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足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1756 ~ 皆さんに見て頂きたかった写真 ~

2021年12月22日 | 野生動物

観察月日  2021.12.12.晴 20℃

観察場所  山北町 玄倉

 「自慢話をする様で、申し訳ないですが」と、渡辺さん

らしい言葉を残して車へ戻り、手にして来たのが、“令和

3(2021)年下半期 皆さんに見て頂きたかった写真”と

言う資料であった。

 いつものミーティングは、それぞれ地域の“生き物情報”

で賑わうのだが、今日はそれが一件も無かったので、急

遽思い立てくれたのだろう。

 渡辺さんはビジターセンターを中心に県内の野鳥の状

況を観察し、その現状を発表、その合間に県外に足を伸

ばし、又、野鳥に留まらず、広く生物へと目をむけている。

資料の裏面には、説明が書かれている。

1.オオムラサキ 7.10.栃木県市貝町 ドスンという感じで着地。

2.シマヘビ黒色型 同上 カラスヘビではないものの 頭部。

3.シマヘビ黒色型 同上              胴部。

4.メダカ 7月20日 境川遊水池公園 野生のメダカ。

5.コムクドリ♂ 8月4日 同上

6.キベリタテハ 8月11日 栃木県奥日光線条ヶ原 初めて見た。

7.ゲンノショウコと小アブ 9月23日 足柄万葉公園 ホソヒラタアブ

8.エビ捕獲のカワセミ 10月23日 境川遊水地公園

9.イワシャジン 10月24日 山北町中川

10.クマタカ 10月26日 宮ヶ瀬大門橋 個人的に最高の1枚

11.熊棚 11月19日 宮ヶ瀬湯沢橋 少し崩れていた。(ミズキ)

12.ビロードキンクロ 11月24日 千葉県船橋市三番瀬 初めて見る

                ( 説明文 一部略しました)

朝、陽だまりで ミーティング が始まる。

渡辺さんの資料。上の段左が(1)から始まり、下段右が(12)で終わる。

(5) コムクドリ

(6) キベリタテハ

  

(11) 熊 棚      (数年前 玄倉でも ミズナラ?のものを遠望した事がある)

(10) クマタカ          (資料から コピーしたもので ピンが甘くなっている)

*この日も 湖畔の山の頂を霞める様に クマタカ が舞った。

 

 


No. 1697 ~ シカ ダムを泳ぐ ~

2020年02月27日 | 野生動物

観察月日  2020.2.9.5℃

観察場所  山北町 玄倉

 月例観察会の日程を終え、私が先頭に立って帰途に着

いたその時だった。「湖面をシカが、泳いでいますよ!」誰

かの叫び声が後方で聞えた。

 その時、私の頭の中は走馬灯のように以前の景色が回

り始めた。     玄倉とのご縁は、県立丹沢湖ビジター

センターが出来、初代の所長さんが知り合いの方であっ

た事から、毎月の玄倉通いが始まり30年余りになる。

 その頃の2月のある日、湖面を眺めていると、激しいイ

ヌの鳴き声がしたと同時に水音がして、1匹のシカが泳

ぎ始めた。シカは猟犬に追われ逃げ場を失いダムに跳

び込んだのだ。やがて向こう岸に辿り着き、林の中へ

と消えた。「そうか!今日は猟期の最終日なんだ」何と

も言えない思いが過ったのを憶えている。

 2度目は10何年前の事、ダムの一番幅の広い水面

を泳いでいるのに出会った。途中釣りをしていた舟

の横を泳ぎ抜け、対岸に辿りついた。その時は、長い

距離を泳いだので、後でカメラに記録された時間から

泳ぐ速度を出して見た記憶がある。その日も、2月で

あった。

 皆の見ている橋へ戻り水面を見ると、シカは頭を高

く出し、背も水面上に、そして尾鏡の白い毛が透けて

見える気がした。猟犬も水面で吠えながらシカを追っ

ている。やがて、猟犬は追うのを止めた。シカは対

岸を登り、枯れたススキの茂みに隠れた。まだ幼い

シカだったようで、猟は止めたようだ。

 今日も2月、間もなく猟期は終了する時だ。

「シカが泳いでいる!」誰かが叫んだ。

小形の猟犬 発信器を付け。

対岸近くに来た。

対岸に 猟師が待っている。 あぶない!

対岸の スロープにたどり着いた。

スロープを登る。

ススキの茂みに 隠れた。 

 

 


No. 1686 ~ 玄倉だより12月 ~

2019年12月23日 | 野生動物

観察月日  2019.12.8.快晴 5℃

観察場所  山北町 玄倉

 朝から雲一つない日本晴れ、元ビジターセンターの温度計は

2℃を指す。主の居なくなった大木には“ケヤキ”と記した樹名

板が付けられている。

 「何か昆虫がいる様ですよ」とRさん。幹と板の間を覗くと、黒

い平たい昆虫が重なり合っているのが見えた。約20匹程のヨ

コズナサシガメの幼虫だ。成長の過程を見守って行きたい。

 台風が大雨をもたらしてから2カ月になろうとするのに、ダム

の水面の色は黄土色だ。ヒドリガモの一群が対岸近くを泳い

でいるのが肉眼でも見える。

 「ダムの奥の水面にオシドリの群れが」誰かが呟いた。「どの

方向なの」の声と共に、皆の双眼鏡の向きが揃った。私もその

姿を捕えようとカメラのレンズを向けて見たが、800mmでは

無理の距離であった。

 その時、遠くで蹄の音が聞えたかと思うと、急に大きくなり、次

の瞬間私の背を掠めた。とっさに振り向くと若いメスジカが走り

去っていた。猟犬に追われているんだ。「可愛そうに」消える様

な声が流れ、それに、私の心も微かに共鳴した。「なぜだろう?」

 橋の中程で、紅葉した山腹をクマタカが勇壮に飛び抜けた。

西丹沢玄倉は、自然の姿を見せ、考えさせる課題を与える所だ。

ケヤキの幹に樹名板。

ヨコズナサシガメ

ダム

若ジカ が追われて駆け抜けた。

クマタカが勇壮に飛び抜けた。

ヒドリガモ。

今日の仲間。


No. 1680 ~ サルの糞を食べる昆虫 ~

2019年11月09日 | 野生動物

観察月日  2019 11.1.快晴 18℃

観察場所  清川村 宮が瀬 

 

 雪虫の飛ぶ先を追いながら歩いていた私に、「すぐ先にサル

がいますよ!」の声が聞えた。

 目線を前に向けると、中堅クラスのニホンザルが、私の方を

向きながら歩いて来る。離れた後ろから、可愛い子ザルが現わ

れ、アンテナを付けたサルを含んだ集団が現われた。

 サルの為にも、私達の為にも、サルの集団の過ぎ去るのを、

30分程待った。後、汁垂れ橋へ向かって歩く途中、サルが落

とした新鮮な糞が転がっていた。

 「サルの糞を目掛けて、センチコガネが次々と飛んで来るわ」

Rさんの思わず呟く声が聞えて来た。急いでその様子を見ると、

センチコガネは糞の脇に着地したり、糞の上に乗ったりして糞を

小さく切り始めている。私はとっさに、糞の散らばる所に腰を屈め、

葡蔔の姿勢を採りマクロレンズを向けた。だが、赤銅色に光るセ

ンチコガネではなく、その脇に居た小さく黒いエンマコガネにで

ある。

それは、子供の頃に読んだ“ファーブル昆虫記”の中にある“スカ

ラベ”の事が頭に浮かんだからだ。日本にはいないと言われてい

るが、“スカラベを思わせる行動の一部が観察出来るかも知れな

い”と言う期待が湧き出たのだ。

 エンマコガネは切った糞の上に乗ったり、潜ったり、その後糞の横

に来たかと思うと逆立ちし、糞の塊りを押し始めたのである。しかし、

サルは雑食動物で糞の玉には成らず、意思通り動く訳はない。

やがて行動は消えうせた。

 スカラベは、年を重ねた今でも、私に、“夢を抱かせてくれて”

嬉しいものだ。

「すぐ先にサルがいますよ」の声に、目線を移すと!

後方にニホンザルの集団が。

過ぎ去った跡には・・・・落し物が!

「センチコガネが 次々と飛んでくるわ」

エンマコガネに目を引かれて!

逆立ちして 押しは始めた。

 

 

 

 


No. 1677 ~ ニホンザルの食事マナー ~

2019年10月23日 | 野生動物

観察月日  2019.10.9.晴 22℃

観察場所  清川村 宮ケ瀬

 暗くくすんだ樹林の中、白い円盤が浮き沈みして見えたのは、

シラネセンキュウであった。

 以前は林縁を明るく飾っていた様に思えるのだが、木々は成長

し枝を広げ陽を遮り、その上林縁のつる草が広がり、シラネセン

キュウは林内に追いやられた様に見える。

 暗い林の中から草藪の隙間を縫うように現れたのがセキヤノア

キチョウジだ。1m以上にも伸びる茎をもちながら、細くて柔ら

かい為に他の草と争うこともなくひっそりと咲いている。いつ見

ても興味を駆られるのは、蕾の時代、超小さく仁丹大であること

だ。故に開花しないとセキヤノアキチョウジの存在が解からない。

超小さな蕾のエネルギーは、不思議な存在だ。

 以前この林道で毎月観察会をやっていた事があった。秋、オニ

グルミの木の下を通ると緑の花床に包まれた果実が転げ落ちてい

た。皆喜んで皮をむき、褐色の堅果を取り出しては石で割り、中

の脂肪質の多い種子を取り出し、少し味見をした事があった。

 「オニグルミの堅果の割方、人間のと違うわ」散乱しているか

けらを拾いながら、Rさんが呟いた。

 暫くして、シロヨメナの咲く角を曲がると林道の先方に、点々

とニホンザルの集団がいるのに気が付いた。

 「頭上の木にも、サルがいますよ」とRさんが、私に知らせる。

大きなサルは木に登り枝を激しくゆすって、オニグルミの果実を

落とす。路上にいるサル達はそれを歯で砕いて食べている。砕く

音が聞こえる。当たり一面サルの吠える声が聞こえ出した。サル

の為にも、私たちの為にも、急遽戻る事にした。

シラネセンキュウ。

セキヤノアキチョウジ。

オニグルミの木の下で。

オニグルミの果実が落ちている?

堅果が。「人間のやり方と違うわ」とRさん。

シロヨメナの咲く角を曲がると。

ニホンザルの群れが。

大きなサルは、木に登り・・・・

子どものサルは