足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.988 ~ ウラギンシジミ 羽化 ~

2011年08月31日 | 昆虫

エメラルドの海に 設計図が描かれて

羽化前日 蛹のカプセルに蝶のパーツが・・・

朝の4時 暗い内に羽化は終わっていた

蛹の抜け殻を上から見る 設計図も中の様子も見えない

ウラギンシジミ成虫(蝶)の♀

日  2011 8、28、晴 30℃

所  厚木市 七沢産

 

 ウラギンシジミを見ていると、身近なシジミ

チョウの仲間と比べ、形態的にも、生態的にも

異なって見える。

 蛹の形を見ても、他のシジミチョウと違いカ

メノコ型で、その腹面はクズ等食草の表面にぴ

ったりと密着させ、剥がす事は困難でむろん蛹

の腹面を見る事は出来ない。

 そこで、今回はその腹面を見ようとガラス面

を用い、蛹化する事を試みた。すると、蛹を上

面からは外皮しか見えないのに対し、体の中が

透けて見えたのである。これは、葉に密着させ

ているので内外皮の層が単純なためなのであろ

う。そこから解ったのは、蛹化時には、既に蝶

になる為の体の設計図が、描き上げられていた

ことだ。

 羽化前日、設計図面通り羽が完成、頭も胸も

腹も、目も口吻も触角も足も、体の総てが蛹と

言うカプセルに、コンパクトに積み込まれたい

るのが見えた。

 翌朝4時、暗い内に羽化は終っていた。そこ

には、蛹の抜け殻が残されていたが、羽化を終

えた蝶と比較するとその大きさの違いに驚いた。

他のシジミチョウと違い、力強く羽ばたく羽と

体を持っている。それを作り上げたエネルギー

は蛹の中のどこにあったのか。目には見えない。

 

 

 

 

 

 


One‐shot Aug.30th ~ ウラギンシジミ蛹(2) ~

2011年08月30日 | 昆虫

蛹を斜め上から見る

下から見ると・・・・・

蛹を普通の 目線で 上から見ると

何の変化も感じない、解らない が

下から見ると 蛹の体内は

透き通った緑の血液が

渦巻いているだけなのに

体の設計図が

 既に細かく描かれているのが解る 

             厚木市 七沢

 

 

 

 

 


No.987 ~ ベッコウハゴロモ ♂ 羽化 ~

2011年08月27日 | 昆虫

ハゴロモヤドリガ5令幼虫を付けて、元気に歩き回る

クズの葉上の繭、大きさは5mm

糸を広く吐いているものもある

繭の中から蛹が半分ほど出た形で成虫は這い出す

頭頂から尾端まで5mmと小さい

羽状の大型の触角が目を引く

休んでいる時は 触角は力なく下がる

ハゴロモヤドリガの寄生していないベッコウハゴロモ

日  2011 8、25 曇 30℃

所  横浜市 戸塚区 舞岡

 

 ベッコウハゴロモを4匹見付け、幸運?にもその内の2匹に

ハゴロモヤドリガ幼虫が寄生していた事は前号に書いたが、そ

の幼虫も間もなく寄主を離れ、蛹化のため繭を作る5令幼虫で

あった。

 茂るクズの葉を見て行くと、葉の表面や裏面に繭が幾つもあ

り、中にはヨモギの葉に、コンクリート面でもみられた。

 繭を2個持ち帰り、大型のシャーレに入れて置いたところ、

Ⅰ♂が羽化した。見ると触角が大きく羽状に開いているのが目

を引く。広い空間の中で、♀のフェロモンをキャッチするのは、

大仕事なのだろうか。

 ガの成虫の大きさは開長で言うが、標本にしないと計れない。

便宜的に頭頂から尾端までを計ると5㎜と小さい。野外で成虫

発見は困難とみえ、神奈川県昆虫誌では5例の記載に留まって

いる。

 平野から低山まで普通にいる様だが、ハゴロモ科のベッコウ

ハゴロモ、スケバハゴロモ、アミガサハゴロモとはわりと出会

い、観察し撮影もしているつもりだが、今までハゴロモヤドリ

ガ幼虫の寄生には全く気が付かなかった。

 実態としては(テングスケバも含め)、どの地域に、どの程

度棲息しているのだろうか。