足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1395 ~ くずはの家 の 春 ~

2016年04月27日 | クモ

観 察 月 日   2016.4.12.晴 18℃

観 察 場 所   秦野市 くずはの家

しばらく振りに、“くずはの家”を訪ねた。

 “ホタルの道“への段を降りて行く。すぐ足元には、盛りを過ぎた

セントウソウが、粒状の白い花を残している。その並びには、春一

番の開花を、セントウソウに先を越され、勝つ事の出来なかった

カテンソウが、今を盛りに花粉を飛ばしている。

 羽が後部に従って広がるアカハネムシが、カテンソウの花に止

まった。だが、運が良かったのか悪かったのか、雄蕊は花粉の詰

まった葯の柄を跳ねあげると、花粉は白い煙となって飛び出した。

それに驚いたのか、アカハネムシは羽を広げて飛び立った。

 「葉裏から見ると、ハナイカダの蕾がキレイに写って見えますよ」

とRさん。覗き込むと雄花を集めた蕾にムツボシオニグモが来てい

た。蕾はまだ固そうだが、クモには花として、昆虫の狩り場として、

認識している様だ。蕾の付いた葉を見渡して見ると、昼間活動す

る小さなケブカヒゲナガが来ているし、開いた花にはショウジョウ

バエが花粉を嘗めにきていた。

 観察路を一回りし帰りがけに、まだ裸木の梢を飛んでは止まり・・・

を繰り返すテングチョウが目に付いた。産卵だ、まだ葉も出ていな

いのに。卵が孵化するのと、芽がほころび柔らかな葉が出るのと、

季節の時間はぴったりと、連動しているのだ。

”くずはの家”  玄関前のエノキの巣箱では ヤマガラが子育て中でした。

カテンソウに止まった アカハメムシ。

「びっくりした!」

ハナイカダまだ蕾は 硬いのに。 ムツボシオニグモが。

他の蕾には ケブカヒゲナガが。

こちらの咲いた花には ショウジョウバエが。

裸木のエノキに テングチョウが。

産卵だ! 

★ まだ芽も出ていないのに! 「彼方なら どうする!!」

 

 

 

 


No. 1394 ~ キンイロエビグモの技 ~

2016年04月24日 | クモ

観 察 月 日   2016.4.6.晴 24℃

観 察 場 所   秦野市 弘法山

 秋に落とした枯葉が登山道を埋め、心地よい踏み音を聞きな

がら歩く。5~6m程歩く度に、焦げ茶のチョウが飛び立つ。年1

回早春の季節にだけ羽化するミヤマセセリだ。翅の色は地味だ

が、そこに描かれた模様は和風のがらを思わせる。

 落葉に止まっているのは雄の様で、仲間に限らずチョウが空中

を通過すると、スクランブルを掛け2匹で絡み合う。雌との出会い

を待っているのだろう。

 しばらく登ると、道の端にタチツボスミレの花が紫色に染め、それ

も黄色のキジムシロの群落に変わった。ここでは、昨年同様ゆっく

りビロードツリアブのホバリングを眺めて楽しむ。    ところが、

吸蜜中のツリアブが、急に飛びのいた。と、次の瞬間マジックを見

ている様に、花の上に1匹のクモが出現した。その上、前の時間か

ら花にやって来る昆虫を待ち構えていた顔?で静止している。その

姿勢はハナグモに似るが、キンイロエビグモであった。

 花上で昆虫を待つクモは随分見て来たが、クモが花上にどの様

に辿り着くのか疑問に思ったことは無かった。

 クモは糸を使って空を飛ぶ事も、空中を渡り歩く事も知ってはい

たが、

花に目掛けて1発必中、空中から舞い降りる事は、想定していな

かった。

落ち葉を踏みしめ 登山道を登る。と・・・・・

突然飛び出す ミヤマセセリ。

尚も 登ると、 タチツボスミレが・・・・

やがて 黄色に変わり キジムシロが・・・

ビロードツリアブ が急に逃げる 何故?・・・

空中から落ちて来た キンイロエビグモ・・・・

自由自在に 糸を操り、 空中を飛べば 空中を渡り歩く・・・

草化けの術 ”ドロン ドロン” と姿もくらます・・・

★ クモ は すごい!

 


No. 1393 ~ 西丹沢玄倉 の 春 ~

2016年04月23日 | 植物

観 察 月 日   2016.4.10.晴 

観 察 場 所   山北町 玄倉

丹沢湖ビジターセンターが閉鎖されてから一年目の春が来た。

 下界ではサクラの開花が早く、その割には満開がずっと後に

ずれた。

 246号線を車で走ると、沿道のソメイヨシノは、まだお花見をす

れば見られる木もあり、中には調度満開の木もある。清水橋で

右折し、丹沢湖に突き当たるトンネルを出ると、オオヤマザクラの

木々が淡いピンク色に染まって見えた。下界は色々あった春だ

が、玄倉はいつもの春と変わりなく、サクラも見頃であった。

 ソメイヨシノの咲くその向こうには、淡い富士が見え、人のいな

いビジターセンターの池には、ヤマアカガエルの卵塊が浮かび、

裏に回ると何も変わらぬ顔をして、フデリンドウが咲いていた。

ミミガタテンナンショウは濃紫色の蛇の鎌首を思わせる不思議な

形の花を付けている。人間はそれを花序を包む葉が変形したも

ので、仏炎苞と呼ぶが、クモは花と見立てているのだろう。仏炎

苞の上に糸を張り、小さなキノコバエが飛んで来るのを待ち構え

ている。

 クマタカが、前に迫る山の頂きをかすめるように、今年も飛んで

くれた。

玄倉は、サクラに富士がよく似合う。

ビジターの池に 今年もヤマアカガエルが産卵。

裏に廻ると フデリンドウが花盛り。

ミミガタテンナンショウ 蛇が鎌首をもたげたよう。

花と見立てたクモが、 仏炎抱の上で・・・・

「おもしろいの、みーつけた」

トガリアミガサタケ

クマタカが 元気に山頂を旋回。 「よかった!」 


  No.1392 ~ サクラ の 西丹沢玄倉 ~

2016年04月19日 | 植物

観 察 月 日   2016.4.10.晴 

観 察 場 所   山北町 玄倉

玄倉バス停前のブナが芽をほころばせ、葉を開き始めた。幼い葉は

、夜の低温や、強くなった太陽の光から守るためなのだろう。思った

より柔らかな毛に覆われている。開いた苞の色も初々しい。

 ブナの若葉を見つめたその向こうは、薄桃色にかすみ、サクラの花

が咲き揃っているのを物語っている。

 ここ西丹沢の玄倉は、人には知られてないが、サクラの美しい所な

のだ。ヤマザクラを始め、オオシマザクラ、オオヤマザクラ、里ザクラ

のソメイヨシノ、しだれのエドヒガン等が一度に咲き揃って春爛満の

景色を描いている。

 毎月第二日曜日に、玄倉に通っているが、20年にもなった。月が

変われば、山の緑も変わり、緑が変われば、出会う生き物も変わる。

毎月心ときめく喜びに遭遇する。が、一年の中で、一番楽しみにして

いるのは、4月の第2日曜日だ。

 それは、3月末下界でのお花見をし、次に玄倉へ来ると、ガイドウ

オークの人達とお花見が出来る事だ。そしていつの間にか、伊勢原

名物の串団子を食べながら、今日も洒落込んだ。

 このブログを見て下さってる方、来年の4月第2日曜日に、西丹沢

の玄倉に来ませんか。サクラも山々の緑も、きれいですよ。勿論、毎

月の第2日曜日朝の10時に、自然発生的に集まって生き物に触れ、

楽しんでいます。

★ブナの若葉は、産毛に包まれて!

若葉のの向うは サクラの花盛り!

しだれのエドヒガンが 迎えてくれる。

昨年は 4月19日曇 であった。山肌のヤマザクラが点々と、きれいだ!不思議だ!

オオヤマザクラの花は、淡いピンクが美しい!

写真パズルで 楽しんだ。

「花より だんご」 みんな楽しみ!

来月の5月 玄倉に来るのが楽しみ!

★ 5月は 若葉溢れる季節 どんな自然が待っているのか楽しみだ!

 

 


No.1391 ~ 今年の ソメイヨシノ ~ 

2016年04月07日 | 植物

 

観 察 月 日   2016.4.6 晴 24℃

観 察 場 所   秦野市 矢名

 小田急東海大学駅で下車した。駅周辺は学生向きのマンシ

ョンが並び、ひと昔前の駅名は大根(ダイコンと読まない)で、

田園が広がり地形はなだらかに弘法山へと続いていた。

 今年の春は慌しく過ぎ、まだサクラ(ソメイヨシノ)を見ていな

い。そこで、今日は自興院へと、一人出かけて来たのである。

 自興院の入口には六地蔵が並び、昨年は3月30日に訪れ

た時には、サクラは満開であった。今年のサクラの開花は早

かったが、その後気温の低い日が続き満開になるのが遅れ、

4月6日に出掛けて来た私にとっては幸いであった。

 六地蔵から本堂までの距離があり、参道の傍らにはタチツ

ボスミレの花が続き、弘法山の緑を背景にしたサクラも、本堂

の屋根を背にしたサクラの花も、都市公園に植えられたサク

ラとは違い、周りの空気にしっくりと融け込んで、山麓の雰囲

気に浸るには、充分なものがあった。

 サクラを見るなら晴天の日、背景が青空でないと花が浮かび

上がらない。人だけでなく生物にとっても同じだ。双眼鏡で覗く

と、ヒヨドリが蜜を吸いに嘴を花に突っ込み、アゲハチョウは花

に止まる前から、巻き込んでいたストローを一杯に伸ばし、肢も

開いて花への着陸態勢がすでに終わっているのが見えた。

今年の4月6日 六地蔵のサクラは満開であった。

昨年の3月30日 六地蔵のサクラは満開だった。

本堂を背景に。

山麓の雰囲気に 浸る。

サクラを見るなら 晴天の日

アゲハチョウは ストローを伸ばし 脚も開いて 花への着陸姿勢 !

★ 蛹で、厳しかった冬を乗り切り、羽化したばかりのアゲハチョウだ!