子リスは、うづくまって動けない。
母リスが子リスに寄りそうと 子リスは背中に乗って・・
母リスが離れ子リスを呼ぶと・・・
母リスは子リスに 「チュー」をした。
観 察 月 日 2010.10.19.晴 22℃
観 察 場 所 横浜市 戸塚区 (舞岡公園)
私は皆に遅れて雑木林に入った。先に行った人達が顔を
上げ、しきりに指をさし何やら話している。
「こんなにも小さいのね」「お母さんが呼んでいるわ」・・・・
明るい所から急に暗い林に入った私には何も見えなかった。
が、目がなれて来ると、親の半分もない子どもを気遣っている
タイワンリスの母子であった。
子リスは幼すぎるのか、枝を上手く渡れずうずくまっている。
母リスは「こっちへ来なさい」と、子のいる場所へ行ったり来た
りしている。下では15人の人間がリスを見上げているのでは、
リスの母子にとっては恐怖の時間であっただろう。
母リスが子リスの所へ戻ると、子リスは母リスの背に乗り、甘
えと安心の様子がくみ取れた。再び母リスは離れ子リスを呼ぶ
と、子リスは恐る恐る母リスに向かって歩き出した。母リスも子
リスに近づき、母子は顔を突き合わせた。
「もう大丈夫よ、お母さんに付いて来なさい」そんな話をしたか
のように、母リスは子リスの顔に「チュー」をした。
次の瞬間、母子のリスは、木の葉の中に吸い込まれ姿を消した。