どこ吹く風

旅のことを主に書く。

崋山 下棋亭

2010年10月08日 09時19分40秒 | 西安・敦煌遊学
 北峰→ (1分位歩いて)→擦耳石→(10分位歩いて)→御道蒼龍嶺→(25分位歩いて)→金鎖関→(28分位歩いて)→東峰(標高2100M)→(35分位歩いて)→最頂上の南峰(標高2160M)→(1時間歩いて)→西峰(標高2083M)→(12分位歩いて)→中峰(標高2024M)→(18分位歩いて)→蒼龍嶺→(30分位歩いて)→北峰
               ”西安金橋国際旅行社”のブログから転載
http://blogs.yahoo.co.jp/niwang2009/32192182.html

 3時10分になっても未だ東峰を踏んでいない。さて引き返すべきか進むべきかを暫し考えた。ポケットの持ち金を調べると予想外の18元しか残っていない。帰りのバス賃にさえ足りない、マイッタ。
戻って皆と一緒に帰ろうか、モウ1度チャレンジするとなると又400元掛かる、それに日程を考えると時間が取れるかどうか分からない。あれこれ考えるも踏ん切りがつかない。手持ちの金が無いのが致命的だ。思案ムヌカンガエーしたのは走長い時間ではない、ウミーヤミーしていてふとタクシーで西安まで帰れるのどうだろう、200元あれば帰れるのではなかろうかと考えた。

 そうだタクシーという手がある。そうしようと決めてしまえば気が楽になり下棋亭を目指して上りはじめた。お寺の山門をくぐり上へ歩いていると名前を呼ばれて振り向くと学生さんがいる。最初の壁で立ち往生した人たちの処遇を済ませてから追ってきたとのこと。私はこれでお金の問題が解決できるので内心ホッとした。

 連れができたので元気も出て下棋亭と思われる道を標識を頼りに又登山客に尋ねながら進んだ。また10mほどの絶壁が出てきた、ここも足場は切られているし鎖も取り付けられているので問題は無い。しかし前を行く若者がモタモタしている、隣にある下り専用の梯子を使うように勧めてルートを空けた。学生には岩壁から身体を離して力は鉛直方向に踏ん張るようにするとか三点確保とかを教えてまず私が壁に取っ付く。かつて剱岳や穂高岳でロッククライミングをしたことがあるのでこの程度はどうって事は無い。

 学生は若さと身体の柔軟性でこれまたさっさと登り、写真を撮るように要求する余裕があった。東峰はなだらかな斜面の延長上にあり少々も物足りなさを感じる。下棋亭へのルートを探すのに手間取り南峰へのコルまで下ってしまい間違いに気づいて戻った。

 下棋亭へはお寺の裏手から垂直に降りるルートがあるが鍵が掛かっている、管理する公安職員が来て、安全帯の使用料金として30元必要だろ言われた。その安全帯から出ているロープの先にカラビナが付いている。ロープは2本なので確実に確保できる。まずセルフビレのワイヤーカラビナを掛けて太い鉄鎖を握る、初っ端からハングしているが足場が岩に刻まれているので難しい事は無い。
久々の味わう岩との対話、ガスも次第に晴れてきて天然の山水画の深みが増している、将に絶景だ。壁の下に降り立ちトラバース気味に下り安全帯無しで歩ける場所まできた。その後も慎重に足を運び下棋亭に到着した。
二人で握手をする、達成感があった。

 この下棋亭は石で組まれているが石材は何処からどのようにして運んだのだろうと不思議に思った。辺りを見回すと岩が削られている箇所がある、石材はきっとここから切り出されのだろうと納得する。
目的が果たせたのであとは下るだけ。しかし階段だけのルートを歩いたので足がガクガクしてきた。雨上がりなので滑る箇所も多々ある。山門前の広場で滑って尻餅をついてしまった。疲れを感じたので万が一のために手摺を握りながら下りた。それでも3回よろめいてしまった、今日は3000段ほど階段を上がった計算になる。足がふらふらするのも無理は無い。ロープウェイ乗場では皆が待っていた。

 半分以上は意地で登ったが疲れた。今回は東峰と下棋亭しか行っていない、南峰へのルートも面白そうなのでいつの日かもう一度行きたい。