足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

 No.1192 ~ モンシロチョウ・キチョウ の 雨宿り ~

2013年10月27日 | 昆虫

観 察 月 日  2013 10.26.強風雨 17℃

観 察 場 所  横浜市 瀬谷区

台風27号、28号の影響で小雨が降り出した。

 モンシロチョウはいち早く、雨対策に入っている。と言っても、シモ

ツケの狂い咲いた花に止まり、小雨に濡れている。これがモンシロ

チョウの雨宿りだ。

 キチョウが雨の中を飛び廻っている。草の茂みをかすめたり、木立

の葉を覗き、アトランダムに飛び回っている。キチョウも雨対策で止

まる場所を探索しているのだ。そこでキチョウの行動を追尾している

と、マルバウツギの所で突然姿が消えた。まるでマジックを見ている

様な感覚だ。

 葉の表面に止まってはいないかつぶさに当たったが見当たらない。

それならばと、葉裏を下から覗き込み、1枚1枚調べて見ると、重なり

合っている一番下の葉裏に逆さになって止まっていた。

 モンシロチョウはチョウの特徴として、翅は鱗粉が、体は毛で覆われ、

自然のレインウエアーを着ているので、雨に濡れながらの雨宿りを選

んでいるのだろうが、チョウとして同じレインウエアーを着ているキチョ

ウが、葉裏を雨宿りの場所に選び、雨に濡れるのを避けている。何故

、どうしては、又の機会にしよう。

 一夜明けて台風はいよいよ近づき、風雨が強まり昨日のチョウはどう

しているか心配になった。見に行くと同じ場所で風雨をやり過ごしていた。

 雨の日の野外散策は楽しい。天気の良い日と違う目線で歩くと、何時

もとは違う生き物の姿に気づき興味や疑問が倍増する。

モンシロチョウの雨宿り

雨粒をはじいている

キチョウが突然消えた マルバウツギの葉裏を覗いて見たら

雨で濡れるのを避けている

 


No.1191 ~ 強風雨の中の 生き物たち ~

2013年10月25日 | 自然現象

観 察 月 日  2013 10.20.強風雨 18℃

観 察 場 所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 

 すごい雨と、横殴りの強風だ。傘を指しても役に立たないので、

ポケット用のデジカメにした。そこで、写真写りが悪く本来は使用

不可のものだ。

 草木の葉は雨水で光り、ニシキギ・・・等の実は水滴で飾るが、

植物にとっては、待ち望んでいた雨ではなさそうだ。

 その中でも、待っていて?有効利用しているのは“ツチグリ”だ。

雨の湿度を受けて堅い外皮を星形に開き、球形の袋(内皮)が現

われている。頂上に穴があいていて袋に雨粒が当たれば“胞子が

発射”されるのだろう。

 雨を待っているのはカタツムリだ。ステージに付いたコケを、やす

りの歯で削り取って食べている。

 ジョロウグモは、雨は苦手だが逃げてはいない。足を上下に伸ば

し、“雨水を避ける、流す“ポーズを採っている。

 チョウも雨は苦手だ。気温が下がると、飛ぶ事も儘ならない。地表

近く、茎の絡み合うチジミザサの中に、ヤマトシジミがじっと雨に耐え

ていた。

 ウラギンシジミは、人の背丈ほどの高さに突き出た竹の枯枝にしが

み付き風雨に耐えている。強風が来る度に45°も動くが枝から離れな

い。「これでは、風向計・風速計だ」Yさんが思わず呟く。地上のコナラ

の落葉の上で雨をしのぐウラギンシジミもいた。木立に隠れて風雨を

避ければ良いのにと思うのだが、チョウの羽は鱗粉で、体は毛で覆わ

れ、彼女は生まれながらにして、レインウエアーを身に付けているのだ。

ニシキギの実に水滴が光る

今年はドングリの当たり年

ツチグリ

ミスジマイマイは食事の時間

ジョロウグモは雨の日ポーズ

ヤマトシジミも雨に耐える

「草の陰に隠れれば良いのに」 と 思いませんか。

ウラギンシジミがこんな所に 雨に濡れて

地表の落ち葉の上で 雨に濡れて

どうして 何故! 雨に濡れてるの!

 

 

 


No.1190 ~ シマヘビの捕食(渋沢丘陵) ~

2013年10月23日 | 野生動物

観 察 月 日  2013 10.11.晴 29℃

観 察 場 所  秦野市 渋沢丘陵

 

 シマヘビが不自然な形にとぐろを巻き路上に転がっていた。

 「車に轢かれたシマヘビが・・・!」先頭を歩いていた私は声を出

して皆に知らせた。 それは、ヘビの頭が見当たらなかったからだ。

 ところが近付いて見ると、小動物を捕え胴で巻いているところで

あった。皆がヘビを囲むようにして眺めて見ても動かず逃げようと

もしない。せっかく捕えた獲物なので、飲み込むのに集中し我々人

間の事は、目に入っていないらしい。

 依然としてヘビの頭が見えないので、正面と思われる位置に廻っ

て見ると広げている2本の足が見え、捕えられたのはトカゲである

事が解った。ヘビは頭から呑みこんでいる様で、見えているのは後

部の様だがしっぽが無いのが不自然だ。トカゲはヘビに襲われた時、

逃れるために自ら尾を切ったのであろう。だが今回は役に立たなかっ

たようだ。

 過去にヘビがカエルを捕えているのは何度も見ているが、トカゲは

初めてだ。そこでヘビの神父、リチャード、ゴリス氏に登場願うと、「ト

カゲの天敵は先ずはヘビだと思う。トカゲの様に細長いものは呑み

込みやすいので、ヘビにとっては理想的な餌である」と。

 ヘビの多くは、トカゲ・カナヘビを捕食している様なのである。

★今年はドングリの豊作だ

クヌギ・コナラのどんぐり

ミツバアケビも豊作

自然のスイーツだ!

突然目の前にシマヘビが!!

トカゲを飲み込んでいる

ヘビは「・・・・・・・・・・・・!」

「人間どもがうるさいよ」 では「 さようなら!」

渋沢丘陵のハイキングコースも、一寸外れると静かないい所が

栃窪神社に立ち寄ったら、銀杏が! 今日のおみやげ!

 


No.1189 ~ カツラの葉に乗ったオオルリボシヤンマ ~

2013年10月21日 | 昆虫

観 察 月 日  2013 9.23.曇 23℃   (2013.10.21.編集)

観 察 場 所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 昨日までは気が狂った様な暑い日が続いたが、今日は急激に気温が下

がり秋らしくなった。「1ヶ月前の日の気温を比べると10℃以上差がある

のに、昆虫は変化に付いて行けるのかしら」隣にいた人が心配げに話し

かけてきた。

 カツラの木の下を通ると、枝に付いている葉は緑だが、空間に広げた

枝の陰を埋める様に、色とりどりの葉が落ちていた。

 池の水面をかすめる様にオオルリボシヤンマが飛ぶ。産卵のためやっ

て来たので、毎年の今頃になると良く見掛ける風景だ。

 オオルリボシヤンマは、横になったアシの茎に止まり、水面の枯れ枝に

止まり、池の水面から出た杭に止まりしては、長い腹部を水中に入れ産卵

をしては飛び立ち、次の場所を探っている。

 風に乗って飛行して来たのか、池の水面に カツラの葉が1枚浮かんでい

た。「亜麻色に染まってきれいだ」頭に景色を描いたその時、突然オオルリ

ボシヤンマが現われその葉上に止まった。ヤンマは綺麗な葉に引かれた

わけではなく、腹部を水中に入れ産卵の姿勢に入った。やがて腹部を左右

に細かく動かし、産卵する場所を探っている様だがなかなか定まらないらし

い。すると静かに浮いていた葉はオオルリボシヤンマを乗せたまま、軽く回

転し、静かに水面を滑り始めた。腹部の動きがエンジンとなり、暗い水面に

波紋が広がった。

 私はその美しさにうっとりしてシャッターを切ったが、当のオオルリボシヤン

マは産卵出来たのだろうか。

亜麻色のカツラの葉にオオルリボシヤンマが飛来、腹部を水中に入れ産卵行動を・・・・・・・・・

ところが、乗せたまま葉が動き始めた 何故だろう それは本文で・・・・・・・・

傾いたアシの葉 産卵を始めた。 そして・・・・・・

産卵が終わると 飛び立ちそして・・・・。

 

 


 No.1188 ~ 真鶴の モンキアゲハ ~  

2013年10月08日 | 昆虫

観 察 月 日  2013 9.13.晴 31.5℃   (2013.10.7.編集)

観 察 場 所  神奈川県 真鶴町

 50数年程前、私は頻繁に真鶴岬へ通った時期があった。それは

磯の動物ではなく、海辺の植物でもなく、一番の目的はモンキアゲ

ハに出会う事であった。

 その頃は今と違って、丹沢山麓は勿論、県内の平地でも、モンキ

アゲハを見ることは出来なかった。

 モンキアゲハは南方系のアゲハチョウなのである。どんな生物で

も滅びる事を望んでいる生物はいない。生き残るためには棲息領域

を広めようと、常に挑戦しているのだ。その昔モンキアゲハは遥か南

から、徐々に北上し、1960年頃には三浦半島の各地域、小田原、真

鶴等 海浜地域に定着していた時代だったのである。中でも真

鶴岬は温暖で、食草のカラスザンショウの成木から幼木まであり、成

虫は勿論、卵・幼虫を観察する事が出来、、モンキアゲハの生態

を調べるには絶好の場所で通ったのである。

 当時も岬の山道を下り、波打ち際に来るとハマカンゾウの明るい橙

色の花が咲き、モンキアゲハが吸蜜に訪れ、その風景は昔も今も変わ

っていない。

 今まで気付かなかった事だが、砂浜に出ると、秋だと言うのに焼きつく砂

の上に、融け込むようにトノサマバッタがいた。歩くと何匹もが飛び出

した。砂浜はイネ科の草もあり、産卵の場所もあり棲息するのには良い

環境なのだろう。

 又、枯れた草の茎にアキアカネの♂が休んでいた。夏の間は涼しく餌の

豊富な箱根山辺りで過ごし、最近下界に降りて来たのだろうが、ここでの

繁殖は無理で再び移動するのだろう。

波打ち際近くの岩場に ハマカンゾウが咲き モンキアゲハが吸蜜にやってくる  (2013.9.13)

波打ち際近くの 砂浜や岩の色に溶け込む”トノサマバッタ” (2013.9.20.)

移動してきたばかりの”アキアカネ” (2013.9.20.)

秋の真鶴岬は 昆虫も賑やかだ