足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1754 ~ ホシホウジャク吸蜜を狙う ~ 

2021年11月13日 | 昆虫

観察月日  2021.10.24.晴 20℃

観察場所  横浜市

 野の花も、シモバシラ、イヌショウマの白い花から、ヤマハッカ

の青紫色の花にと移って来た。ここでは1m程と草丈は大きく、

花は小さいが下方から咲き上り、藪を作るので離れた所からも

良く目立つ。蜜の量にも自信がある様で、上唇の花弁には、

紫の縞が指標として書かれている。

 ヤマハッカを観察していると、洋種ミツバチが蜜を集めに通っ

て来る。その間に、昼行性のガ“ホシホウジャク”も定期的にやっ

てくる。そのホウジャクに注意していると、日没近く、辺りが薄暗

く成る頃大抵吸蜜にやって来る。 本来“ガ”の持つ夜行性が表

われるのか、興味深い。     

 この日はヤマハッカの花に来る、“ホシホウジャク”を記録しよう

と、カメラを向けた。“ガ”は花穂に近付くとホバーリングをして空

中に停止、体長より長いストローを伸ばし花中に命中させる。そ

の時のストローは山形に曲がり、強い力の入っている事が解る。

この時の行動を“吸蜜”と言うが、「蜜を吸っているのか、嘗めてい

るのか、それとも・・・」いつもその行動が気に掛かる。

“蜜“はその濃さと言い、量といい、ストロー(口吻)の構造といい、

・・・といい、吸蜜は、簡単ではない気がする。

こんな事を考えながら吸蜜中の“ホシホウジャク”にピントを合わ

せシャターを押した瞬間、大きな物体がぶつかって来た。画面真

っ白。庭に居た町内ネコ“シロ”も“蛾”を狙っていて、飛び掛かって

来たのだ。

ヤマハッカの青紫色の花がきれいだ。

ミツバチが来る

ホシホウジャクが吸蜜に来る。

ストローが山成りに。

ピントを合わせ、シャッターを切る瞬間。

大きな物体が ぶつかって来た。画面は?

 

 

 

 


No. 1753  ~ 続 玄倉だより 10月号 ~

2021年11月02日 | クモ

観察月日  2021.10.10.25℃ 曇り

観察場所  山北町 玄倉

 玄倉は、先程まで細かな霧に覆われていたのだろう。張り

巡らされたジョロウグモの網は、細かな水滴に塗されていた。

これでは網を使った狩りは出来ない。

 水分を含んだ大気の中の林道を歩くと、マスクをしていても

呼吸が楽だ。先を行く人達が足を止めて、草叢の一画を見つ

めている。追いついて見ると、「昨年は無かったのに、マルバ

フジバカマの群落が出現して」と語りあっていた。

 マルバフジバカマは、北米原産、明治年間、小石川植物園

で栽培、強羅自然園へ。これが逸失して箱根で野生化して行

ったらしい。

 私も30年程前、大山カミナリ尾根を歩いていた時、ここで初

めて見る植物の小群落に出会った。それが伊勢原での初確

認だと思う。そして間もなく横浜市瀬谷市民の森に小群落出

現。同行の人達から「・・が、靴の裏で運んで来たのでしょう?」

と言われた。帰った時には、靴裏の泥は綺麗に洗い落して置

かないと、無意識に種を運んでしまう事に成る。

 林道脇のマツの倒木のウバタマムシがしっかり止まっていた。

幼虫はマツの幹の中で材を食べて成長し、幹に穴を開け成虫

にて出現する。

 タマムシは、緑に輝く美麗種だ。ウバタマムシは、黒褐色で凹

凸がある樹皮型の渋い種だ。子供の頃は、タママムシが♂で、

ウバタマムシは♀だと思っていた。

 アサギマダラがシラネセンキュウに吸蜜。渡り前のエネルギー補給。

ジョロウグモの網は、小さな水滴の飾りで。

マスクをしていても 呼吸が楽だ。

去年は無かったのに と マルバフジバカマ。

林道脇に トリカブトが一本 そして花 一輪。

林道脇に マツの倒木が転がって。「何かいる!」

ウバタマムシ が しがみついて。

シラネセンキュウ が 咲く。

渡りも 近し。 エネルギー補給に県命。

コロナに負けず みんな元気だ。

では また来月 会いましょう。