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えぬ日和

日々雑記。第二、第四土曜更新を守っているつもり。コラムを書き散らしています。

庵野秀明監督:「エヴァンゲリヲン新劇場版:破」鑑賞

2009年06月28日 | 映画
注意書き:

ここの書き手は「知識がまったくないまま新劇場版を見る」という
ある意味稀なケースの人間です。
ただの雑感をかきます。


あと、
ごめんなさいなこと:

滝平次郎⇒滝平二郎

ひっどい体たらくです。


――

エンターテイメントとしてはやっぱりすごい、と感じました。
女の子の見せ方、声のえらびかた、戦いの盛り上げ方、音楽の使い方、
隅々まで神経の行き届いた、繊細な作品だと思います。
リメイクでも差異がファンサービス程度ではなく、きっちり話ごと
構成しなおされており、人をひっぱる力は「さすが」のひと言です。

ただ、時々

「それはギャグで言っているのか」(by魁!クロマティ高校)

の顔になっていたのはしょーがなかったです。理解度が足りませんね。

現実がエヴァに追いついちゃったせいか、前回も今回も、初めて見て
衝撃!!ということがなかったのがちょっぴり残念でした。
年齢をひしひし感じます。何か新しい感性をズバーともらえることを
期待していたのかも知れませんが、特にそういうこともなく、
わりとすんなりエンタメはエンタメとして楽しめたところが、
なんとなくもやもやと心底に残りました。
病的で有名な作品が、やけに健康的に人々を描いていたのがかえって、
扱う側の無表情を感じて気味悪かったなあー、という印象です。
特に綾波レイの微笑みの多さ、これはけっこうぞくっときます。


最先端をゆくのかなあ、と思っていたらどこか回帰を感じさせる描写が
(田舎とか、ヒグラシの声とか)多いのも、
現実の反映として最先端、なのかも知れませんけど、これからそこを
また超えてゆくのにはちょっと体力不足なのか……ナーンダという気がしました。
こうした戯言もがつーんとフッ飛ばしてくれればそれが一番シアワセなの
ですが。

説教くさいアニメやなあー、とか思っちゃうのはどうしてなのだろう。
何かソンをしている気がするいっぽうで、心は直球勝負で熱い訴えを投げる
斉藤隆介の童話に深くうたれる。あんまり気にはしていないですけど。
ともあれノーミソのキャパシティに限界を感じた映画でした。