林道に沿って咲くノアザミ
羽を小刻みに羽ばたきながら吸蜜するカラスアゲハ
筒状花の奥に蜜があるので、ストローが長くないと吸えない
紫色の筒状のものは雄蕊の約で、刺激を受けると中から花粉が出てくる。
約の花粉が無くなると、雌蕊の柱頭が出てきて受粉態勢だ。
モンシロチョウのストローの長さが吸蜜の限界、頭を花の中に無理に突っ込む。
ストローの短いチョウは吸蜜できない
ノアザミとアゲハチョウの仲間はどんな関係。 (カラスアゲハ)
観 察 月 日 2011 5、25 晴 27℃
観 察 場 所 伊勢原市 子易 (仁ケ久保林道)
林道に沿った緑の草原にノアザミが点々と続き、林道の
木々に沿って飛ぶカラスアゲハが、花に立ち寄って行く。
ノアザミの花は、赤紫色の一個の花の様に見えるが、花弁
を持たない小さな筒状花の集まりだ。
アゲハチョウの仲間がノアザミの頭花に止まると、羽を
小刻みに動かし細い足で体重を支え、一個一個の筒状花の
奥にある蜜を吸う。
花の中心から紫色の筒状のものが出ていれば、それは雄
蕊の約で中には花粉が詰まっている。アゲハチョウが頭
花に止まり、足やストローで刺激すると筒状の約は動き、
中から白い花粉の粒が飛びだし、足やストロー等に花粉
が付き、別の花に運ぶ事になる。
筒状花の雄蕊の約に花粉が出尽くすと、今度は雌蕊が成
長し柱頭が現れ、アゲハチョウが体に付けて来た花粉を
受け取る仕組みだ。
ノアザミは、蜜を花の深い場に置いてストローの短いチ
ョウをカットし、アゲハチョウに花粉の宅配を指示し、
受粉の確実性を高める戦術をとっているのだ。