JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

国民合意・議会の多数による革命論こそ社会発展方向・・マルクス・エンゲルス

2012年07月02日 | Weblog
 月刊誌「前衛」の5月6月7月号に、不破哲三さんの古典教室の最終回「革命論」の内容が掲載されています。
 社会がどのような経過をたどって、「発展していくのか、発展させるのか」その中での自分の役割はという私の問題意識をより深める新たな事実と視点が示され、日本共産党の役割と路線が深められています。
 ①マルクス・エンゲルスは、革命運動の実践の中だからこそ理論が発展させられた。
  マルクス・エンゲルスの当初の革命の見方は、フランス革命の民衆の蜂起が先という実際の経験を元にしていたようです、しかしその後の革命の失敗の経験の経験の中で多数者革命論へと発展していくのですが、不破さんは「資本論の第一部の刊行に至る10年間がこの変革の時期と一致している」と「マルクスの経済学説の発展とその革命理論の発展とのあいだの内面的な相互作用という問題が大きく横たわっていることをあらためて深く痛感した」とのべています。
 ②日本社会の現状と変革の展望を歴史的に深める
 私の議会活動の基本的姿勢は、「人民的議会主義」の路線ですが、○政治の実態を国民の前に明らかにする。○国民のための改良の実現をはじめ、国民要求を国政に反映させる闘争の舞台。○「国会の多数の獲得を基礎にして、民主的政府を合法的に樹立する。
 地方議会のおいては、住民が主人公の地方自治体にするという側面があるわけですが、この議会を多数を得ての革命路線の原型が、マルクス・エンゲルスの運動の実践と反省・理論の発展にあるということを明らかにしています。
 これは、マルクス・エンゲルスの個人的な見解の継承というのではなく、当時の世界の歴史の発展の事実からくみ出されたものです。
 不破さんの特徴は、「マルクス、エンゲルスを歴史の中で読む」彼ら自身が理論を発展させてきた歴史のなかで読む」という視点と日本の歴史と現実・日本共産党の路線と政策との関わりを明確にしつつ解明している点です。
 私は、日本社会の独自の特質と発展方向・一般的社会発展との関連についての問題意識をもっていますが。特に加藤周一さんの著作には教えられるところが多いのです。不破哲三さんのこれまでの、著作を見ると、加藤周一さんから受けた問題提起に、応えてくれている気がしています。
 加藤周一さんは、日本人は歴史的に政治を語らないという特質を述べていますが、不破さんは、国民の置かれている実態から、変革への意識変革と多数者革命の方向性を示し続けていました。部分ですが、原発なくそうの大きな動きを見るとその深部の動きを感じることができます。
 ③どの国家もその基礎が革命にある
 不破さんは、六月号のなかで、これまでの封建社会への移行過程をさらに深めて、日本の歴史も新しい支配者による革命権行使の歴史だったと解明しています。
 織田信長の位置づけなど歴史的な未解明な問題もあるのですが、日本の歴史研究の到達点たって、変革者の立場で歴史を見ています。不破さんは、古典講座の随所で、日本社会と発展方向を語っているのですが、私の胸がわくわくする瞬間です。
 ④レーニンとスターリン
 日本社会のマスコミの見解は、旧ソ連もレーニンもスターリンも、毛沢東も中国もすべて、社会主義の歴史的誤りの証明だという論調が主流ですが、不破さんは、世界歴史と日本社会の発展の実践的立場から分析的に冷静に解明し、されらに、日本共産党の驚嘆すべき大国主義との戦い、反戦平和の戦いの歴史が生み出した、理論の創造的発展について語っています。
 加藤周一さんは、宮本顕治元日本共産党議長の訃報の時、「赤旗」に寄稿されました「宮本さんは反戦によって日本人の名誉を救った」と評されています。
 日本共産党の運動とたたかいは、日本人の「名誉」としても評価されるべきと思います。 不破さんの、レーニンの特に晩年の3年間の評価とそれまでの評価と誤りの分析、レーニンの生死をかけたスターリン批判。ソ連社会は社会主義ではなかったという歴史的評価と発展・中国革命と毛沢東とのたたかいなど、この間の歴史的な解明が簡潔に書かれています。 
⑤日本共産党のたたかいが、科学的社会主義を深めた。多数者革命論・未来社会論
 現在、世界で、科学的な立場での運動や理論でのしっかりと活動しているのは、日本共産党ぐらいのように思い、残念な気もしています。しかし、これには、戦前からの、命をかけた、運動と学問研究が基礎にあるということだと思います。
 不破さんは、改めて戦前の日本共産党の理論家野呂栄太郎の役割や戦後旧ソ連や中国からの干渉とたたかった宮本顕治元日本共産党議長の役割を紹介しています。
 フランス・イタリア・ドイツなど歴史的に力を持っていた共産党が、ソ連に追随していて、理論的にも混迷を深め弱小・解体していくなかで、戦前から日本の現状から出発した、自主独立のたちばを貫いてきた日本共産党だからこそということがよくわかります。
 分配を基本とするとした、レーニンの未来社会論のあやまりに気づき、マルクス・エンゲルスの「生産手段の社会化」が未来社会論の基本だということも、こうした、歴史と運動のなかだからこそです。
 それにしても、不破哲三さんの理論的な活動のすごさと、それを、生み出した全国の日本共産党員のたたかい、日本人の運動とたたかいに未来への確信を感じる3冊です。


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