足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1485  ~ 弘法山南面の昆虫 ~

2017年04月25日 | 昆虫

観 察 月 日   2017.4. 20.快晴 20℃

観 察 場 所   秦野市 弘法山

 自興院のサクラは葉桜となり、シャガの花が目立つ様になっ

た。裏へ回り、弘法山の南面の山道に入る。

 ヤマブキの花が黄色の波を送り、足元にはクサイチゴの白い

花が目を引く。昨年の春の山道はキジムシロの花で覆われて

いて、ビロウドツリアブが長い口吻を伸ばし、ホバリングしなが

ら訪れていたが、今年は見られない。冬から春にかけ天候不

順で乾燥し株を枯らしたのか、その理由は解らない。タンポポ

の花冠の上に小さなキリギリスガ乗り、アンテナをしまい昼寝

の様だ。他の1匹は食欲旺盛で、花弁が千切れる程食べてい

る。ヤブキリの幼虫は小さい時はタンポポの花弁を食べている

植物食だが、、成長するに従って虫等を捕食する肉食に変化

する。

 まだ蕾の時期かと思い込んでいたら、太い茎の上に赤紫の立

派な花を付けていた。花に気を取られていたら、冬を越して来た

キタキチョウが精いっぱいストローを伸ばして吸蜜していた。立

派な花の蜜は、豊富なエネルギーが詰まっているのだろう。同

じく、成虫で冬を耐えて来たムラサキシジミが羽を開き、太陽の

エネルギーを集めている。アラカシが幼虫の食草なので産卵か

とカメラで追って見たが、その行動は起きなかった。

 足元のクサイチゴの花弁が、紫外線を反射してか白く光って

見えたのでレンズを寄せて見ると、一枚の花弁に化けたツバ

メシジミが、細い尾状突起を風に揺らしていた。かと思うと、小

さいながら蛇紋を付けたウラナミシジミが羽の開閉をしていた。

下山途中でミヤマセセリに出会った。昨年は、何匹にも出会っ

たものを、今年は只この一匹で寂しか

裏山の道を行くと ヤマブキが満開だ。

足元のカントウタンポポには ヤブキリの幼虫が。

ノアザミの花に キチョウが。

冬を越して来た ムラサキシジミが。

ノイチゴの花に ツバメシジミ。

小さな蛇の目を羽に付ける ヒメウラナミシジミ。

今年は ミヤマセセリは 唯1匹だけ。


No. 1484 ~ シオヤトンボの季節 ~

2017年04月23日 | 昆虫

観 察 月 日   2017.4. 20.快晴 20℃

観 察 場 所   秦野市 北矢名

 今日は午後からは曇と言うが、今は快晴。西へ向かう旅

客機の後を飛行機雲が、斜めに空を区切る。

 畑の中の一段低い土道を行くと、カキ畑に出た。芽が伸

びたばかりの葉が光を反射して、眩しい。今頃はカラスノエ

ンドウが蔓を伸ばし、赤紫色の花を付けているのだが、草

刈りがしてあってそれが見られない。それでも歩いて行く内

に、1か所残されて居る所がありナミテントウ、ナナホシテン

トウが集まって、アリマキを捕食していた。

 突然、小砂利の埋まった道から、小形のトンボが飛び立

った。一匹ではなく、歩く度に次々と何匹も飛び立った。ま

だ春が始まったばかりと言うのに、「もうトンボが」と疑問の

湧いてくる人はいないだろうか。

 俳句歳時記を開き、蜻蛉(トンボ)を探して見ると、“夏”の

季語で「蜻蛉生る」とあった。それも明治の頃からで、それ

以前は“秋”の季語になっていたと言う。昭和になって「塩

辛蜻蛉」を春の季語に加えた歳時記もあったが、他の会

の同調が得られなかったという。

 自然の移り変わりは、意識しなければ目に写らないだろ

うし、目に写っても記憶されないのだろう。

 自然の世界ではトンボは夏だけのものではなく、種類に

よって春から次々と羽化し,飛び立つものだ。今日見たトン

ボは、「塩辛蜻蛉」シオカラトンボではなく、それより小形の

シオヤトンボで全部雌だ。動きものろく、羽はまだ濡れてい

て光を反射している。羽化して間もないのだろうが、ここは

水辺ではなく草地だ。全部雌と言う事がその疑問を解く鍵だ。

素晴らしい 日本晴れだ!

畑と草原の中のみちを歩く。

カラスノエンドウの花に ナミテントウが!

土道から 小形のトンボが飛び立った。 シオヤトンボの雌だ。

羽が濡れている。 羽化間もないのだろう。

★ ♂の体は 塩色 ♀の体は 麦わら色

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


No. 1483 ~ くずはの家の自然 ~

2017年04月19日 | 野生動物

観 察 月 日   2017.4. 13.晴後曇 17℃

観 察 場 所   秦野市 くずはの家

 「これから、イタチとイヌの足跡の石膏の型を外しに行くところ

・・・」道具を入れた籠を下げていた。

 今日の私は打ち合わせに寄ったのだが、幸運な時に出会っ

た様だ。くずはの家には何度も来ているのに、まだ私が入った

事が無いエリアに行くようなので、案内をお願いしたのである。

 つり橋を渡り、葛葉川の露頭が見える河原までは必ず寄って

いたが、飛び石を渡って対岸に行った事が無かった。一般には

人は入らないと見えて、緑が濃いかと思うと、住宅地が迫り、保

全された理由の重さが解る。

 足跡の石膏を外し、川で土を落とすのを見て先へと進む。「こ

こはヤマビルの多い所ですが・・・」と言われたが、ヒルには友達

付き合いをしているので、構わずシダの茂る竹林に降りる。アカ

ネズミの食べたオニグルミが転がっている。枯れた太い竹が倒

れている。「この竹の割れ目から中を覗いて見て下さい」と言わ

れ中を見ると、オニグルミの核果が詰まっている。「アカネズミよ、

上手く利用しているな」口から言葉が自然にこぼれた。

 今は静寂そのものだが、陽が落ちると、フクロウの目や耳を持

ち合わせれば、アカネズミの足音や、オニグルミをかじる音など

賑やかに聞こえそうだ

深い緑の道を のんびりと。

石膏を割れない様に 慎重に。

「ヤマビルが多い所なんですよ」

アカネズミが食べた オニグルミの実が。

枯れた竹が倒れて・・・・・

割れ目から 中を覗くと・・・・

★ 中には オニグルミの核果がつまって・・・


No. 1482  ~ 玄倉の春4月 ~

2017年04月19日 | 野生動物

観 察 月 日   2017.4. 9.霧雨 15℃

観 察 場 所   山北町 玄倉

  今年は小菅沢沿いに植えられている桜の開花は遅く、ヤ

エベニシダレがやっと花を開いた程度で、丹沢湖を囲む山の

側面を覆う若緑の中を、ヤマザクラやオオヤマザクラが染め

分ける桜色を見る事は出来なかった。

  つい先ほどまで降っていた雨が止み、冬芽をほころばせ

たイロハモミジは水玉を付け、それがレンズになって空間に

広げた枝を、対峙する山を写し出している。先月まち針の様

に蒴をつけていたタマゴケはどうかと林に入って見ると、蒴

に水玉が付き、その中にもう一つの自分の姿が写し込まれ

ていた。

 今にも泣き出しそうな空を気にしながら、秦野峠への道を

行くと、途中ヨゴレネコノメ、マルバコンロンソウ、ツルカノコの

花を見る。毎年の行事の様に、ヒナスミレを探しにガレた斜

面に入るが、最近富に土砂が流れ落ちて、今年も見付ける

事が出来なかった。誰かが「足元を・・」と言われて目を落と

すと、今年初のヤマビルが、体を収縮させながら私の足元

に急いでいた。

 今日の目的の一つは、先月コンクリートの破片の隙間に

潜んでいたタゴガエルのその後の変化を観察する事だ。こ

このところの雨で、山の斜面から染み出る水が流れ出して

いるのを見て先ずは安心する。先月カエルのいたコンクリ

ートの破片を持ち上げると、カエルの姿は無く、そこには

2卵塊が産み落とされていた。卵は初々しく、卵径は3㎜

程と大きく、蔵卵数は100個程と30個程と思われる。動

物極は淡い黒色だがその差があり、卵嚢の量が多いのが

この種の特徴だ。幼生(おたまじゃくし)は卵嚢の消費だけ

で変態するので、来月の変化が楽しみだ。「鳴き声がする」

とRさん、隣の破片の下には雄が控えていた。

 雨が落ちて来たので、軒先を借り、今年も恒例の花見団

子をみんなで楽しんだ。

ヤエベニシダレがやっと咲き出した。

イロハモミジの水玉レンズ仁春の景色が。

タマゴケの蒴にも水玉レンズが、自分の景色を。

今年初のヤマビルが・・・

コンクリートの破片の下を覗いて見たら。

タゴガエルの卵塊が・・・

隣には、雄のカエルが。

帰りに ヒナスミレが見つかった。

雨の日もまた良し 自然は素晴らしい。

雨の日も また楽し。

 ★ 毎月第2日曜日10時 玄倉バス停 (駐車場もあります)


No. 1481 ~ クヌギカメムシその後 ~

2017年04月06日 | 昆虫

観 察 月 日   2017.4. 4. 晴 17℃

観 察 場 所   大和市 泉の森

 先月17日、Fさんの言葉から予想外のクヌギカメムシの幼虫に

出会った。母虫が身を削って作った、ゼリー状の栄養物を挟んで

並び、吸汁していた1令幼虫。あれから2週間3日過ぎ、その間気

温は上ってぐっと春めき、ケヤキの芽もほころんだであろうと気に

なっていた。 

 泉の森は先月より人が多く、市民の憩いの場として賑わっていた。

先ずはクヌギの木に立ち寄りカメムシの幼虫はと顔を近づけると、

目に入って来たのはカメムシではなく、開長1cm程の黒褐色のガ

で、羽を平開し、凹凸のある樹皮の影に、上手く入り込み止まって

いた。

 虫達も、時計が止まっていた様な冬バージョンから抜けだし、スプ

リング ハズ カムと、変身の季節に入った事を、小さなひとひらのガ

が教えてくれた。隣のクヌギの幹を見ると、脱皮して一回り大きくな

った2令幼虫が、重なり合う様に樹皮の割れ目にじっと動かず待機

していた。

 クヌギの木を見上げると枝先の冬芽は僅かに開き、緑に染まって

見えるが、カメムシの幼虫にとっての行動にはまだ早すぎるのだろ

うか。雑木林には、タチツボスミレ、イカリソウ、シュンランが咲き、

セイヨウタンポポに来たキチョウに言葉を掛け、先月出会ったトラ

ツグミのスギ林に行く。

 野鳥を写しているとは思えないカメラに三脚を付け、一点を狙っ

ている人がいた。

もしやと思ってその人の2~3m先を見るとトラツグミがいた。人か

ら逃げるどころか、その人に近づいてくる。土をつついたり、羽を広

げたり、その辺たりを間欠的に歩き回り、リラックスをしている。泉の

森のトラツグミは、不思議な野鳥だ。

泉の森は、市民の憩いの場所だ。

その後の幼虫はどうかと・・・ 目に入ったものは。

目当ての 幼虫は。

セントウソウやタチツボスミレが。

イカリソウが。

キチョウの羽が少し でもこの位では・・・・・

すぐそばに トラツグミが 歩く・・・・

私は 6oommのレンズで離れた位置から写す。

★ 近くの道を 盛んに散策する人が通る。 人慣れしすぎてキケンを感じたのだが。