トラブルシューター

私の修理・製作体験記(茨城・県西おもちゃ病院・JA7FJP/1)

Dクラスアンプ(PAM8403)モーターボーティング発振調査

2018-03-24 15:47:46 | オーディオ

 電子工作サークル部員から、Bluetooth受信ユニットで100円スピーカー(4Ω)を鳴らしたいという依頼があり、TDA2822のアナログ2CHアンプを製作してもらったが、なぜか雑音が多いというので、比較してもらうのに安価なDクラスアンプ(PAM8403)完成品を使ってもらうことにしたが、モーターボーティング発振を起こすので、何が原因なのか、自分でも基板を作り確認することにした。
PAM8403は2.5V以上で動作するが、標準5Vなので昇圧DC/DC-CONVを使って単三×2本(3V)を昇圧している。

100円スピーカーは手持ちが無いのでDENONの6Ωを使用。(このインピーダンス差も影響している様だ)
取り敢えず可変電源で電圧を変えてみると、2.0V以下になると再現する。

電解コンデンサ1000uF/6.3Vをアンプ電源に2個並列に入れてみるが、それほどは改善しない。
DC/DC-CONVは無負荷では0.8V入力以上で動作するが、Dクラスアンプでは過電流保護が動作して、相互の保護回路が影響してモーターボーティングが発生している様だが、それ以上に影響しているのが電池の劣化みたいだ。
部員に確認してもらったら無負荷でも2.4Vと低下しているとのこと。こうなると負荷変動に弱くDC/DCが不安定になる。
良く分からないので、アンプ単体で電圧変化させてみた。
2.1V以下になると音が途切れ、そして出なくなり2.4Vまで上げると正常になる。
あと最低動作電圧2.5Vとして、入力レベルを上げていくと、レベルの高いところで音が途切れる。過電流保護回路が動作することが影響している様だ。
ということで、電池劣化を考えると乾電池2本では不安定なので3本にするか、Ni-MH充電池×3本(3.6V)、LI-ion充電池(3.7V)を使ってもらうことにする。

スピーカーについてだが、PAM8403の様なフィルターレスの物はスピーカーのインダクタンスを利用しているので、YDA138のデーターシートによるとインダクタンス成分が20uH以上のスピーカー使用を推奨している。
インピーダンスが低いということは、その分インダクタンス分も低いと思われる。

ボリュームの無いタイプだと、更に安価に出来る。

【100円スピーカーで再確認】
上記は6Ωスピーカーでの実験だったが、実際の100円スピーカー(4Ω/0.5W)ではどうなるか試してみた。
すると5Vだと、アンプがストップしてしまう。安定に動作する点としては4V付近が適正な様だ。
外部フィルターを付けて改善されるかは後日実験したい。
DC/DC-CONVについても別な物を購入し、再挑戦?してみた。
aitendo製の12V出力昇圧モジュール [M2149-12V]で出力が12V固定なのでVCC側分割抵抗に1MΩ半固定抵抗をパラ接続して調整出来る様にした。

入力電圧1.7V以上だとDC/DC-CONVの出力電圧4Vが出て、アンプも正常動作する様だ。

この100円スピーカーはスピーカー口径(57mm)に対しモールドの開口部が小さすぎるので分解して、ニッパーで切り取った(汚いのでごめんなさい)。
さらに、バスレフ?にすると低音が出るかなと裏面に穴あけしたが、あまり変わらず、更にこの穴にイヤホンジャックのモールドパイプ部を外側に接着したら少し低音が増した気がした。

コメント (1)
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