足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1745  ~ 続・続 玄倉だより ~

2021年07月27日 | 昆虫

観察月日  2021.7.11.晴 28℃

観察場所  山北町 玄倉

 着いた時にはセンターの温度計は25℃を指していたが、林道

を歩き始めると、手元の温度計は28℃を指す。

脇にあるウツギのブッシュを覗いた仲間が「蜂の巣が!」と呟く。

キボシアシナガバチの巣で、5匹の働き蜂が幼虫の世話をしてい

た。“幼虫は我がまま?“で、お腹が空けば食べ物を要求するし、

暑ければ虫クーラーを要求する。これから、働き蜂は忙しくなる。

 次に見付けたのは、道の脇で静止しているオオセンチコガネ

だ。何故目を引かれたか?体色が“赤紫に輝いて”いたからだ。

「きれいね!」「昆虫の宝石ね」「自然はどうしてこんな綺麗なも

のを造るのだろう」しばらく見とれて立ち止まった。

 だが、こんな事で感心するのはまだ早い。赤、緑、青、藍、紫、

等強い金属光沢があり、地方によってその変化の傾向がある。

餌は!「ここ玄倉だったら、サルかシカの糞でしょうね。」

 舗装された林道脇のくぼみに、アズマモグラの死体が落ちてい

た。死んで間もなくと見え、体は確りしていた。農耕地等の地中

の柔らかな所に棲むと言うのに、ここ玄倉は岩石多く、表土の

無い所、棲むには不適地だと思うのだが。今の季節は、子供が

育ち巣離れする頃、だが、歯から見て親の様だ。 死体には、

処理係の、美しい胸盤を持つ“ベッコウヒラタシデムシ”が来て

いた。

 自然は不思議一杯。だから、もっと知りたい、調べたい!

キボシアシナガバチ 働き蜂は 忙しい。

美しい オオセンチコガネ の 餌は??

アズマモグラの死体が あった。

ベッコウヒラタシデムシ が来ていた。

 

私達の仲間

自然は不思議一杯。 だから、もっと知りたい、調べたい!

 


No. 1744 ~ 続 玄倉だより 7月 ~

2021年07月24日 | 昆虫

観察月日  2021.7.11.晴 28℃

観察場所  山北町 玄倉

 玄倉に着き、元センターの壁に掛かる温度計をみると25℃

を指していた。来ると途中下界では30℃を見ているので、空

気が涼しく感じられる。

先月歩いた時、ベニシュスランが蕾を付けていたので、「7月

の時に花が見られるといいのだが」との声が多かった。林道

を、“ベニシュスラン”を頭の中に描きながら歩く。

すると、「通りすぎましたよ!」と後ろから声がした。少し戻っ

てみると、林道脇の落葉を、掘り起している。ここの所の豪雨

で埋もれかけているのだ。「昨年より、増えている」の声がした。

 一件落着。再び林道を行くと「おや?」の疑問詞で立ち止まっ

た。ゴマダラチョウが林道上に落ちていたのだ。「何故?」だろう。

ゴマダラチョウの大きさは、羽を開いた長さ70mm、黒地に白

紋を散りばめた羽は目立つ。 夏、都市近郊の雑木林を覗け

ば、弧を描く様に木々の間を飛び、クヌギやコナラの樹液に、

黄色のストローを伸ばしている姿が、数年前までは普通に

見られた。

ところが、心無い者により、中国原産のチヨウ”アカボシゴマダ

ラ“が我が国に持ち込まれ、関東を中心に増え始めた。ゴマダ

ラチョウと生殖環境が酷似しているため、競合により、ゴマダラ

チョウはその影響を受け、数が激減し始めている。

長い時間の中で築かれた自然のバランス、人間にとっても重要だ!

ベニシュスランが落ち葉に埋もれていた。

落ち葉の下から 続々顔を出す。

「おや?」 林道上に ゴマダラチヨウガ 落ちている。

 

                        

 


No 1743 ~ 玄倉だより 7月 ~

2021年07月20日 | 昆虫

観察月日  2021.7.11.晴 25℃

観察場所  山北町 玄倉

 “つゆ“の最中、天候を心配していたのだが、予想外の晴れと

なった。先月は元センター前の立ち木の枝先には、モリアオガ

エルの卵塊が見られた。

 「卵がかえって、オタマジャクシが池に落下したと思うのだが、

水質が悪くてそれが見えません」仲間の人達が心配しながら

池の中を探っていた。池はあっても、“世話する人がいない”残

念な話だ。   

 建物があれば無人であっても、昆虫等小動物は誰に断りもな

く巧みに利用する。そこで誰かが、「ここに何かいますよ」と私に

呼び掛けるのだが、今日はそれがない。

 だからと言う訳でもないが、元センターの玄関脇の隙間に入っ

て見た。そして、池の周りにいる人達に「ここに、“ゾウさん“がい

るよ」と呼び掛けてみたが、反応が少なかった。では、と、「オオ

ゾウムシがいるよ!」と言ってみたら、ジワジワと寄って来た。

 普通は雑木林が棲家の昆虫、「随分距離を歩いてきましたね」

「昆虫にもゾウがあるのですか」「昆虫にしては、体長3cm位、

大きい」色々反応があった。 

 体はクヌギやコナラの幹に似て、凄く硬い。体形も似て、脚も

丈夫そう、何処までも歩きそう。だが、地上に落ちると脚をちじ

めて、疑死する。鼻の様に伸びているのは、鼻ではなく口だか

ら驚く。

 生き物って、色々あって、だから面白い!

「オオゾウムシがいるよ!」

地上に落ちると 死んだ真似をする。 身を守る方法だ。

隙間に入ると安心するのだろう。

正面からの顔の写真。似てるかな。

今日の仲間。

 

 


No. 1742 ~ 6月に思った事 ~

2021年07月03日 | 日記

観察月日  2021.6.30. 雨 25℃

観察場所  YOKOHAMA

 6月1日二人の女性が庭を訪ねて来た。いつも野山を歩い

ては、「花だ、虫だ」と楽しんでいる仲間だ。コロナ感染症が

始まって以来、私も殆ど外へ行かないし、人も訪ねて来ない。

今日は、庭の一隅を占めるホタルブクロの群落を見たり、オ

カトラノオの曲がった花尾を掴んで見たり、カメバヒキオコシ

の亀の子の尾に似る葉形を楽しんだり、暫く振りの心解放の

時間となった。

 

 当地に住んで今年で60年が過ぎた。約100戸の宅地造成地

に建つ団地、駅までの道は砂利道で大変であった。が、周囲は

芋畑、麦畑、色付く頃はクビキリギスの「ジーーー」と鳴く声が聞

えた。近くの林の草原からは、スズムシやマツムシの涼しい声が

した。又、川の周囲の田んぼには、トウキョウダルマガエルが鳴

き鳴き泳ぎ、ヘイケボタルが光って飛び、採っては蚊帳に放して

楽しんだ。

 今では、探してもその面影はなく、当時の事は、「夢を見ていた

のか」とさえ思ってしまう。

 この1年、コロナの為家に居る事が殆どで、その為天気ならば

庭での土作業をしながら“ふと”思う事があった。

 狭い庭の中に、この団地が誕生した当時の野と畑の感じが、

里山の感じを描けないものかと、季節を追い駆けている。

私の部屋から見た庭。

ハンゲショウの咲く片隅。

庭の半分は野草園、半分は菜園に。

 オカトラノオ、ミソハギ、ヤブカンゾウ・・・ もう!夏の花が揃う。