観 察 年 月 2010、9、21 晴 31℃
観 察 場 所 山北町 玄倉
もう10年以上も前、丹沢ビジターセンター入口の草むらに黄色のマメ科
の花が咲いていた。マメの花だが一味違い、巻き上げた女性の髪型を思
わせるものであった。ヤブツルアズキと解りしばらくすると莢が出来た。
野の花中で、マメ科の花は変わっている。多くの花が上向きに咲くの
に、横向きに咲く。正面から見ると大きな花弁が目立つが、わざわざ、
旗弁と名付けられている。これは、昆虫へ花の在りかを知らせる広告塔
だ。そして、左右にある翼弁、下側に突き出ている竜骨弁、その中に雌
雄蕊が収まっている。
ところが、ヤブツルアズキは、その又変わっていて、竜骨弁の2枚が合
着して筒状になり、それが更にひねりの形になっている。両側の翼弁も
それぞれ変形している。
蜜が豊富なのかキチョウが何匹も花に止まり、ヤマトシジミ、ウラナ
ミシジミも吸蜜していた。
ところで、マメ科植物は、自家受精の筈だ。ヤブツルアズキが昆虫を集
める広告を出したり、蜜のサービスをするとは、人間の社会では考え難い
事だ。自然はやっぱり不思議な世界である。