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なんちゃってLOHASな日々

ハーブの事。田舎暮らしの事。読書あれこれ。毎日の生活の中の、ちっちゃな出来事を楽しんじゃうブログです。

八日目の蝉

2010年08月19日 | 読書
毎朝目覚めは隣りの公園からの、降るように響く蝉の声から始まります
日の出と共に。もう、ザンザンと。蝉の声なのか、ナンなのかわからない位の大合唱
しかし・・・慣れって怖いねぇ~。
朝一番に気になるくらいで。
後は、夜になって、しーんと静かになって。
「ああ、蝉がないてないな。」って思うくらいだから、不思議なものです

爆笑問題の太田光さんが、テレビで「名作だ!」と言っていた、角田光代さんの「八日目の蝉」
何となく手にしそびれ。図書館は予約の長蛇のリストに名を連ねるのも億劫で
かれこれ幾年月先日、図書館の棚に見つけました

あらためて。
「 八日目の蝉 角田光代著 中央公論新社 1600円+税 」

今年の3月にドラマ化されたそうですね。気づきませんでした
まぁ、私は連続ドラマが見れないタチなので(何曜日の何時にテレビの前に座る・・・ってのが出来ない人なので
気づいても観れなかったんでしょうけどねぇ

希和子は不倫相手の子を宿すも、産むことは出来なかった。そして、子どもを宿せない身体になってしまう。
時を同じくして、不倫相手の妻が子を宿し、女の子が産まれる。
希和子は、その子を盗み。
わが子につけるハズだった名前「薫」と呼び。
逃亡生活を送りながら5歳半まで育てる・・・のが、第一章。

二章は、「薫」として育てられた後、本当の両親の元に戻されてからの「恵理菜」が大学生になって登場する。
「誘拐された子」として生きてきた恵理菜の想いを描いています。

「誘拐」したとはいえ、自分を心から愛して育ててくれた、憎むべき誘拐犯の「あの女」
実の母とはいえ、離れていた時間を埋めることができず、情愛の交わし方がぎこちない「本当の親子」

そんな話を読みながら。
私が考えていたのは「家族の形」

ほんの?30年前。私が子どもだった頃。
父と母と兄と妹と。
「5人の家族」が、「あたりまえ」で。
その「家族」が、バラバラになるなんて、その時は、考えもしなかった。
成長し。恋をして。結婚して。
子ども達は「我が家」を巣立ち。新しい家族を持ち。
みんな幸せ・・・だけど。

ふと思う。

今、私の持っている。「あたりまえ」の。
今のこの「家族」だって。無限に続くものじゃないんだな
子どもは。成長し。両親を乗り越えようとし。新しい、自分の「家族」を作るだろうし。
私達も、老いて。気づけば一人・・・という日も来るかもしれない
「家族」は、変わっていく

「恵理菜」は「薫」として育てられた時間を恨む一方で。
幸せだった時間の想い出としても、記憶に残っていて。
チグハグな「本当の家族」とのギャップの間で、揺れ動く。

でも。「あの女」に愛された幼少時代の、温かな想い出と。
上手く関係を築くことができなかった両親を。少しずつ受け入れ、乗り越えていく。
そしてまた、新しい家族を作り育んでいくんだろうな。

サスペンスなのですけど。
「家族」について。なんだかしみじみ考えてしまえる一冊でした


・・・さて。この記事を書くのに2週間かかってしまいました
蝉も鳴いてますけど。夜になると、秋の虫の音が混じります。
暑い暑い日が続いてますけど、季節は、着実にめぐるんだなぁ~
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ダレン・シャン

2010年05月31日 | 読書
娘の友だちの大絶賛で読み始めてから、はや3ヶ月あまり
ようやく「ダレン・シャン」全12巻を読破しました

「 ダレン・シャン 作 Darren Shan 訳 橋本恵 小学館 1500円+税 」

12巻・・・というと、確かに長いには長いのですが、私はかなりの速読なので。
たぶん、手元にあれば、もっと早くに読めたのだと思いますが。

1・2巻が図書館で、いつも「貸し出し中」で、予約するのも面倒なので、小学館のファンタジー文庫で購入。
3巻から8巻までは、図書館で借りて読み(9巻からが貸し出し中だったので
で。しばらく待って、9巻から11巻まで、また図書館で借りたトコロで・・・。
なんと、最終巻の12巻だけが図書館になく
「他の図書館からの取り寄せ」になるコトが判明し、また面倒になって12巻は文庫を買いました

「外伝」はあるのに、最終巻だけない、わが町の図書館って・・・

さて気になる内容は・・・。
と書きたいトコロですが、この類の本は、筋が判ったらその時点で楽しさ半減でしょう。
なので、書きません
読みすすめていく中で、ダレン・シャンが危機的状況で、ドキドキハラハラになってくるのですが。
大人の私は、「ああ、12巻まで出てるから、まだ死なないな」なんて、頭のスミにヨギるわけです
日頃、ファンタジーは、まったく読まない私ですが。
この本を読んで、ハリー・ポッターの続きが読みたくて、発売日に行列をしていた方々の気持ちがわかりました。
絶対、リアルタイムの方が、面白い

8巻まではドキドキで読んでいましたが、ファンタジー色の強くなる9巻からは、おどろおどろしい描写にも慣れてしまった感があり。ざーっと読んでしまいました。

それでも。
ダレン・シャンが受けた「不条理」な、様々な試練を。彼が克服していく様や。
「全てが善」「全てが悪」ではないという真実。
「運命」は決まっているかもしれない・・・でも、思いの強さで、変えられることもある。
目の前の事に全力で取り組む事で、開ける道がある・・・のも、本当の事だな。なんて。
そんなコトを、とりとめもなく考えました。

さて。娘のお友だちは、この本が大好きで、バンパイアになりたいそうですけど
そうねぇ・・・。人間より、めっちゃ強いって意味では、いいな・・・って思うかもしれないね
オバちゃんは、魔女みたいなエバンナの作る美味しい野菜スープに入っているハーブが何か、一番、気になるよ
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ダレン・シャン

2010年03月23日 | 読書
私の本の読み方・・・と言ったら。
その時に気に入っている作家さんの本を。
もう、何度も何度も繰り返して読む・・・というパターン
だいたいが、お酒片手にパラパラめくって、会話を楽しむように眺めるので、エッセイや旅の本が多く。
そのまま、眠くなったら寝ていくのが至福の読書パターンなので。
どきどきハラハラしたり、登場人物が多すぎたり、しかも名前がカタカナ(覚えられない)だったり、先が気になる本は「不適切」で。
そして、やっぱり、安心できる「いつもの本(って言っても200冊くらいあるうちの、その日の気分)」に落ち着いていることが多かった。

だから、ファンタジーの分野は未開の地で。
ハリー・ポッターも、作者の伝記?とかは読んだけど、本文は読んでない・・・とかね
そんな私が・・・「ダレン・シャン」を読み始めるなんて、自分でも、ビックリ

「 ダレン・シャン 1 奇怪なサーカス 作・Darren Shan 訳・橋本恵 絵・田口智子 小学館ファンタジー文庫 660円+税 」

今、映画も公開されているし。コミックも出ているんですね。
1巻は。一言で言えば、映画の宣伝コマーシャルで流れている紹介文で要約完了という感じですが。
みるみる引き込まれて読んでしまいました

実は・・・。というホドのコトでもないのですが。
娘は本を読むのが、あまり好きではない御様子
そんな娘の、今、一番のお友達が、ハマっているのが「ダレン・シャン」
彼女は小3にして、すでに全12巻+外伝も読破
他にも、ファンタジーの本をたくさん読んでいて。
遊びに来た時に、それがどんなに素晴らしい話か!と、目をキラキラさせながら教えてくれます
すごい読書量ですが大人しいタイプではまったくなく、活発なお嬢さんです
大好きなお友達の好きな本なら、興味を持ってくれるかなぁ~とモクロミ
買ってはみたものの・・・いきなりの「クモの話」で、2~3ページ読んで娘は挫折
そして、パラパラとめくった私がハマりました

娘のお友達は、「私の夢はねぇ。バンパイアになりたい」って言うんです
1巻目を読んで、ダレン・シャンの過酷な運命の始まりに、もうハラハラしてしまっている私としては。
今の所。バンパイアにはなりたくないのですが
全て読んでいくうちに、彼女の気持ちに共感できるのか・・・。
そんなところにも興味があって。
しばらくは、頑張って読んでみようと思います
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おしゃべりしていればだいじょうぶ

2010年03月19日 | 読書
先日、娘のピアノの先生から宿題が・・・
「楽譜に書いてある言葉を、図書館で調べてね
・・・って。 ドイツ語じゃん
二人で1時間位かかって辞書をひきながら、かなり怪しい訳をつけました
その時、ついでに借りた本・・・娘が私に「これはどう?」って、選んでくれたのが、この本です。

「 おしゃべりしていればだいじょうぶ 五味太郎 絵・文 クレヨンハウス 1300円 」

手のひらに、ずっしり載る小さくて厚い本です。
五味太郎さんの絵本は、小さな時から、たくさん読んでいるから。
娘も、表紙の絵を見て、選んでくれたらしいです
五味さんが描かれたクレヨンハウスの雑誌「クーヨン」の表紙を集めて。
五味さんのおしゃべり(エッセイ)と一緒に、1冊の本になっています。
思いつくままのおしゃべり・・・ってコトですが。短いお話の、一つ一つが面白い
絵に「フキだし」がついてるのですが。これも、また含蓄のある言葉が載ってたりもします。

そうだよなぁ~って思ったのは。
おしゃべり・・・誰が傷つくとか、そんなコトも気にせずに、べらべら、思いつくままに話していると。思いつくままに話しているのに、「話さない事」がおのずある・・・って話。
その「話さない」部分は、結構、自分でも気づかなかったりするけれども、本当の気持ちなんだろうな。

ブログに書かないコト・・・アタリにも、本当の自分の思いがあったりして

あと。親子関係のコト

他の人間関係は「選べる」から、適当でもいいけど
「親子」の関係だけは「選べない」から、お互いに礼節をもったほうがいい

・・・そうかもしれない とか。

いい親子関係っていうのは、「子どもの方が親を、ちょっと心配してる」って感じ。
まともな親はまともな育児をするから、細かい芸を使わなくても子は育ち。
「この親・・・だいじょうぶかぁ?」と。
子どもが思う(ちょっとだけね)方が、いい関係なんじゃないかな・・・って。

・・・これも。そうかもね・・・っていうと。
アレコレ心配してる私より、娘にソコココで心配されている、あばれはっちゃくの方が、親としてはいいのかもなぁ

さらっと読めて、いろいろ考えることの出来る「価値あるおしゃべり」の本でした
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ラスト・イニング

2010年01月04日 | 読書
年明け初めの読書は、あさのあつこさんの「ラスト・イニング」です。
なんとなく。年末年始で3回、読み返しました

先月読んだ「バッテリー」の、完結編?です。
「バッテリー」が、天才ピッチャーの巧とキャッチャーの豪をとりまく世界なのですが。

「ラスト・イニング」では、巧達バッテリーと対決したチームの。
正統派少年・・・というより
少し、いろいろな事を斜めに観ていく、ちょっと複雑な思考回路を持つ上級生の瑞垣クンの視線から語られるので。
「バッテリー」で、あさのあつこさんが、二人の姿から語りたかった事が、より客観的にダイレクトに伝わってくるように思いました。

「バッテリー」の中で。
天才ピッチャーで。でも、人を信じたり分かち合うことの苦手な巧をみて。
甲子園監督をしていた事のある祖父が。
「天才ではあるけれども。完成されていて。このまま終わるのではないか。」という主旨の不安をもらす場面があります。
その時、巧の弟の青波は、そうではないと言い切ります。
私も、読みながら。「じいちゃん。その心配は無用だよ。子どもって、すごい力があるんだから。変わるんだってば。」と、青波君を応援しながら、つぶやいていました。
そう。人は、だれでも。老若男女関係なく。「変われる」
ただ。子どもの頃から大人に向かっての。本当に、昆虫が「羽化」していく時のような。質そのものまで、ごっそりと変わっていくような「変化」の力って。
やっぱり、この時期、特有の力強さがあるように思います。

そして、瑞垣クンからみた豪には。
それこそ、あちこちトゲだらけのような巧を。葛藤して葛藤して、受け入れた。
揺るぎのない。
「信じる」という力を得た豪の「変化」が、より強く感じられます。

自分の固有観念や思いにしばられたり。他からのレッテルを剥がすのは、大変なこと。謂れのない非難を受ける事もある。

それでも。人には「変われる」力があるということ。

「信じる」「受け入れる」という事には、痛みがあるけれど。
「逃げない」ということ。

そして、「ひたむきさ」は、人を省みないところもあるけれど。
周りの人をも、また、変えれるのだということ。

そんな事を、感じました。

バッテリーからラスト・イニングまで。「次に向かうって、大変だけど・・・いいな」って思える物語でした。
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バッテリー

2009年12月07日 | 読書
先日、あさのあつこさんの「金色の野辺に唄う」の記事を書いて。
「代表作のバッテリーを読んでいない」と言ったら。ブログを見ていたくみさまより、どさっと6巻。貸していただきました

え~っと。 転げまわったという、バッテリーの続編の「ラスト・イニング」は、この読書日記を書かないと、貸してもらえないのかしら

「 バッテリー あさのあつこ 著 角川文庫 」6巻まで、出ています

小学校6年生の終わり。
天才ピッチャーの巧は、父親の転勤で、両親の故郷である山間の街に転校してきます。

まず、この山間の街に向かう道すがらの情景から始まるのですが。
以前、私が山間の街に引っ越した日の記憶。トンネルを抜けると、4月というのに雪が積もっていた驚き・・・の風景と重なり。
そこから、一気に4巻まで、読んでしまいました。
・・・というか、いつも、連続モノは集中して、全巻を一日で読んでしまうことが多かったのだけど。初日は午前2時で断念・・・私も年をとったもんだ
その後は、ちょっとペースダウンして、2日後に読破しました。

巧が引越ししてきて、一緒に住むことになったのは、甲子園出場校の野球の監督をしていた母方の祖父。
素直な体の弱い弟の青波。
巧とは、ずっとギクシャクしている両親。

そして、バッテリーの相方となる豪との出会い。

自分の能力を信じて。人を受け入れることの出来なかった巧が。
豪との出会いや野球を通して、だんだんと向き合えるようになるまでの。
ながいながい物語です。

巧と豪の話だけではなく、取り巻く大人達やメンバーの。
様々な気持ちが入れ乱れて。
思春期の入り口の、混沌とした思いや、まっすぐさが。
なんだか、身にせまってくる本でした。

たぶん。読む人の、今、置かれている状態で、いろいろに変化して思える話だと思うのですが。

巧や豪の頑なで、無器用なまでの、まっすぐさを見ていると。
最近は、「苦手なタイプの人には、極力、近づかない」「危うきには、近寄らない」「めんどうな事は、なるべく避ける」という。
大人のずるさみたいなモノを。自分は、こってりと身にまとっているんだなぁ・・・って、ほとほと感じ入りました。

不条理に対して、怒る事や。新しく、自分を傷つけるかもしれない未知の物に向かっていく事や。良いか悪いか解らないけど、自分の欲した物を突き止めていく強さ。
そんな感性を。もう、ずいぶん長いこと、忘れてしまっていたように思います。

少し傷ついてもいいから(少しだけね)・・・もうちょっと、ちゃんと怒ってみたり、苦手な人と向き合ってみたり、好きな人に声をかけたりしてみようと思いました

あんまり、まともなレビューになってませんね
久々なので、平にご容赦
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金色の野辺に唄う

2009年10月21日 | 読書
「お母さん。夢を見たよ。ばぁばがお祭りを見に来てくれたんだよ。ニコニコ笑っていたよ。ばぁばが走っていたから、びっくりしたよ。」

朝一番で、娘がそんな事を言ってきました。
昨日は義母の月命日。
確かに。義母は娘の様子を見に来てくれていたんだろうな・・・と、感じます。
娘が生まれた時にはすでに病魔と闘っていた義母ですから・・・走っている姿は想像つかないから・・・そりゃ、びっくりするでしょうね

「死んでしまったら、どうなるの?」
その質問には、いろいろな答えが準備されているけれど。
「死んでいく時には、どうなるの?」
「死んだ事ないから、わからんね」としか応えられないです。

そんな事を思い巡らしていたら、この本に出会いました。

「金色の野辺に唄う あさのあつこ著 小学館 1400円+税」

題名が、すでに美しいですね。金色の稲の実る豊穣の秋。
逝った人は、粛々と野辺に送られ。
葬列は、何故か、青い空の下で、不思議と乾いた景色に見える。
そんな情景が目に浮かびました。

あさのあつこさんと言えば、「バッテリー」が有名ですが。図書館でいつも1巻だけがなく・・・未読です

このお話は90歳を超えた松恵さんが、息をひきとろうとしている数日間を。
本人の視点。
家族の視点。
松恵さんと深く関わった人の思いを。
短編連作・・・という形で描き出しています。

他所からみたら、大往生の松恵さんですが。松恵さんには、松恵さんにしかわからない思いを抱えながら、逝きます。
幼い頃の思い出。夫との思い出。楽しい事も、辛かったことも・・・特に、辛かった事や囚われた思いは、本人にしかわからない。
それでも。
そんな思いを、一つずつ浄化させながら。
松恵さんは、逝きます。

静かな松恵さんの最後を彩るのは、「生きてきたこと」「生き抜いてきたこと」の誇りなのでしょうか?

豊穣の秋を行く葬列の絵が、色鮮やかに浮かび。
それは、やはり、美しい。
「死」を扱っているけれども、「生きている」事の美しさを、感じる事のできる一冊でした。
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映画「めがね」

2009年07月29日 | 読書
昨日は海に行く予定だったのに、あいにくの大雨
海どころの騒ぎではないほどの、土砂降りです。

しかたがないのでDVDをレンタルしてきて、一日、「おうち映画館」をすることに。

娘は、あいも変わらず「プリキュア オールスターズ」 
あばれはっちゃく(ダンナ)は「ALWAYS 続 三丁目の夕日」 
私は、かもめ食堂のスタッフが作った映画「めがね」を借りてきました。

映画「めがね」は小林聡美さん演じるタエコさんが、南の島に訪れて。
そこにいる、民宿のおじさん。春になるとやってくるお客さんのさくらさん(もたいまさこさん)。高校教師のハル。タエコさんを追っかけてくるヨモギ君の、なんとはなしの日々のお話です。

全員がメガネをかけているので「めがね」

不思議な感じの、ゆったりとした空間の中で。
タエコさんの心が、少しずつ、溶けていきます。
かもめ食堂の時も感動したのですが、映像の色のキレイさ。場面の広さ。
場面の一つ一つに「効き色」があって、絵を見ているみたいです。
台所が、キレイなんだよなぁ。いいな。シンプルで。
淡々とお話が進む中での、食卓の美味しそうなコト。ビールの美味しそうなコト。

観ているうちに、私も、ゆるゆるな気分になりました。

さくらさんが小豆を煮ている場面も好きです。私も小豆を煮るのが好きなので。
形よく、美味しく、ふっくりしたお豆を煮る時の、思い入れが重なるんですね

おじさんの漬けた梅干・・・あぁ・・・雨続きで、メインイベントの天日干しが出来てないんだよね・・・どんな按排に仕上がった梅干なのかしら? なんて思いつつ

謎があるわけでも。何かを語りかけられるのでもなく。
事件がおこるわけでもありませんから。
好き嫌いの分かれる映画かなぁ・・・と思います。
映画評を見ても、賛否両論

でも・・・私は、好きです 空気感や広さ。色のキレイさ。登場人物の存在感。いいな。この島に行きたいなぁ・・・って思いました。

心の中の固まりを。少しずつ解していける。特に変わったわけではないけれど。でも、何かが変わってく。

少し行き詰った時に。深読みせずに。ぼーっと「黄昏る」のに、とってもいい映画だと思います。

海がとてもキレイでした
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キリムへの旅 トルコへの旅

2009年06月24日 | 読書
10年くらい前だろうか?
名古屋に住んでいた頃、義母のお供でデパートをソゾロ歩くコトが多かったのだけど。
普段、自分だけだったら、絶対立ち入らないフロアも。
二人だと覗けて、面白かった

高級家具を眺めて、ため息をついたり
それを、ポンっと買っている人を見て、「おおお!さすが都会の金持ちは違うねぇ!」なんて盛り上がったり
そんな時に、絨毯類を眺めていて見つけた1枚の布地。

「ああ・・・これはキリム。やっぱりいいわねぇ・・・。でも、やっぱり高いわねぇ・・・。」

素朴な色の組み合わせなのに、しっかりと編みこまれた布地。
少しゆがんだ、でも力のある線。不思議な模様の組み合わせ。
華やかではないけれど、どっしりとした存在感のあるキリム。

「キリムか・・・」と、私の心に刻まれた一言。

以前読んだ梨木香歩さんの「からくりからくさ」の中で。
同居している大学生が、織っているのがキリム。物語の中でも、重要な役割を果たしています。
草木から色をもらい。
それを素朴な手旗で、織り上げる。気の遠くなるような手仕事の中での自己表現。

この本を読んで、もう一度、「からくりからくさ」を読んでみたくなりました。
もっと、具体的に、本の世界を感じられるだろうな。

「キリムへの旅 トルコへの旅 渡辺建夫 著 木犀社 3000円+税」

この本は、著者の渡辺さんが、生業のためにキリムの買い付けをしにトルコに渡り。
その魅力に取り付かれ、様々な地方のキリムを集めながら、歴史や文化を、緻密に調べ感じていく様が書かれています。

イスラムの家族観。遊牧民の生活。織り手の女性達の思い。
キリムの模様に託された意味と願い。

糸をつむぐ、気の遠くなるような時間と。
それを、自然の草木から染め上げる技術。
簡単な縦糸と横糸の間で、女達が1本ずつ織り込んでいく、長い長い時間。
子宝に恵まれますように。財産(羊)に恵まれますように。いい人(ダンナ)に恵まれますように。細かな模様に願いを込めて。

女性の自由が限りなく制限された世界で。よい人と巡り会い男の子を授かり育てあげる事が、唯一の幸せの道とされている「常識」の中。
女達は、様々な願いを込めて、長い時間をかけ、キリムを織ります。
華やかなキリムで、家の中を飾ること。女達の幸せの象徴であり、守る家族への愛情と幸せへの願いが込められているキリム。

住む地域によって、民族に関係なく、伝わる模様があるのだと。
シャーマニズムの中から生まれた文様が、たくさんの意味を持ち、伝承されてきました。

そんな「家族の幸せ」を願って織られたキリムですが。
海外からの評価が高まると、「現金」にかえる為、売られ。
戦争に使う外貨を得るために、どんどん海外に流出していきました。

結果、機械織りや化学染料での染めが増え、質も落ちてしまいました。

最近では、また、以前のような古い技術を使ったキリムを作り出してはきたのですが。
草木染の膨大な知識や、織りの技術などが、伝わらなくなってしまっている部分も多くなってしまったそうです。

キリムの魅力に、草木で染めた、その色合いがあります。
黄色を出すために、サフラワーの花弁やオニオンの皮。サフランやターメリック。
緑を出すためにはウォールナットとオリーブの葉。茶色と黒は、茶やタバコの葉。
中でも、黒・・・化学染料によるものでは出ない穏やかな黒になるのだとか。

「だれが染めても、どんな色をそばに持ってきても、互いに反発し合う事がないのが草木染のいいところですね。色が平和なんです。」(シリーズ「染色の文化」3 日本染織地図 より抜粋)

キリムに込められた願いを。踏みにじることのない世界であって欲しい。
そう思いました。
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旅立ちのアレンジ・旅立ちデザインノート

2009年05月19日 | 読書
父からの一本の電話。
声を聞いた途端の、不穏な空気…。

伯父の訃報でした。

取り急ぎ、駆け付けると。
笑ったままの顔の伯父がいました。

豪快で、向日葵のような人でした。最後も、打ち上げ花火みたいに、あっという間に逝ってしまわれました。

今はただ、ありがとうと伝えたいです。

伯父の葬儀は、伯父の信仰していた宗派で行われる事になりました。
・・・そんなに熱心だったかな?・・・
お坊さんも来ませんし。私の知っている数少ないお葬式とは、違った形になりそうです。

伯母は今、忙しさの真っ只中ですが。それでも、伯父とは、常々、自分達が亡くなった時の話をしていたそうで。
思いのほか、落ち着いて、場を仕切っていました。

産まれてきた以上は、いつかは、必ず亡くなるのですから。
なんだか、あんまり、考えたくはないけれど。
自分の最後の事も。想定しながら、少しは考えておかないといけないのかなぁ・・・なんて思いました。

ふと。以前、成年後見制度について勉強していた時に、資料として取り寄せていた、長野県のNPO法人が作成した冊子を思い出しました。

生・老・死 生前準備への誘い  旅立ちのアレンジ 旅立ちデザインノート ライフデザインセンター作

2冊組になっていて。
1冊目の「旅立ちのアレンジ」は、自分史や遺言状・葬儀の流れなどの、終焉の頃に考えておく事についての説明が、読みやすく書かれています。
亡くなる前の生き方についてのこと。
医療をどこまで望むのか。臓器移植は望むのか。相続については、どう考えていくのか・・・そんな事の知識も載っています。

私が持っているのは、2003年度版で長野情報が多いのですが。今は、改訂版が出ていて、全国に対応した情報もあるそうです。

2冊目の「旅立ちデザインノート」は、実際に、自分の思った事をメモできるノートです。

単に、相続と葬儀希望だけでなく。

生きているけど、認知症などで、自分の意志を、きちんと伝えられなくなった時の「手がかり」にしてもらえるように。
自分史や、大切な人へのメッセージ。自分の生活のパターンや嗜好など。
知っておいて欲しい事を書き込めるようになっています。

自分が亡くなった時に、誰に伝えて欲しいか・・・自分にしかわからない人もいるはずですしね。
生命保険や大切な物の置き場所。葬儀の希望。お墓の希望。

・・・メモしようと思っても。まだ、考え及ばず、空欄を埋められないのだけど・・・

完璧に書き込めるとは思えませんが。
少しずつ。書き込んで行ってみようかな・・・と思いました。
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