尹大統領の米日一辺倒の外交が正常に作動しているかどうかについては、全面的な再点検が必要な時に来ている。韓米日協力ばかりを叫んでいても韓国の直面している課題は解決できないという現実を直視

2023-11-21 08:00:31 | 韓国を知ろう
 

[社説]韓中首脳会談実現せず、米国・日本への偏重外交に懸念深まる

登録:2023-11-20 01:24 修正:2023-11-20 09:06
 
 
APEC首脳会議の日程を終えた尹錫悦大統領夫妻が18日、城南のソウル空港に空軍1号機で帰国した/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は米サンフランシスコで開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議の期間中、韓中首脳会談を行うことができなかった。韓日首脳会談が行われたのとは対照的だ。米国と日本の首脳は中国の習近平国家主席と会って関係管理に乗り出した一方、尹大統領は習主席との「3分歓談」がすべてだった。

 大統領室は外遊中も韓中首脳会談を調整中だと語っていたが、結局は実現せずに終わってしまった。韓中首脳会談は昨年11月にインドネシアで開催された主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の際に行われて以来、1年以上なされていない。今回のAPEC首脳会議の期間中、日米はそれぞれ中国と首脳会談を行い、重要な懸案について深く意見を交わした。米国のバイデン大統領は習近平主席と4時間にわたって会談し、軍事対話の再開に合意するとともに、台湾問題や中国に対する先端技術輸出規制などの最重要懸案について激論を交わした。日本の岸田首相は習主席と1時間以上にわたって首脳会談を行った。日中の首脳は、中国による日本産水産物の輸入禁止などについて立場の違いを見せたが、「戦略的互恵関係」の推進、ハイレベルの経済対話の開始など、意思疎通のチャンネルの幅を広げることで合意した。

 一方、尹大統領は、朝ロの密着と兵器取引で安保に対する懸念が高まっている中、対中関係が管理されていることを誇示しようとしたものの、失敗した。習主席はメキシコ、ペルー、フィジー、ブルネイの首脳とも会談したが、尹大統領との会談には応じなかった。日米の対中封鎖に便乗したあげく、韓国だけが恥をかいたわけだ。このような状況について大統領室は「韓中会談が行われなかったことは対中外交の動力に影響を及ぼさない」と取り繕おうとしているが、説得力が弱い。中国にとっての戦略的優先順位の上位から韓国が押し出されており、中国が会談開催をカードに使って韓国に圧力をかけたのではないかとの見方が示されている。尹大統領は今回も日米の首脳と会談し、岸田首相との会談は7回目となったが、新たな成果は見られない。

 尹大統領の米日一辺倒の外交が正常に作動しているかどうかについては、全面的な再点検が必要な時に来ている。韓米日協力ばかりを叫んでいても韓国の直面している課題は解決できないという現実を直視しなければならない。米国と日本も中国とは意見の相違や対立を抱えているが、同時に協力の領域を探って熾烈(しれつ)に水面下で外交を展開してきた。尹大統領は、韓国の現実と原則にもとづいて中国といかに協力するかについての戦略をもっているのかさえ分からない。今回、韓中首脳会談が実現できなかったことを、反省と転換の契機にしてほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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