足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1216 ~ テウチグルミ の 葉痕 ~

2014年02月27日 | 植物

観 察 月 日  2014.2.24 曇 9℃

観 察 場 所  横浜市 瀬谷区 

 近所の幼稚園児のお子さんに写真を見せて、                                          

「何に見える?」と聞いて見た。

 「おさるさん」と一人がすぐに答え、続いて「クマさん」と返って来た。

 道路にも、庭の北側にも雪が残っているので、2月はどうしても

雪の話になる。

 大雪が降り出した14日に市民の森へ行った時、何年か前に畑

の隅にテウチグルミが植えてあったのを思い出し寄ってみた。

 水分を多く含んだ雪は、クルミの枝に積もり太くなり重そうだ。秋

の終わりに葉を落とし、枝には葉柄が残して行った付け根の模様、

葉痕が積もった雪の中からやっと顔を出していた。

 クルミの葉痕は大きいので肉眼でも見えるが、種類によっては

ルーペの世界になる。

拡大した写真を見た二人の子は「サル」「クマ」に見たが、私はヒ

ツジの顔に見えた。枝に雪が付き、それが白い分厚い毛を連想

させたからでもある。

 動物ではない植物が葉を落とした跡が何ら関係の無い動物の

顔に見える、見ようと思う事は、どこから来るのだろうか。一時人

面魚とか、人面・・・が話題になった事があり、それは何処から来

るのだろうか。

 今、人間は、地球上で我がもの顔をしているが、遥か遠い昔の私

たちの祖先は山野の片隅で恐れおののき暮していたのだろう。力

の弱い人間は何時襲って来るかも知れぬ動物を恐れていたに違い

ない。それには暗闇の中から突如現れる顔、目を監視している必要

があった。

私達が自然の中から顔を見出すのは、遥か昔の祖先の遺伝子が受

け継がれているのだと言われているが、あなたはどう感じますか。

「何に見えるか」 聞いてみた。

テウチグルミの枝に雪は積もる。

先週の雪と違い 湿った雪は枝に付く。

雪の枝から 動物の顔が覗く。

私はヒツジに見えたのだが、あなたは何に どう見る。

私の遺伝子の中に、はるか昔の祖先が宿っているのだ。

核果が残っていた。見上げると空から落ちてくる雪は薄墨色だ。

 


No.1215 ~ ヒヨドリ の 食欲 ~

2014年02月23日 | 野鳥

観 察 月 日  2014.2.23.曇 8℃

観 察 場 所  横浜市 瀬谷区 

 朝早く“ヒーヨ ヒーヨ”の鳴き声が庭から聞こえて来る。ヒヨドリ

が飛び交っているのだ。

 70cm積もった庭の雪も融けはじめ、巻き損ねた白菜が雪の中

から顔を出した。それを待っていたのだろう。ヒヨドリが株の上に乗

って葉をむしり取っては、口に運んでいる。

 ヒヨドリは、勢いを付けて頭を白菜の葉の先を目掛けて振り降ろし、

嘴で葉を千切る。葉の一片を嘴にくわえると頭を上に向け、嘴を大

きく開くと加えていた葉片は、宙に浮いた。次の瞬間再び加え、口

の中へ送り込んだ。葉片が小さければそのまま呑込むが、面積が

広いと時には失敗し落してしまう。

 雪の中から現われた庭の野菜の中で、ヒヨドリが一番好むのは小

松菜だ。次に白菜そして大根の順だ。このまま行くと庭の葉物は全

部食べられて仕舞いそうだ。それにしても彼等の仕事とはいえ、良

く見つけ集まって来るものと感心する。

 21日登戸から多摩川へと歩いて見たら、住宅に囲まれた野菜畑

に出た。庭の野菜に来るヒヨドリの事が頭に浮かんだその時、人に

驚いて30羽程のヒヨドリが飛び立った。

 緑濃いビタミン豊富なからし菜?とブロッコリーの葉の中に埋もれ

る様にヒヨドリがいる。ブロッコリーの蕾は食べてはいない様だが、

葉の部分は軸だけになっている。これで売り物になるのか心配にな

った。里山は生き物と人との戦いの場でもあるのだ。 

 自然と人間との共生の難しい場面がそこに展開されていた。

雪の中から 白菜が顔をだした 待っていたのだろうか。

ヒヨドリが、白菜の葉をむしり取る。

そして 嘴に加える。

一瞬 葉片が宙に浮いた。 そして口の中におさまった。

白菜の株に乗って食べるのもいる。

食べるのに忙しい。

満足したのか ヒーヨとひと声飛び立った。

2月21日 こちらは登戸近くの住宅に囲まれた畑。

葉物の中にヒヨドリが

ブロッコリーの葉はすっかり食べられて葉脈だけが。 これで出荷出来るのだろうか。

 

 


No.1214 ~ 雪の中の 梅の花 ~

2014年02月19日 | 植物

観 察 月 日  2014.2.14 雪 0.9℃ 

観 察 場 所  横浜市 瀬谷区 

今月は小用が重なりフィールドに一度も出られなかった上に、8日~9日

に掛けての大雪で丹沢湖ビジダーセンターの定例の観察会も中止にした。

 14日早朝より雪が降り出し、大雪情報が出たが、瀬谷市民の森へ出か

けてみた。

 それは今年の1月元旦にウメ畑へ寄ってみた。その時の蕾は固かったが、

その枝にはオオカマキリの卵嚢が、イラガの繭が付いていたのを思い出し

たからだ。

 家を出た時は、みぞれ混じりの雪であったが、市民の森では林をバック

に雪が激しく舞い、木々の枝にはキャンデイ状の雪が付着し、北の国を思わ

せる景色となった。

 ウメの木々の蕾はまだ開かずその上に、雪が積もっていた。なん本かの

木を探し歩くと、早生種であろうか、小さな花を開き始めている木があった。

花の上には重そうな雪が覆いかぶさり、花の中心にある雌蕊と雄蕊を擁護

している様に見えた。

 オオカマキリの卵嚢は見つける事が出来たが、イラガの繭は雪に埋もれ

て見つけることは出来なかった

 今は、両種共に静かに眠っているが、やがてそれぞれが孵化し、羽化し、

ウメの木を舞台に生存競争が始まる事であろう。

市民の森は 白銀の別世界

雪が降る 雪が舞う

まだウメの木は 幼い

今年の1月1日

えだに付着する雪だ

まるで氷菓子のようだ

蕾は膨らんできているが

探したら 咲き始めた木があった

花が小ぶりだが、 花粉を沢山だす品種なのだろう

オオカマキリの卵のうも雪の中にあった

 

 


 No.1213 ~ 週末 再び 大雪 ~

2014年02月17日 | 自然現象

観 察 月 日  2014.2.14 雪 0.9℃ 15.小雪 0℃

観 察 場 所  横浜市 瀬谷区 

“「南岸低気圧」2週間連続“と新聞の見出しにあった。東京都心は先週

と同じ27cm 、庭では、先週より20cm も多く60cm ~70cm の積雪が

あり、雪国そのものだ。

 雪を降らせる低気圧には、“ストライクコース”があると言われる。台湾

付近か沖縄あたりで発生した低気圧が、八丈島へまっしぐらと見れば予

報は雪、北寄りならば雨、南に逃げれば曇の場合が多いと言われている。

 真夏に降る雨も、遥かに高い空では雪なのだ。上空の雪が地上近く

に落下した時、それが融けるか融けないかの違いに過ぎない。

 地上の気温が7℃以上なら降るのは雨、2℃以下なら6割方は雪、1℃~

6℃の間なら雨と雪が5分5分と見ている様だが、それを判断するのは人

間なのだから並大抵のことではないのだろう。

 私あたりの年代には、“南岸低気圧“と言うよりは”台湾坊主“と言う方が

”ピッタリ“くる。

 以前NHKの気象キャスター倉嶋厚氏によると、“台湾坊主”の名称は広辞

苑の第1版(S.30)には無く、第2版(S.44)に登場したのだと言う。手元にあ

る第2版(S.55)を開くと(2)冬期末に台湾付近で発達し、本州南岸沿いを

北東進する温帯低気圧。太平洋岸の降雪の原因となる。とある。いつ誰が

命名したのか不明だが、第2次大戦の時耳にした予報官が居たと言う。  

 因みに電卓の広辞苑を叩くと、(2)東シナ海低気圧の旧称 とあった。低気

圧の名はともあれ、これ以上の雪は勘弁してほしい。だが又(水)(木)に

雪の予報が!

14日 7:17 早朝より細かい雪が降り出した。道路は薄らと白くなりだした。

14日 12:03 細かいみぞれ交じりの雪になり、白さが消えた。

両側には、先週の雪が残っている。

14日 14:27 雪が激しくなり 結晶の大きな雪も交じる。

本格的に雪が積もり始めた。

15日 7:08 小雪  雪国の様な積雪に驚く。

14日 14:30 庭の菜園 先週の残雪の上に雪が積もり始めた

15日 7:10 庭の菜園に 70cmもの雪が積もる。

 

 


 No.1212 ~ 続 東京(横浜)大雪に想う ~

2014年02月12日 | 日記

観 察 月 日  2014.2.10.曇 6℃

観 察 場 所  横浜市 瀬谷区 瀬谷

 雪の朝は大変だった。家族に成りきったシーズー犬が居るからだ。外でないと

ウンチもオシッコもしない。私が長靴でラッセルし、その跡を歩かせたのだが思

う様には行かなかった。

 積雪を計測する用具“雪竿”が無いので、庭の3か所に支柱を立てて置いた。

積雪は40cmが2か所、50cmが1か所であった。近所の家の屋根に積もった

粉雪が強風に飛ばされていたので、違いが出たのだろう。

 2月、3月は“春の雪“の季節だ。春の南風と冬の北風がぶつかり合う処に生

まれた低気圧が、関東の近海を通るコースによって、雪になったり、雨になった

りする。

 降水物理学から言えば、雪も雨も本質的には同じで、水から出来ている事に

は違いない。

 雨と雪を比べて見ると、雨水の比重は1.0で、積もったばかりの雪の比重は

0.1、その時の雪の体積の90%は空気を含んだ隙間と言う事になる。

 そこで、東京の積雪27 cmが、もしも雨であったとしたら、降水量は27mm

と言う事になる。

 天気と言うものは微妙なもので、27 mmの雨であったとしたら、乾燥続きの

東京にとって恵みの雨と喜ばれたものを、雪になったため新幹線は遅れて

10万3千人、航空機は飛べず11万人に影響が出た

2月10日それぞれ雪かきをして歩きやすい道になった。

8日には雪に埋もれていたブルーベリー、洗濯ばさみの所まで雪があった

メジャーは 40cmを指している

庭の中心当たりで計ると 50cmあった

中から大根の葉が表れた

オオイヌノフグリ、ホトケノザ・・・も現われた

ブルーベリーの花芽も膨らむ やっぱり”春の雪”なのだ。