軍人権センターはこの日、C上等兵特検法が可決された直後に発表した声明で歓迎の意を表明しつつも、大統領の再議要求権(拒否権)行使に強い警戒感を示した。

2024-05-04 19:48:07 | しらなかった
 

「尹大統領、海兵隊C上等兵特検への拒否権行使は

自ら弾劾招くこと…即時受け入れを」

登録:2024-05-03 08:22 修正:2024-05-03 09:02
 
市民団体、特検法の可決に歓迎の意
 
 
2日、ソウル汝矣島の国会で行われた本会議で、「海兵隊C上等兵死亡事件捜査外圧疑惑特別検事法」が追加上程され、国民の力の議員が退場している/聯合ニュース

 国会本会議で2日に海兵隊C上等兵の殉職事件捜査への外圧疑惑に関する特別検事法(C上等兵特検法)が可決された中、軍人権センターは「(尹大統領の)拒否権の行使は自ら弾劾を招く号砲となるだろう」とし、「大統領は特検法を直ちに受け入れよ」と述べた。

 軍人権センターはこの日、C上等兵特検法が可決された直後に発表した声明で歓迎の意を表明しつつも、大統領の再議要求権(拒否権)行使に強い警戒感を示した。軍人権センターは、「兵役についた青年が、実績に目がくらんだ上官の欲のせいで、夢も花開かせることなく生を終えた。しかし289日もの間、国が守ったのは、花開くことのなかった青年の夢ではなく、部下の命を担保にして栄達を求めた上官の欲だった」とし、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は事故発生の原因と責任を糾明するのではなく、あらゆる力を総動員して原因究明を妨害し、責任者をかばった。今日も与党の与党『国民の力』は、特検法の採決を前に退場してしまった」と批判した。

 軍人権センターは続けて、「これまで尹大統領は、自身、親戚、政権の過ちを調査、捜査することを内容とするすべての法律に拒否権を乱発し、憲法と三権分立の原則を骨抜きにしてきた。(C上等兵)特検法は大統領に照準を合わせているため、今回も(大統領が)拒否権を持ちだす可能性は高い」とし、「拒否権の行使は自ら免罪符を与えるのではなく、自ら弾劾を招く号砲となるだろう」と述べた。

 同日、参与連帯も論評で、C上等兵特検法の可決について「C上等兵の殉職事件の真相をあばき出し、捜査の過程で大統領室と国防部が不当な外圧を行使したという疑惑を究明せよという、総選挙で確認された国民の要求に国会が答えたもの」だとし、「尹錫悦大統領はC上等兵特検法を直ちに公布すべきだ」と強調した。参与連帯は、「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)と警察が捜査を進めているが、大統領室(の関与)を指し示す捜査外圧疑惑を捜査するには、今の力量は足りない。また、公捜処が直接起訴できないということも、特検導入が必要な理由」だとし、「民意に逆らってC上等兵特検法すら(大統領が)拒否した場合、国民が大統領を拒否するであろうということを忘れてはならない」と述べた。

 C上等兵特検法は、昨年7月の豪雨での行方不明者の捜索作業中に起きたC上等兵殉職事件を捜査する過程で、大統領室と国防部が介入して外圧を行使したという疑惑を究明するための特検の導入を主な内容とする。昨年10月に同法案は共に民主党の主導で迅速処理案件(ファーストトラック)に指定され、その後、180日の熟慮期間が過ぎたため、先月、本会議に自動的に付議されていた。共に民主党などの野党はこの日、本会議でC上等兵特検法を可決した。国民の力の議員の大半は、特検法の処理に反対して本会議場を退場した。

コ・ナリン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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米国の軍事戦略に付き従って中国への対抗姿勢を強め、戦争の危険をつくりだす岸田政権と、外交による平和構築の立場に徹し、その実現のために奮闘する日本共産党との対比が鮮明になっています。

2024-05-04 10:48:49 | 真の解決目指して

東アジア平和構築

憲法9条生かした外交 今こそ

 東アジアでは、大国間の対抗が強まる下、さまざまな紛争や緊張、対立が生まれています。戦争の心配のない東アジアをどうやってつくるのか。その展望を示すことが、今の政治に切実に求められています。

 その点で、米国の軍事戦略に付き従って中国への対抗姿勢を強め、戦争の危険をつくりだす岸田政権と、外交による平和構築の立場に徹し、その実現のために奮闘する日本共産党との対比が鮮明になっています。

■軍事同盟の強化

 岸田政権は、2022年末に決定した「安保3文書」に基づき、他国をミサイルなどで直接たたく敵基地攻撃能力の保有や軍事費の2倍化など、東アジアの軍事的緊張を激化させる空前の大軍拡を進めています。

 4月10日の日米首脳会談では、米軍と自衛隊の「指揮・統制の枠組みを向上」(共同声明)することで合意しました。バイデン大統領が「日米同盟が始まって以来、最も重要なアップグレード(更新)」と絶賛したように、狙いは米軍の指揮統制システムの中に自衛隊を組み込むことです。そうなれば日本は主権の一部を切り離され、先制攻撃を選択肢にする米軍の指揮の下、自衛隊が無制限に武力行使を拡大することになります。憲法じゅうりんの日米軍事同盟の歴史的大変質です。

■日本共産党の提言

 一方、日本共産党の志位和夫議長は17日、各国の外交官らを前に講演し、「東アジアの平和構築への提言―ASEANと協力して」を発表しました。

 提言は、(1)ASEAN(東南アジア諸国連合)と協力して東アジア規模での平和の地域協力の枠組みを発展させる(2)北東アジアの諸問題の外交的解決を図り、東アジア平和共同体を目指す(3)ガザ危機とウクライナ侵略を国連憲章・国際法を唯一最大の基準にして解決する―というものです。

 ASEANは1976年に東南アジア友好協力条約(TAC)を結び、「紛争の平和的手段による解決」「武力による威嚇、武力の行使の放棄」を相互関係の指針にしています。地域を問わず「全ての平和愛好国との協力が必要」とし締約国を拡大してきました。日米中なども加入しています。

 2019年にASEAN首脳会議は、「ASEANインド太平洋構想」(AOIP)を採択しました。▽対抗でなく対話と協力のインド太平洋地域をつくる▽ASEAN10カ国と日米中など8カ国が参加する東アジアサミット(EAS)など現行の枠組みを対話と協力のプラットフォーム(舞台)として活用・強化する▽TACを指針とし、東アジア全体で推進する―などを柱にしています。特定の国を排除せず、東アジアの全ての国を包摂した枠組みを活用・発展させ、戦争の心配のない平和な地域にする構想です。日本共産党の提言はこうした構想に沿った現実的なものです。

 日米首脳会談の共同声明は、米英豪の排他的な軍事的枠組みAUKUSと日本の協力検討を打ち出しました。一方で、AOIPの支持を明記しました。ここにもASEANの力が働いていることを示しています。日本がやるべきは軍事的対応の強化ではなく、東アジアの平和構築に向けた憲法9条を生かした外交です。

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