足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1550 ~ 1月の ミニ観 ~

2018年01月28日 | 昆虫

観察月日  2018. 1.21.晴 8℃

観察場所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 今月は、ささやかな 期待と不安 が入り混じっていた。

 先月は、12月だと言うのに ヒロバヒナバッタ の群れは元気

に動き回っていた。「あれから1ヶ月、寒い日もあったし、雨の

日もあった」そんな事を頭に描きながら、その場所に行ってみ

る。数は少なくなったが、元気に跳ね回る様子を見て、皆の顔

が明るくなった。

 薄雲が出たが、草の上に温度計を置いて見た。20℃以上は

ある。風もなく、陽が強ければ30℃の夏日の温度はありそうだ。

日中の蓄熱と夜間の放射熱を受けていたのだろう。

 先月は、センダンの実にヒヨドリは殆ど飛来せず静かであった。

今日は、賑やかにヒヨドリがやって来ては、実を啄んでいる。実

は熟しヒヨドリに運んで貰いたい時期が来たのだろう。今度は、

ヒヨドリがどんな運び方をするのか、みんなで見てみよう。

 針葉樹の枝先に居るカメムシを見付けた人がいた。形からして

イネ科の植物で実の汁を吸っているのを見掛けるクモヘリカメム

シかと思ったが、ミカン等に居るオオヘリカメムシであった。越冬

に入っていてもいい時期なのに葉上とは何故なんだろう。不思

議なものだ。

 この後、谷戸の観察路を歩き、ハンノキの雄花が花粉を散らし、

先日の雨で葉が生き生きとしたヨゴレネコノメソウを見たり、水辺では

ダイサギが水面を見つめ、中でも観察者を喜ばしたのは、ルリビタ

キの♂が餌を啄む様子を長い時間見せてくれ、その上、ルリビタキ

の♀も姿を現した事であった。

ヒロバヒナバッタが元気で ほっとした。

オオヘリカメムシが何故 不思議。

センダン食堂は ヒヨドリの客で大賑わい。

ハンノキは 花盛り。

ヨゴレネコノメソウ。

ダイサギ。

ルリビタキ♂。

ルリビタキ♀。

ミニ観の参加者

 


No.1549 ~ オシドリに会いたい ~

2018年01月27日 | 野鳥

観察月日  2018. 1.18.霧曇 10℃

観察場所  愛川町 石小屋・清川村 宮が瀬

 

 以前、石小屋ダムでオシドリの大群に出会った時の事を思い

出し、オシドリに会いたくなった。

 この日は霧の中、愛川公園に車を止め、石小屋ダムを覗い

てみた。「この頃は、来てないよ」のうわさをよそに、水面を滑

る様に泳ぐオシドリ♂♀がいた。「これは希望あり」と、立ち木に

覆われた隙間を探しながら歩く。一足先に行ったRさんが、突

然水面方向を向きながら手招きする。声を殺して急ぎ足、辿り

着き水面を見ると、3~40羽程のオシドリの群れが目に入った。

と同時に、機能を確認しようとカメラに目を向けた時、「オシドリ

が飛び立った・・・」のRさんの声がした。レンズを向けてみたが、

写っていたのは、エメラルド・グリーンの水面だけであった。

 私たちが息を止め、目立たぬ様にしていても、オシドリ達は警

戒の目で見つめていたのだ。残ったオシドリは7羽いたが、遠い

距離でありながら常にこちらを警戒している様が良く解り、泳ぐ

方向を常に変え、ダムに突き出た木立の陰から動こうとしない。

その内急な崖を軽々と登り始め、岩や草に寄り添い休止した。

 霧の宮が瀬へと場所を移した。先ずは、フサザクラの種子を

食べるベニマシコの♂♀の2羽が、私達を迎えてくれた。その後、

ルリビタキ、ジョウビタキ、エナガ、シジュウカラ、ヤマガラ、ウソ、

ホオジロ・・・が姿を現した。霧の水面に浮かぶ台には、今日も

アオサギとミサゴが並んで止まっていた。

愛川公園内を 石小屋ダムへ。

いない噂の オシドリが・・・・・・

群れが突然飛び立ち。反射的に向けたカメラの中に ”霧の中に飛び去るオシドリ” の映像があった!

いつも 私たちを注視しているのが伝わってくる。

足場の悪い 急な崖を 軽々と登る。

そして 岩や草の陰で 休む。

霧の宮が瀬の林道へ。 今日も台の上に アオサギとミサゴがいた。

ベニマシコ♂。

ベニマシコ♀。

ルリビタキも顔を 出した。


 No.1548 ~ タゲリの目の高さで ~

2018年01月26日 | 野鳥

観察月日  2018. 1.16.快晴 15℃~20℃

観察場所  伊勢原市 太田

 「今年はタゲリに出会っていないんですよ」とRさん。3日後

にけや木の会で歩くので、Uさんと3人で突如探す事にした。

 先ずは小田厚道路の縁で4羽のケリを見付け、「幸先は良

かった」が、その後広い田んぼを歩いては双眼鏡で隅々を見

るが、ツグミは多いが、タゲリの姿は無い。

 田んぼの遥か向こうに、リックを背にした男の人が現われ、

時々立ち止まっては双眼鏡で広域を探索している。「きっと、

タゲリを探しているのね」とRさん。私達と同様にタゲリがいな

いので、いらいらしているのだろう。その内にリックを下ろし、男

の人はあきらめたのか、バス停の方向に向かって歩き出した。

 腕時計を見ると11時を回っている。私たちもこの田んぼをあき

らめ、大田のバス停方向へと向かって歩き始めた。

 遥か先の田んぼに赤い新型のトラクターが、田を起している。

先程の男の人が其の横に立ち止まって、何やらトラクターを見て

いるらしい。始めは新型トラクターに興味を持っているのかと思

ったが、行く先は同じ道なので近づいて見ると、「タゲリが14羽い

ますよ」と声を掛けられ、偶然にも知人であった。

 私は軽く挨拶をし、トラクターが仕事をしているすぐ横の農道に

腹這いになり、カメラを構えた。それはタゲリの目の高さからタゲリ

と、見ている景色を知りたいと思ったからだ。立ち位置からではタ

ゲリの背中を見る事になる。腹這いになると、白くて美しい腹部を

通してタゲリを見上げる事になる。刈り終えた稲株の景色も違う。

タゲリは足が短いかと思っていたが、案外長いと思った。

 腹這いでいると、タゲリは警戒無くどんどん近寄って来て、「カメラ

からはみ出るから、止めてくれ」と私は心で叫んだ。「畔で眠ってい

る子がいますよ」とRさんに言われてレンズを向ける。気持ちよさそ

うに、起きそうもない。私の顔のすぐ前を低い音を立てながら、トラ

クターが進む。

ケリが 黄色い長い脚と ルビーの目がきれい。

広い田んぼ 地球は周るく見える? 探してもタゲリは見えない。

ずっと向うに 新型トラクターが。

そこにタゲリがいた。 すぐ隣の林道に腹ばいに。 それを見せたかった。

ここからは タゲリの目線のもの。

構わず 近づいてくる。

これが限界、「近すぎてごめんね」タゲリより!

「眠っている子が いますよ!」

トラクターが来ても 平気。 

顔のすぐ前を トラクターが。

 


 No. 1547 ~ 玄倉の1月 ~

2018年01月23日 | 野鳥

観察月日  2018. 1.14.晴 8℃

観察場所  山北町 玄倉

 車は246号線を行き、清水橋信号で右折する頃、車の計

器が示す気温は1℃。年が明けてから気温の低い朝が続

いている。

 清水の集落を車が行くと気温は0℃に、そして、「ここは日

照時間が少ないね」といつも呟く集落を過ぎる頃にはー1℃

を示した。やがてトンネルを潜り、目の前に丹沢湖と山々が

広がり、玄倉に着くと今朝は気温ー1℃であった。だが、1時

間以上も前に来たと言うWさんに聞くと、―3℃であったと言う。

 玄倉は既に冬景色、さすがにユーシン・ブルーを目的に来

たハイカーや散歩姿の人々の影は無く、バス停はひっそりと

していた。

 バス停前のK商店にも人影は無く、店の脇にある葉を落とし

たイロハモミジは、羽を付けた小粒の種が小風に揺れ、陽の

光を通して光っている。

 「スズメの群が、モミジの種を啄むの?」レンズで見るとエナ

ガの群れであった。エナガは長い尾羽を操って、イロハモミジ

の小枝が作るスタジアムを飛び回り演技する。その合間に、

枝に付いたアリマキかその痕跡を突き、それを活動のエネル

ギーにしている様に見えた。

 元ビジターセンターの裏側に回る。先月エノキの枝で何の備

えもなく越冬していた、アカボシゴマダラが気になったのだ。数

えると4匹だ。9匹居たのに 9-4=5 5匹はどうしたのだろ

う、心配だ。

今日のシモバシラは、氷でリボンを作っている。エナガ、ジョウ

ビタキ、ルリビタキ、カヤクグリ、メジロ等に出会えた。

西丹沢の朝 どんど焼きの支度も出来て。

静かな 山里・・・・・

この枝の 痕が気になる。

元ビジターセンター の庭で・・・・

アカボシゴマダラの 9-5=4 が気になる・・・・

氷で リボン!

ミズキにメジロ。

意気のあった 仲間 ! みなさん待ってます!

 


   No.1546 ~ ベニマシコの食事 ~

2018年01月12日 | 野鳥

観察月日  2018.1.4.晴 5℃

観察場所  清川村 宮が瀬

 

 枝を離れた枯葉は、林道脇にうず高く吹き寄せられている。

乾燥していて、足を踏み入れると、乾いた音が返ってくる。ここ

のところ幾日も雨が無く、山は乾ききっているのだ。

 途中ニホンザルに出会ったりして、金沢橋まで来た。左の林

から「パチ、パチ」小さな音がするので、3m程目線を上げると

ベニマシコの小群が、ナガバヤブマオの茎に止まって食事の

最中であった。

 私は丹沢・大山山麓を長年あるいているが、数年前まではこ

のナガバヤブマオは目立たない植物であったと思う。

 ところが最近になって、目立つかなと思う間もなく、気になる

様になり、林道の端で群落を見るようになり、それが歩いても

途切れない程に長く続く様な所も現われた。玄倉川に沿う未舗

装の短い林道では、人が入らなくなると、忽ち株を増やし林道

を覆ってしまった程だ。

 また、観察をするフィールドを持つ施設などでも、近頃急に増

え始めて辺たりを領有し、景色が変わる程の所も現われた。こ

うもなると自然のバランスを崩しかねない困った植物だと、私は

注目するようになった。

 所が今日も、体を紅色に染め上げた♂のベニマシコがナガバ

ヤブマオの実を啄み、淡褐色の♀も、腹部の白い幼鳥?も懸命

に実を啄んでいる。

冬の季節になると、ナガバヤブマオは冬鳥たちの生命をつなぐ

重要な植物になるのだ。

落ち葉は反りかえって 乾いている。

紅に着飾った ベニマシコの♂が ナガバヤブマオの茎に止まって・・・

こちらも 食事中・・・。

ナガバヤブマオの実を ・・・・・。

お腹が白くて 見るからに可愛い。 

ナガバヤブマオの実は なかなかゴツクテ堅そうだ・・・。

綺麗なメス 美人?だと思いませんか?

 ナガバヤブマオは 冬鳥にとって救世主かも。