足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

Mo. 1732 ~ 続 玄倉だより ~ 

2021年03月31日 | 植物

観察月日  2021.3. 14.晴 12℃

観察場所  山北町 玄倉

 3月の観察会では、先ずはセンターの建物の裏に回って、

「フデリンドウの花芽は大きくなったかしら」と覗くのが通例と

なっていた。センターが閉じられた今でも、その習慣は続い

ている。

 「花芽がはっきりしてきた」「来月の会の時、花が見られる

かしら」

みんな口々に楽しい言葉を出しながら、フデリンドウの花芽

を見つめる。センターが閉められ無人になった今は、シカが

訪ねてくれているのか、粒粒の糞が落ちていた。

 次はその又奥へ回って、タマゴケのサクを確かめるのも恒

例だ。「今年は株が大きくなったわ」喜びの声が上がる。透き

通る緑の玉、母親の針箱の中にあった止め針のガラス玉に

似て、不思議だ。

 やっと、林道に出る。ミツマタのぼんぼりの様な花が満開だ。

最近では、丹沢と言えば「ミツマタの花」と言葉が返って来そう

だ。「これで、いいのかな」と呟いてしまう私は、古い人間なの

だろうか。突然「チョウが!」との声に目覚めて目を開くと、冬

を越したばかりの”アカタテハ“がストローをのばして吸蜜の最

中であった。

 次は「フサザクラが、こんなにも沢山あるなんて気付かなかっ

た」「今まで私達何してたの」驚きの言葉がつい出てしまった。

3月の会には開花前でフサザクラの木には目が行かなかった

のだ。サクラだけでなく、フサザクラも異常な程早く開花し、私

達に呼び掛けたのだ。

フデリンドウの花芽が膨らむ。

タマゴケ

ミツマタ アカタテハ。

ムカゴネコノメ。

今まで気づかなかった フサザクラ。

フサザクラの花。

仲間たち。

 

 


No. 1731 ~ しばらく振りの玄倉 ~

2021年03月21日 | 昆虫

観察月日  2021.3. 14.晴 12℃

観察場所  山北町 玄倉

 「3月だと言うのに、クリアーだわ」とRさん。フロントガ

ラス越しに見える青空に、白い富士が抜け出て見える。

北風が強いのだろう。山頂に立つ雪雲が南に流れて

いる。

 西丹沢玄倉に立つと、足元からチョウが飛び立った。

一か月振りの時が流れると、景色も変わる。チョウを目

で追うと、枯れ野の一隅に止まった。長かった冬を成

虫で越した“テングチョウ”だ。羽をいっ杯に開き太陽から

来るエネルギーを吸収しているのだ。一瞬飛び立ち、今

度は路面に着地した。太陽光を蓄積したぬくもりを感じ

たのだろうか。

 林道に出ると、足元を目まぐるしく飛び回るシジミチョウ

に出会った。撮影出来なかったが、春先、年1回発生する

“コツバメ”のようだ。小さな地味な色のチョウだが、毎年

出会うと胸がドキドキする。

 坂が続く林道を登り切ると、今年も“タゴガエル”に出会

う事が出来た。春先、丹沢山中を始め山麓を歩いている

と、このカエルの産卵場所によく出会う。崖地の水の湧き

出す場所だが、グッ、グッ・・・を中心に変化のある声で,

オスは盛んに鳴くが姿が見えない。岩の割れ目や崖地の

穴の中に潜んでいる。卵は3㎜程、産卵数は100個程で、

幼生は卵黄だけで変態するという。学名は「田子氏のア

カガエル」の意味。両生類学者、田子勝弥氏に献名した

もの。

3月なのに、クリアーだ!

季節ごよみの1ページそのもの。

コンクリートのぬくもりが 欲しいのか。

コツバメ (20.3.25.宮が瀬林道で撮影。地面に止まると体を傾けるのが特徴)

タゴガエルの産卵場所。

タゴガエル 。

卵塊

 

 

 

 


No 1730 ~ 山麓便りが書けない ~

2021年03月08日 | 昆虫

観察月日  2021.2. 28.晴 13℃

観察場所  横浜市

幼い頃に読んだイソップ童話「アリとキリギリス」に似ても

似つかぬ“アリ”が、我が家の庭に住んでいる。

 以前からこのアリがいる事は知ってはいたが、今年の正

月、ふと庭の草叢を覗くと、沢山のアリが巣穴から出て、

活動をしているのにきずいた。その名は“クロナガアリ”、珍

しい種類では無い。秋から冬にかけて、食糧である草の実

をせっせと集め蓄えるのだ。

 野外ではエノコログサ等、イネ科の種子が多い様だが、

庭ではメヒシバとミズヒキの種子を集めていた。メヒシバ

はイネ科でミズヒキはタデ科で、私達の“ご飯とそば”と「似

ているか」と、自分勝手に呟いている。

 だが今年は違った。種子には立派な冠毛があり飛行を

待っている。これはキク科の植物の種子の特徴で、クロ

ナガアリが集めるとは考えていなかった。

 最近は、庭の草花は近隣の野草にしようと、シロヨメナ、

ノコンギク等を増やしている所だ。さて“何の”種子でしょうか。

 

今月は、電車にもバスにも一度も乗りませんでした。コロナ

でなければ、こんな事は考えられません。「山麓だより」もこ

れでは書けません。コロナ対策を確りやってほしい。

国民は皆あきれています。

クロナガアリが、草の種に集まっていた。

種には 綺麗な冠毛が。これは、キク科の特徴。

秋には庭は、ノコンギクの花盛りだった。

1月には、種が一杯付いて、

さて何の種か、調べてみませんか?

* 解りました?