JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

社会変革に生きる決意示した「敗北の文学」宮本顕治著作集

2012年08月07日 | Weblog
 戦前、社会変革の意識が、プロレタリア文学という形で、動き出していた中で、宮本顕示さんの、芥川龍之介への評論「敗北の文学」は生まれました。
 宮本顕治著作集第一巻に納められています。「当時の私を日常的にとらえていたものは、社会科学ーマルクス主義の示す理性的な方向と、インテリゲンチャとしての過度性の問題、そこにある矛盾とその追及、打開の問題であった」と(宮本顕治文芸評論集第一巻のあとがき)その問題意識を語っています。
 芥川龍之介は現状を肯定できなかったが、変革者の立場にも立ちきれなかった。東大経済学部の学生だった、宮本顕治さんは、芥川龍之介の生き方を自分の生き方と重ねて「『敗北』の文学をーそしてその階級的土壌を我々は踏み越えて往かねがならない」と結論しています。
 この、革命運動へ人生を生きる、決意の迫力と緻密さが、「改造」審査員を動かし、入選となったのではないでしょうか。
 刊行がはじまった、宮本顕治著作集第一巻は、私の知っている革命運動の方針を語る内容ではなく、プロレタリア文学を通じて、社会変革の方向を語っています。
 

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