足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No 1519 ~ H29かながわ水源地域キャンペーン参加 ~

2017年09月29日 | 日記

月 日 2017.9.23 (土・祝)、24 (日)

場 所 アピタ 長津田店

 都市地域における水源地域理解促進事業として実施する

ことで、広く県民に水源地域全体の魅力を伝え、都市地域住

民との交流の機会の拡大を図る事を目的としている。

 今年も、瀬谷区を中心とした人で作る”自然関心人間”のグ

ループで、神奈川県・横浜市の水源の水をを使用している住

民として役に立てばと、専門性を生かした ”ネイチャークラフト

体験教室” を担当した。

 開催概要は、水源地域の郷土芸能・体験教室・特産品の展

示販売、市町村等のゆるキャラ等で賑やかに盛り上がった。

ネイチャークラフト体験教室のコンセプトは、 ”知ってますか?  のおとしもの”

先ずは 「何を作ろうかな!」 考えましょう。

小枝があったり、ドングリがあったり、・・・・・何が出来るかな!

教えてもらいながら、何が出来るかな?

お父さんとお子さんで、協働製作中!

このテーブルには、月桂樹の小枝があったり、木の実があったり、リボンがあったり・・・

ステキな物が出来そう!  会場もおお賑わい! 後方に ゆるキャラ の勢ぞろい!

★ と言う訳で、準備に追われブログに手が廻りませんでした。ナチュラリストとしては、活動してますので

  順次書かせてもらいます。

 

 


No. 1518 ~ ダイミョウセセリ幼虫の行動 ~

2017年09月11日 | 昆虫

観 察 月 日   2017.8.29.晴 29℃

観 察 場 所   清川村 宮が瀬

 水平に伸びている枯れ木の枝に、オニドコロの雌株が茎

をからませている。葉の付け根から花序が垂れ下がり、元

から花を開き、早いものは果実になり、先に行くに従って花

は蕾になっている。

 その機能的な美しさに見とれていると、裸身の芋虫が辺り

を気にせず、一心に葉を食べているのに目が張り付いた。

 それは、ダイミョウセセリの幼虫で良く見ているものだが、

その場が違い、オニドコロやヤマノイモの葉と葉の一部を

千切り綴って合わせ作った、隠れ家の中に潜んでいる所だ。

 芋虫には特に狙っている天敵が多く、ダイミョウセセリの

幼虫は、逃れる手段に隠れ家を選んだのであろう。

 大山丹沢山麓を歩いていると、オニドコロ等の葉を綴った

隠れ家を見掛けるが、私たち人間には返って目立ち安く、

中を覗いて見たくなる顔馴染だ。しかし、天敵の横行して

いる日中に、堂々と葉を食べているのに出会ったのは初

めてだ。

 オニドコロの葉に直角に大顎を当て、円を書きながら滑

る様に、葉は消えて行く。幼虫が餌を食べるには、先ずは

気溌物質?で適しているかを確かめ、大顎での咬み切り

の具合、喉の通過など、幾つかの過程が必要と言われる

が、すごいスピードだ。

 それが止まったと思ったら、瞬時に茎を登り始め、何の

迷いもなく“アッ”と言う間に、自分の隠れ家に潜り込み、

動きは止まった。迷わず、一直線に自分の隠れ家に

行けたその秘策は、解りますか。

オニドコロに見とれていた。

ダイミョウセセリの幼虫。

昼なのに 周囲を気にせず 葉を食べる。

茎を登り始めた。

そして 隠れ家にもぐりこむ。

隠れ家。糸で葉を止めてあるのが見える。

葉の裏に 穴が。

ダイミョウセセリ


No. 1517  ~ クサギとアゲハ ~

2017年09月08日 | 植物

観 察 月 日   2017.8.29.晴 32℃

観 察 場 所   清川村 宮が瀬

 クサギの花はさかりを過ぎただろうと思っていたが、花盛り

であった。花は5つの稜で膨らんだ蕚とそこから突き出した

筒状の花冠は赤く、開いた5つの花弁は白く、その2色から

成る花は効果的だ。大山丹沢山麓にはクサギは多く、緑の

山肌に浮き出て見える。

 その為かクサギの木立を見ていると、結構遠方からクサギ

の花に向かって大型のアゲハチョウが飛翔して来るのが解る。

 チョウが飛翔する時、口や足はどんな姿勢をしているか、想

像した事があるだろうか。チョウが飛んでいる時は、細く長い

口はゼンマイ仕掛けの様に巻き込み、細く長い足は関節で折

りたたみ、不必要なものは仕舞っておき、花に止まる瞬間伸ば

すと考えていた。

 ところが、シャッターを切って見ると、足はともかく、口は長く伸

ばして花に近づくその様子は、待ちきれない私たち人間の感情

と似ていて、同じ生き物として微笑ましく感じた。

 花冠は長く、口吻の長い大型のアゲハの仲間で無いと蜜を吸

えない作りは、花に来る昆虫の種類を差別する方が、送粉して

貰うのには都合が良いからだ。

 雄蕊の柄は長く、その先に葯があり、大型のアゲハが来ると先

ずは足や体に花粉が付く仕組みになっている。花粉が無くなる頃

になると、雄蕊は弓なりに下がり、下がっていた雌蕊が立ち上がっ

て柱頭がチョウの足や体に当たり、受粉する巧みな仕組みになっ

ているのだ。

クサギの花は 2色効果で アピールしている。

遠くから カラスアゲハがやって来た。

細い足で 軟着陸、 羽ばたきを続け体重を支える。

長いストローを差し込み 吸蜜。

おしべを突出し チョウを待ち受ける。この時 めしべは 如何しているか解りますか?

花粉が無くなる頃には めしべが立ち上がり 花粉を待つ。その時おしべは?

これが クサギの戦略。

 


  No. 1517 ~ コガタコガネグモの不思議 ~

2017年09月05日 | クモ

観 察 月 日   2017.8.23.晴 29℃

観 察 場 所   松田町 秦野峠林道

 林道へ入って間もなく、道の中央付近に白い印が浮き出た

様に下がっていた。コガタコガネグモの網だ。そう言えば、ゲート

入口に“路肩が崩壊しているので通行出来ません”との立て看

板が置かれていた。これに関連した印ではない事は当たり前

だが、道の中央にクモの大きな網が張られていると言う事は、人

が歩いていないと言う証拠でもある。

 近づいて見ると、垂直に張られた円網の中程に、クモの糸を編

み込んで字形に白い帯が作られ、“隠れ帯び”と呼ばれている

ものだ。

 クモは8本の足を2本づつまとめ、4本の足に見える様にして重

ねている。まるで隠れている様に見えるので、“隠れ帯び”と呼ん

でいるのだろう。

 クモの姿を確かめようと、“隠れ帯び”の横に回り込むとクモは素

早く反応し、巣を離れてオニドコロの葉と葉の間に逃げ込んでしま

った。“隠れ帯び”とは、人間が見た感じで付けた呼び名なのだろ

うか。

 クモの天敵は、何と言っても狩りバチは有名だ。円網を張ったク

モに体当たりをし、麻酔の毒針を打ち込み、生きたまま幼虫の餌に

してしまう恐ろしい相手だ。狩りバチの種類は多い。その数も多く

常に狙っている。次に野鳥だろう。

網に居て餌の掛かるのをじっと待っているクモも、危険と隣合わせ

で、次代に命を繋いでいるのだ。

林道に入って間もなく、空中に”✕印”が浮かんでいた。

糸で編んだ✕印の向う側に コガタコガネグモがいた。

クモを見ようと廻り込むと 素早く反応して、隠れ家へ逃げ込まれた。

★ ”隠れ帯”と呼ばれているが クモにとって 何 なんだろう。


No. 1516  ~ ミズキからイヌザンショウ ~

2017年09月03日 | 昆虫

観 察 月 日   2017.8.23.晴 29℃

観 察 場 所   松田町 秦野峠林道

 先月のクサギはまだ蕾の状態で、紙風船を思わせる柔

らかな蕚に花は包まれていた。ところが不思議にも、クサ

ギの何に引かれたのか、何匹ものサカハチチョウが、そ

れぞれの木に群れていた。

 今日のクサギは花盛りで、甘い香りを漂わせていたが、

サカハチチョウは1匹も見られなかった。前号で取り上げた

が、クサギの花冠は長いので、サカハチチョウの口吻では

蜜に届かず、吸蜜する事は出来ない。それにしても、先月

群れていたチョウはどうしたのだろうか。

 「今の時期咲いているのは、イヌザンショウですよね。ガー

ドレール越しに谷を覗くと、ヤブの中に花が目立ちますよ」と

Rさん。林道を普通に歩いているのでは、視野に入って来ない。

 早速渓谷を見下ろすと、低木とはいえ枝を広げ黄緑色の細

かな花を付けた散房花序は、上から見ると平面的で広く、

飛翔している昆虫の目に入り安い。

 「サカハチチョウが、何匹も蜜を吸ってますよ」と続けてRさん。

 1本の木の花に来ているチョウを数えて見ると、10匹に

もなった。花は細かいがその集まりは平面になっていて、小・

中形のチョウを始め、ハチ・ハナアブ・ハエの花粉や蜜を得

るのに適した構造になっていて、クサギの花とは対称的にな

っている。

 サカハチチョウはイヌザンショウの他、コボタンズル、イタド

リの花での吸蜜が見られた。

クサギは花盛り、サカハチチョウの姿は無い。

渓谷を覗くと、イヌザンショウが花盛り。

花には、昆虫達で賑やかだ。

コボタンズルにも。

イタドリにも。

イタドリの花には、ドロバチの一種が。

イタドリの花には、昼間に活動するキンモンガが吸蜜。