足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

Mo. 1590 ~ 私の ミニ観だより ~

2018年08月30日 | 昆虫

観察月日  2018.8.19.晴 26℃

観察場所  厚木市 七沢 (県・自然環境保全センター)

 

 風は涼しかったが、日差しは強く暑い。

 ハルジオンからヒメジオンの花にバトンタッチをしてきた草

原の広場、今月はどうなっているかと行ってみた。

 一面膝の高さ程のイネ科の植物に覆われ、そこから立ち

上がっているのは、ヒメムカシヨモギ、アレチノギク、オオア

レチノギクで、その後景には、自然環境保全センターの円

形の建物と木々がシルエットに浮び上がっていた。

 ヒメムカシヨモギのシルエットが一寸気になったので近づ

いて見ると、空腹なのかオオカマキリが虫の来るのをじっ

と待っていた。

 足元から急に跳び立ったのは体長4cm程のクルマバッタ

モドキ、体色を赤く染めてきれいだ。

 Mさんがレンズの先で追い駆け、草の中を探している。

「ジャノメチョウがここまで飛んで」ここで消えたのだと言う。

 ジャノメチョウは、草原の低い空間を弧を描きながら飛び、

時折草に触れ、何かを確かめように飛ぶ。そして危険を感

じると姿をくらます。Mさんが今向き合ってるのがそれなの

だ。姿の消えた当たりの草の中を探すと、株の根際に羽を

閉じ、体を小さく見せ掛けじっとしている。これがジャノメの

“姿隠れの術”なのだ。

 先月は産卵等活発にしていたクロイトトンボが、草間を滑

る様に飛んだ。成熟を前に懸命に虫を捕食しているのだ。

草原の広場は。

ヒメムカシヨモギにオオカマキリが!

クルマバッタモドキが跳ね飛んだ。

姿を消した ジャノメチョウ。

ミヤマアカネも飛んだ。

成熟を前に 虫を捕食するクロイトトンボ。

今年も ウラギンシジミの幼虫が。

野外を廻る前に 一寸自然の味方を ウォーミングアップ。

自然関心人間の お仲間


No. 1587 ~ 8月の 玄倉 ~

2018年08月26日 | 昆虫

観察月日  2018.8.12.曇 28℃

観察場所  山北町 玄倉

 どんよりと曇り、雲の中では弱い静電気が走っているのか、小さな

雷鳴が聞こえる。何とか午前中でも天気が持ってくれればと思う。

後藤さんが元気な姿を見せてくれたし、15人の仲間が集まった。

 今日は高校生のKさんが、ネットを持って来てくれたが、悪天候の

ためチョウの姿が無い。オオシオカラトンボ♂を採集してくれたので、

トンボの体のしくみをみんなで考えてみた。一巡して「さあ、放しまし

ょう!」と指を開いて見たが、トンボは飛び立たない。「手乗りトンボ

になった!」などと喜んではいけない。皆が持ち回っている間に人

の体温が伝播し、トンボの体温が上がり過ぎたのだ。持っている手

を軽く振ったら元気に飛び立ったので安心。変温動物の扱いには、

注意しないといけない。

 センターの裏庭でハラビロカマキリの幼虫を見付ける。近頃、中国

より入って来たと言われる“ムネアカハラビロカマキリ”が、丹沢山麓

でも発見されている。調べて見たらハラビロカマキリなので安心した。

 斜面が崩れ平地になった所は、マツカゼソウの領有となる。イチモン

ジセセリが、吸蜜に来た。風に揺れると蜜柑の香りが。

 林道横のエゴマの葉が、穴状に食われている。オンブバッタがミドリ

の中に隠れていた。大きな雷鳴が走ったので観察会は急遽中止。車

に乗ると大粒の雨、濡れずに済んだ。

朝から空は暗く 天気が心配。

高校生のKさんが ネットでオオシオカラトンボを!

幼い ハラビロカマキリ 可愛いね!

ムネアカ でなくてよかった!

サルナシ はまだ早かった。

マツカゼソウ

葉に穴を開けたのは 誰・・・・・・?

天気が良くないのに こんなに集まって。 さすが 仲間!


No.1588 ~ 酷暑の渋沢丘陵 ~

2018年08月23日 | 昆虫

 

観察月日  2018.8.10.晴 34℃

観察場所  秦野市 渋沢丘陵

 今年の夏は異常な暑さだ。

 私は一寸したアクシデントもあって、野外へ出るのを控えてい

た。野外へでないと、自然の情報が入らない。体も鈍って歩く

意欲が無くなる。そこで、「今日は、今までより気温が下がる」と

TVが報じるので、突然、一人、渋沢丘陵へ向かった。

 空は何処までも青い。太陽の放射熱は強い。ハイカー等誰一

人会わない。「これは、熱中症になりそうだ」と弱音が出る程暑い。

 多くの植物が葉を下げている中、タマアジサイは硬い蕾を解

いていた。強い。白藍色の雄蕊を並べ、涼しさを呼び込んでい

る。

虫の影は無い!と思った瞬間、1匹のハエが花に来た。暑さを

反射するのか体色は金ピカ、長靴状の口吻で花粉を嘗めている。

 カラスウリも昨夜花を開き、今朝ほど閉じたのか花弁を丸めてい

る。小さな黒い虫が動いたと思ったら、クロウリハムシが花弁に1

匹、葉に1ぴき食事中だ。

 暑い中先へ行くと、ノコンギクの葉にクロウリハムシの集団が群

れていた。“どうして?”と目を寄せて見ると、食事中で葉は茶で枯

れそう。図鑑では、“ウリ科植物に害を・・”とあるが。

 昨年、オオバギボウシ、ハバヤマボクチが咲いた雑木林に寄っ

てみた。総ての株の心の葉が引き抜かれ、周囲の葉2~3枚がし

な垂れ哀れな姿。山菜採りだが、山歩きには色々な楽しみの人

がいるので、都市近郊の野山では考えてほしい。

ことしの夏は、暑い。

タマアジサイの蕾が 開く。

金色のハエがやって来た。

カラスウリの花に1匹、葉に1匹。クロウリハムシ

ノコンギクの葉を食べる クロウリハムシ。

クロウリハムシ

オオバギボウシの実は 1本だけ残っていた。

ハバヤマボクチも中心の葉をまとめて引き抜かれて、元に戻るには何年かかる。

   

 

 

 


No. 1587 ~ ナツズイセンの思い出 ~ 

2018年08月11日 | 植物

観察月日  2018.8.6.晴 34℃

観察場所  横浜市

 

 「今朝もあなたの友達が来てますよ」と言われて、朝食の箸を

置き庭に目をやると、シオカラトンボの♂が支柱に止まっていた。

私に遠慮したのか支柱の向こう側に止まり、複眼だけが覗いて

いる。

 今日で6日連続の訪問だ。違う個体だと解っていても、親しみ

を感じてしまうのは、トンボも私も“生きている“と言う共通性があ

るからだろうか。

 トンボの向うに、今月の1日に開花したナツズイセンの花が季

節の背景を造り、それが、私の心の底に眠っていた若かった頃

の夏の思い出を、目覚めさせた。

 夏と言えば採集用具をザックに詰め、信州一円を歩いていた。

山間の里には田んぼが広がり、その一画の道祖神には、ナツズ

イセンが咲いていた。広がる煙草畑では、伸びきった茎の先には、

赤や桃色の花が咲き、傍らの草原にはナツズイセンの花が暑か

った。夏の思い出の紐を、引き出せばきりが無い。

 最近では、2013年8月9日の暑かった夏、オオムラサキを訪ね

て八ヶ岳山麓を仲間と共に歩いた。

 雑木林を抜け、オオムラサキに案内されるまま跡を追って脇道に

入ると、木の緑の中を、木の樹液を見ながら歩いた。使われなく

なった物置き、放置された畑、草の藪、照付ける太陽、ここにも夏

の1ページを飾るナツズイセンの花があった。

庭を見ると シカラトンボの♂が止まっていた。

庭の片隅に植えてある ナツズイセン。

夏を思い出させてくれる この花が好きで 植えてある。

八ヶ岳山麓 里山の雑木林を過ぎると。

オオムラサキの跡を追って 脇道へ。 

樹液に。

緑の林の中にも。

ここでも 夏の1ページを描いてくれた。

 

 


 No. 1586  ~ 庭のシオカラトンボ ~

2018年08月06日 | 昆虫

観察月日  2018.8.5.晴 34℃

観察場所  横浜市

 「お友達が来てますよ」と言われ、朝食を始めたばかりのテ

ーブル越しに庭を眺めると、地面に立てた棒にシオカラトンボ

が止まり、盛んに首を動かしていた。 

 庭に面した部屋のガラス戸の前1m程の所に、ナンテンの幹

を1本と農業用の支柱1本を地面に突き立ててある。

 これは、冬になるとシジュウカラがやって来て、「ピーナツを

ちょうだい」と意思表示をする止まり木で、そのまま放置して

あった物だ。それを、シオカラトンボが気に入ったのか、毎朝

利用しているのだ。 

 8月1日の7時20分シオカラトンボ♀がやって来たのを始めに

、今日で5日連続、毎朝7時から9時の朝の食事の時間帯にやっ

て来るようになった。

 やって来るトンボの体や羽を見ると、どの個体もしみや傷みが

無い。と言う事は、羽化して間もない若い個体なのだろう。

 シオカラトンボの幼虫は、田んぼや溝川など広範な止水域に

生息するが、私の家の近辺にはその様な場所は無い。シオカラ

トンボは飛翔力があるので、飛んで来るのだろうが、今までこん

な事は無かった。今年の異常高温に関係があるのか、例年よ

り多く羽化し広く分散しているのか、解らないが。「友達が来て

ますよ」で、私は楽しんでいる。トンボは小昆虫を捕食している

が、1時間もすると、飛び立つ。次の場所へと移動するらしい。

1日朝7時20分 「お友達が来ましたよ」

首を盛んに動かす。

2日9時00分ナツズイセンの蕾に止まる。

3日9時10分

ナンテンの幹に. 頭もあしも鱗粉も気にしない。

4日8時24分

5日8時01分 ナツズイセンが咲いた。

★ 明日も来るだろうか?