足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1703 ~ 坂戸山のコツバメ ~

2020年05月12日 | 昆虫

観察月日  2007.4 .20. 晴 20℃

観察場所  新潟県 南魚沼市 六日町

前回の山麓だより「春の使者 コツバメ」の原稿を書いて

いる時、以前坂戸山に登った時の様子が頭に浮かんだ。

それは、ここのところ家に籠り、私の仕事場でもある

「山麓」へ行けない不満から湧き出たのであろう。

 その日、紙コップのコーヒーを飲みながら、上越新幹

線の車中にあった。越後湯沢で、北越急行に乗り換え、

六日町で降りた。 

 ソメイヨシノは満開、遠くに雪をまとった八海山が見え、

近くに坂戸山らしい山並みが望まれた。

 城跡を抜け、登山口には紫赤色の花を付けたショウジョウ

バカマの群落が迎えてくれ、階段状の登山道を中年のパーテ

ィーが上って行った。坂戸山はカタクリの花で知られた山、

地元でも人気の高い山だという。私は気楽な一人旅、カタク

リの花に囲まれてのんびりと登る。道の脇の低木は地上を這

うように曲がり、豪雪地帯である事を物語っている。

 カタクリの中にアズマイチゲ、エンレイソウ等が顔を出す。

ヤマエンゴサクに続いて、“茎が細く、花もまばらな“初めて見

るエンゴサク、手に取ってみようと斜面を2~3歩登ったと

ころで「ミチノクエンゴサク」と思い出した途端足を滑らせた。

 その空気の振動で、小さな枯れ葉が飛んだ、それは想いもよ

らぬ“コツバメ”であった。越後の山で会った“春の使者”おぼつ

かぬ姿勢でカメラを向けた。羽のカーブが円くやさしいメス

であった。しばらく登ると、再び“コツバメ”今度は羽の角度か

ら見て、オスのようであった。

 山頂付近からは、オクチョウジザクラ、タムシバの向こうに

六日町の家並みが霞んで見えた。そうだ、来年は越後の山裾を

歩いてみよう!

六日町は桜は満開で

ショウジョウバカマ

カタクリの山で人気

豪雪地帯のあかし

ミチノクエンゴサク

コツバメ羽が回るやさしい

こちらは ♂

タムシバの向こうに 六日町の街並みが。