足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

   No. 971  ~ フジ は 発芽の季節 ~

2011年06月26日 | 植物

「あら! 可愛い芽が・・・・・・」

いまは、若い実が下がっている

”おはじき遊び” でもしょうか

種には、裏と表?違いがある

表皮をむくと・・・・・・・

まだ地面は遠いのに、もう毛根が

 

これからの成長が、楽しみだ

日  2011 619 曇 22

所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 

「あら! 可愛い芽が出ているわ」

Rさんの声に、地面を見るとフジの種子から細い根が出ていた。

 

 今は青い実だが、昨年の秋には、よじれた鞘と共に、弾かれ

た種が沢山落ちていた。自然観察の時にでも“おはじき遊び”

をしようと、沢山拾って置いたのだ。フジの種は遊びが出来る

程硬い。それにはそれなりの訳があるのだろうが、反面、発芽

するには大きなエネルギーがいる事だろう。

 秋に拾った種の表皮をはがすと張り詰めた子葉と幼植物にな

る胚が収納されていた。

 

 フジの種は平たく円盤状だ。その横の一点の皮が破れ根が出

ている。それは、ループ状に一回巻いてから地面に向かって伸

びている。想像道理の力仕事だ。

 伸びた主根をルーペで見ると微小な根毛が出ている。水分や

養分を吸収し運ぶのだが、まだ地面には距離があるのに用意し

ている。

 

 今後アクシデントもなく成長が進めば、子葉はどのようにな

るか、次にはどんな姿を見せてくれるか楽しみである。

 

 

 

 

 

 

 

 


No.970   ~ シロスジカミキリ の 頭が?  ~

2011年06月25日 | 昆虫

雑木林の中の木道を行くと

突然

歩を進めるごとに頭が!

足や顎を盛んに動かす

犯人は 誰!

日  2011 619 曇 22

所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 

「おや? シロスジカミキリの頭が転がっている」

私は頭の中で独り言を言った。そして一歩歩くと又、頭が転

がっている。

そして又一歩・・・と、合計6匹の頭が転がっていた。どの個

体にも前足が付いていたので、頭部と前胸で、それより後の中

胸、後胸と腹部はどうしたのだろう。

 

 ところで、シロスジカミキリは日本のカミキリ虫の中では、

大型で雌の体長55㎜にもなる。以前は平地でもよく見られ、

つゆの頃には樹木の中で羽化し這い出たばかりの成虫が、枝

に止まり雨に濡れながら、皮を食べているのを見掛けた。近

頃は減少種のようで出会う機会は少ない。原因は雑木林の荒

廃にあるようだ。

 

 さて、後胸と腹部はどうしたのだろう。鞘翅が2枚落ちて

いたので、硬い部分は残し養分のあるところは、誰かの食物

になったのだろうか。シロスジカミキリが樹の枝に止まって

いる所を襲うと言う事は、木登りが得意か、羽のある生き物

だろう。樹上で食べづ、わざわざ木道にまで降り食べている

のも特徴のようだ。転がっていたものの中には、足や顎を動

かすものもあった。捕まれば、前胸と中胸で「キイ キイ・・」

となく。さて、その生き物は誰であろうか。

 あなたは、自然の探偵。

 

 

 

 


No.969   ~ ハチに擬態した ハチモドキバエの一種 ~

2011年06月24日 | 昆虫

私たちの目には、キイロスズメバチ に見えた

こいつに、睨まれたら大変とあとすざり・・・。一寸大げさかな。

だが、黄色と黒の色彩は、本能的に危険信号。

飛び立って気がついた。ハチに擬態した・・・・・・・・・・だった。

日  2011 619 曇 22

所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 

「アッ! キイロスズメバチだ!」

薄暗い事もあって、誰しもがそう思った。

 

 黒地に黄色の線模様、これは人間にとって目立つ色だ。

だから、鉄道の踏切、道路等の危険表示に使われている

色彩だ。

 よく目立つと言うことは、容易に認識できる、覚えら

れると言う事だ。

だから子供達でも認識しているし、素手でつかんだら刺

されて、痛い目に遭わされる事位知っている。

 色彩だけではない。体形もそうだ。まるい頭、確りし

た胸、くびれた腰?、そして、細長いふっくらとした腹、

これも、ハチを認識させるために築き上げた立派な構造だ。

 

「これは、ハチではないぞ」

思わず皆の口から言葉が漏れた。

 それは、次の、次の瞬間彼女が飛び立ったのだ。ハチ

と違って、羽を高速で動かし、スーと飛び視界から消え

たのだ。

 “ハチモドキバエの一種”が、ハチの威を借りた昆虫

に成り済まして見せたページェントの一幕であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


No.968   ~ ワイ ワイ 虫 の実態は ~

2011年06月15日 | 昆虫

山の斜面は、ウツギの花盛り

林道もウツギの花が続く  

ウツギを、マタタビを観察している人の顔に”ワイワイ虫”が

セルフタイマーをセットして

”ワイワイ虫”と名前を付けた人々

レンズを、人の目とみなして”ワイワイ虫”が飛び込んできたのか!

日  2011 612 曇 21

所  山北町 玄倉

 6月の林道歩きは楽しい。ウツギの白い花、マタタビの白く

なった葉が、道沿いを山の斜面を染める。

 だが、不快な事があった。それは、顔の周りを飛び廻る無

数の小さな虫の洗礼を受けた事だ。手で払っても、ハンカチ

で叩いても逃げない。その内に、飛び廻るだけでなく目の中

に飛び込まれる人が続出した。目がゴロゴロするやら痛いや

らで、穏やかではなくなった。

 小バエだろうか、ブユだろうか、顔にまとわるところはブ

ユに似るが刺す事はなく、よく解らない。

 そこへ、Mさんが「ワイワイ虫よ」と一声、みんなも同感。

実態不明のまま虫の名前は決まった。

 ガイド・ウオークも終わり、記録用の集合写真をと、カメ

ラを三脚にセットし始めると、ファインダー接眼レンズ付近

に“ワイワイ虫”が集まり飛び回り始めた。「私の汗に反応

か」と呟き、セルフタイマーをかけ写真を撮り終えカメラに

戻って驚いた。

 数匹の“ワイワイ虫”が撮影レンズに向かって飛び廻って

いるのである。レンズ面に止まる虫もいる。

 「虫は、カメラのレンズも、私達の目も同じに見えるのか

しら」

その情景を見た人達の言葉であった。

 

 

 

 

 

 

 

 


No.967   ~ 再び クロメンガタスズメ が ~

2011年06月14日 | 昆虫

Kさん の 写真が届いた。クロメンガタスズメだ!

エンゼル・トランペットの葉裏で発見

 

スケールに合わせて

顔の模様が恐ろしい、Kさんもびっくりしたという

 これは、2009年7月5日横浜市瀬谷市民の森の記録

 

日  2011 601 曇 12

所  伊勢原市 日向

 

 「“朝変な蛾がいたのよ“とKさんから電話。話を聞くと、

先日、お聞きしたメンガタスズメらしいのです」と、Sさん

から電話があった。先日・・と言うのは、Sさんは里山をよ

く歩いているので”メンガタスズメの成虫・幼虫に出会うか

もしれない。エンゼル・トランペット他を気にして歩くよう

に“と話したばかりであった。早速送って来た写真はクロメ

ンガタスズメで、エンゼル・トランペットであった。

 既に、200975日横浜市瀬谷市民の森で見付け、手にす

ると「ギイ、ギイ」と音を発した様子等、大山丹沢山麓だより

 No.802に載せた。

 保育社日本蛾類図鑑では、九州、沖縄等南方地域に棲息

余り多くないとある。神奈川県昆虫誌2008年には、まだ記

載がない。

 近年では、三浦半島を始めネットでは関東中部にも及んで

いる。

 発生は年1回、蛹態越冬なので地球規模の気温上昇温暖化の

影響は大であろう。

これに加えて、最近の里山ではエンゼル・トランペットが目

立ち、庭や畑の周りに林立する程植栽している所も見掛ける。

植木の移動も原因の一つではないかと気に係るところである。