観察月日 2007.5.8.晴 17℃
観察場所 岩手県 安比高原
13年前、山岳雑誌「山と渓谷」2007年3月号にスプリング
・エフェメラル“春咲く山の妖精たち”の特集に、岩手県・安
比高原が紹介されていた。そのページには、広いブナ林の
地上一面を埋める”キクザキイチゲ“の花、夢の様な写真が
載っていた。花期は5月上旬~下旬とあり、まだ私が見た事
の無い、「日本海側要素の植物スミレサイシン・・・なども咲
き乱れている」とあった。
2007年5月8日8時56分発上越新幹線の車中に私はいた。
盛岡で花輪線に乗換、安比高原駅13時49分着で下車したの
は私一人であった。1本のホームと小さな朱塗りの可愛い駅舎、
勿論無人。原野の中で家はなく、ホームの垣根越しに見降ろ
すと、そこはミズバショウの咲く湿原であった。
電話して、車で迎えに来てもらい、ホテル着。4階建の立派な
建物、宿泊者は私一人だと言う。つい数日前の連休中は、スキ
ーヤーで賑わっていたのだと言う。ここは、“東北有数のスキー
リゾートとして有名な地”である事を私は知らなかった。
早速ホテル裏の原野へ出ると、そこはブナを交えた雑木林、
雪解けしたばかりの湿地状、林床は開いたばかりの“キクザ
キイチゲ”の花で埋め尽くされ、夢の様な秘密の花園の最中
に足が止まってしまった。
その時大事な事を忘れかけていた。雪国特有の”スミレサ
イシン”に出会うのを目的に来た事を。その後、雪解けの進
む原野を探し歩いてみたがスミレサイシンに出会う事は出来
ずその日は夕暮れとなってしまった。残念!
花輪線は原野を行く。
安比高原駅のホーム
ホームの垣根から下を覗くと、ミズバショウの湿地。
立派なホテルの今日の宿泊者は、私一人。
早速 原野へ 視野一面に キクザキイチゲの花園。
花は 淡紫色~白。
至る所 雪が残っている。
芽生えたばかりの植物も多い。