観察月日 2018.9.12.曇 25℃
観察場所 清川村 宮が瀬
“ママコノシリヌグイ”とは、一度聞いたら忘れない和名であり、
知らない人はいないと思われるほ程、有名な呼び名だ。
葉にも茎にも下向きの鋭い刺が生えていて、「まま子の尻を
拭いてやったら、さぞ痛いであろう」こんな事を連想させる和名
なのだが、いつの頃から呼ばれていたのだろうか。一つの試み
として、“日本植物方言集成”を開いて見たら、24収録されてい
る中で、「とげそば」とか「はりそば」とかは見られたが、花の形
から「こんぺとー・・・」が呼び名としては最も多く、「ママコノシリ
ヌグイ」と呼んでいた地方は無かった。
ママコノシリヌグイの茎には、鋭い刺が密集している外、花柄
には腺毛が密集していて粘つき、衣服や体に触れたりすると、
一瞬困った事になるが、植物体はそのお陰で細く伸びた茎を、
互いに支え合い、上へ上へと成長する。
林道でも、適当に開いた場所がある所では、その場所を領
有している。
方言名の、「こんぺとー・・・」は、地方に住む人達に昔から親し
まれていたものと思われるが、私自身今見ても、柔らかな紅の
色や花の形から、微笑ましい気持ちになる。
蜜が豊富なのであろうか、それと、花の色が形が紫外線の視
覚と、臭覚の世界で暮らす昆虫達にとって魅力的な植物なのか
次々と訪れ、私の心の中の言葉は「こんぺいとーばな」であった。
ママコノシリヌグイが領有している 見事な空間。
鋭い刺。
花柄には 腺毛が。
ハナアブが花粉を食べに。
トックリバチの一種。
イチモンジセセリ 前足でも蜜の様子を探る。
コミスジも。
アゲハチョウも吸蜜にやって来た。