山道を行くと
ギフチョウが飛び出し 落ち葉の上に止まると姿が消える
黒と黄色のだんだら模様が不思議に溶け込む
山道の傍にカントウカンアオイの株が
よく見ると ギフチョウの卵が
真珠を連想させる
ギフチョウよ ありがとう
観 察 月 日 2012年 4月 19日 曇 15℃~17℃
観 察 場 所 相模原市 緑区
雲が低く、夕方から雨との予報だ。さすがにギフチョウを目当てに
来る人は居ないらしく、登山口は入山者の気配はなかった。
「ギフチョウだけが目的ではないから、動植物を見ながらゆっくりと
歩けるね」と語り合ったその時、後ろから足音が追って来た。風貌か
らして地元の年輩の人だ。私達の横を追い越しながら、「今日はギ
フチョウ飛ぶかね」と話し掛け「ホラ、卵があったよ」と、カントウカン
アオイの葉を返して見せた。
その後再び出会った時は、“ギフチョウ談義”をひとしきりされ、初
めての同行者は感心しながら聴きいった。ともあれ、地元の人の話
はじっくり聞くのが作法なのだ。
幸運にも雲が切れ陽が射すと、気温も上がりギフチョウが飛び出し
た。♂は落ち着きなく飛ぶが、♀はゆっくりと飛び林床の落ち葉の上
に翅を開いて止まる。すると、黒と黄色の華やかなだんだら模様の
翅が不思議にも落ち葉に溶け込んで、姿が消えた。春先は気温が
低い。体温を上げる行動と翅の模様が合致しているのだ。
その後、カンアオイの葉裏に産みつけられた卵塊も観察する事
が出来た。
ギフチョウを守る会の人々に感謝しつつ下山の途についた。