足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1680 ~ サルの糞を食べる昆虫 ~

2019年11月09日 | 野生動物

観察月日  2019 11.1.快晴 18℃

観察場所  清川村 宮が瀬 

 

 雪虫の飛ぶ先を追いながら歩いていた私に、「すぐ先にサル

がいますよ!」の声が聞えた。

 目線を前に向けると、中堅クラスのニホンザルが、私の方を

向きながら歩いて来る。離れた後ろから、可愛い子ザルが現わ

れ、アンテナを付けたサルを含んだ集団が現われた。

 サルの為にも、私達の為にも、サルの集団の過ぎ去るのを、

30分程待った。後、汁垂れ橋へ向かって歩く途中、サルが落

とした新鮮な糞が転がっていた。

 「サルの糞を目掛けて、センチコガネが次々と飛んで来るわ」

Rさんの思わず呟く声が聞えて来た。急いでその様子を見ると、

センチコガネは糞の脇に着地したり、糞の上に乗ったりして糞を

小さく切り始めている。私はとっさに、糞の散らばる所に腰を屈め、

葡蔔の姿勢を採りマクロレンズを向けた。だが、赤銅色に光るセ

ンチコガネではなく、その脇に居た小さく黒いエンマコガネにで

ある。

それは、子供の頃に読んだ“ファーブル昆虫記”の中にある“スカ

ラベ”の事が頭に浮かんだからだ。日本にはいないと言われてい

るが、“スカラベを思わせる行動の一部が観察出来るかも知れな

い”と言う期待が湧き出たのだ。

 エンマコガネは切った糞の上に乗ったり、潜ったり、その後糞の横

に来たかと思うと逆立ちし、糞の塊りを押し始めたのである。しかし、

サルは雑食動物で糞の玉には成らず、意思通り動く訳はない。

やがて行動は消えうせた。

 スカラベは、年を重ねた今でも、私に、“夢を抱かせてくれて”

嬉しいものだ。

「すぐ先にサルがいますよ」の声に、目線を移すと!

後方にニホンザルの集団が。

過ぎ去った跡には・・・・落し物が!

「センチコガネが 次々と飛んでくるわ」

エンマコガネに目を引かれて!

逆立ちして 押しは始めた。

 

 

 

 


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