韓国大統領室は、2018年9月19日に締結された軍事分野の南北合意書(9・19軍事合意)全体の効力を停止する案件を4日の国務会議に上程することにした。

2024-06-05 09:14:07 | 韓国を知ろう
 

9・19軍事合意の緩衝地帯が消えた

南北…「強対強」の緊張高まる

登録:2024-06-04 06:04 修正:2024-06-04 07:39
 
 
2日、京畿道坡州市の南北境界地域から眺めた軍事境界線の南側の「自由の村」(台城洞)の太極旗と、北側の「平和の村」(機井洞)の北朝鮮の国旗が風にはためいている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国大統領室は、2018年9月19日に締結された軍事分野の南北合意書(9・19軍事合意)全体の効力を停止する案件を4日の国務会議に上程することにした。北朝鮮による「汚物風船」の散布に対抗し、韓国政府が強硬対応に乗り出したことで、朝鮮半島の軍事的緊張がさらに高まる見通しだ。

 大統領室国家安保室は3日、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室で国家安全保障会議(NSC)のキム・テヒョ事務処長が開いたNSC実務調整会議後、「最近、北朝鮮の一連の挑発が国民に実際的な被害と脅威を与えている状況で、9・19軍事合意が韓国軍の準備態勢に多くの問題点を招いている」とし、「南北間の相互信頼が回復するまで、9・19軍事合意全体の効力を停止する案件を4日の国務会議に上程することを決めた」と明らかにした。国家安保室は「(合意の効力が停止すれば)軍事境界線一帯の軍事訓練だけでなく、北朝鮮の挑発に対するより十分で即時的な措置が可能になる」とし、「北朝鮮が挑発を続けた場合は、これに相応する措置をさらに取っていくことにした」と補足した。

 この日の会議には、キム・テヒョ事務処長(国家安保室第1次長)と外交部のキム・ホンギュン第1次官、国防部のキム・ソンホ次官、国家情報院のファン・ウォンジン第2次長、統一部のキム・ビョンデ統一政策室長、国家安保室のイン・ソンファン第2次長などが出席した。政府は国務会議にこの案件が上程されれば議決する予定だ。9・19軍事合意は国会で批准されておらず、国務会議の議決と大統領の決定さえあれば効力を停止できる。

 9・19軍事合意は2018年9月19日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領(当時)と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の南北首脳会談で採択した「9月平壌共同宣言」の付属合意書で、軍事境界線一帯の相互敵対行為の中止などが含まれている。しかし昨年11月の北朝鮮による3回目の軍事偵察衛星打ち上げ後、韓国政府が9・19軍事合意のうち「飛行禁止区域」の一時効力停止を決定したことを受け、北朝鮮は9・19軍事合意の全面無効を宣言した。その後、韓国軍当局は今年1月、地上と海上にも敵対行為禁止区域(緩衝区域)は存在しないと宣言した。

 9・19軍事合意を徐々に形骸化させてきた政府が「(合意)全体の効力停止」に乗り出したのは、最近の北朝鮮による汚物風船の散布と全地球測位システム(GPS)のかく乱への対抗措置だ。政府は先月31日から「北朝鮮にとって耐えがたい措置」を予告してきた。北朝鮮が今月2日夜、南に向けた汚物風船の散布を暫定中断すると発表したにもかかわらず、政府が強硬姿勢を示したのは、北朝鮮が敏感に反応する北朝鮮向け拡声器放送などを決定時に直ちに再開できる状態を整え、北朝鮮に強く警告したものとみられる。

チャン・ナレ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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