝鮮半島が戦場になった際に活用可能な戦術的能力の確保を同時に追求している」とし、「大陸間弾道ミサイルが対米抑制力ならば、短距離弾道ミサイルは対南・対日抑止手段だ」と話した。さらに「どこか1カ所ではなく、複数の場所で同時に弾道ミサイルを発射できてこそ『生存性』を確保でき、2次打撃が可能になる」とし、「2次打撃能力を示してこそ、相手の先制打撃を効果的に抑止できる」と付け加えた。

 発射時期も注目に値する。北朝鮮は、先月の韓米首脳会談で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領とジョー・バイデン米大統領が「核」を拡大抑止の手段と明示するなど強硬方針を明らかにしたことを受け、バイデン大統領が韓日歴訪を終えて帰国の途についた先月25日、それぞれ米国と韓日を狙えるICBMとSRBMを発射した。

 今回は韓米が4年7カ月ぶりに空母を動員した合同海上訓練を終えた直後、複数の地域から短時間でSRBM数発を発射した。北朝鮮としては「様々な形の弾道ミサイルを連続発射したことは、新政権発足直後の安保態勢に対する試験であり、挑戦」だと反応した尹錫悦政権に向けて、多様な抑止力を次々と誇示し、「強対強」の対峙を続けることを明確にしたわけだ。

 北朝鮮の金正恩国務委員長が直接「6月上旬」と予告した労働党中央委第8期第5回全員会議が迫り、北朝鮮が7回目の核実験まで進むという懸念が高まっているのも、このような脈絡からだ。北朝鮮はさらなる核実験を通じて、韓国と日本を狙ったSRBMに搭載できる小型核弾頭の開発の完成を目指している。

チョン・インファン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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