観 察 月 日 2015.7. 24.晴 31℃
観 察 場 所 清川村 宮が瀬
「スミナガシでしょうか。橋の欄干にずっといて動かないんですよ」
皆に遅れて歩いていた私に、Rさんが教えてくれた。
急いで行って見ると、白くペイントされた手摺の上にスミナガシが
止まっていた。
チョウと言えば、美しい翅を持った昆虫で知られているが、スミナ
ガシの翅は、暗青色の地に白色の細かいがらを染め込み落ち着
いた感じだ。
“墨流し”それは水面に墨を流し、その流れ模様を紙や布に染め
たもので、それを連想した誰かが“スミナガシ”と言う美しい名を付
けたのであろう。
ところが、人による感じ方は違うもので、私が若い頃初めてスミナ
ガシに出会った時の印象は、子供の頃母親が着ていた“かすり”の着
物の柄が頭を過った。人によって、その生活経験に裏打ちされた印
象から、“墨流し”を連想したり、“かすり“に見えたりする。では肝心
な本人達昆虫や、捕食者である鳥にはどう見えているのだろう。
我々人間には波長800ミリナノメートルの赤から始まって黄、緑、
青、菫まで400ミリナノメートルまでは可視出来るが、昆虫は波長
300ミリナノメートルまでの紫外線まで可視部があり、紫外線も特
殊な色として見えていると言われ、鳥に付いても、青~紫~紫外線
をまたぐ領域の視度は高くなっていると言われている。彼等は人間
と違う色覚で相手を、見ているのだ。
宮ヶ瀬ダムを周遊する林道を歩く。
「スミナガシですか。・・・・・」とRさんが・・・・。
間違いなく ”スミナガシ”が手すりに・・・・・・・・。 美しさは いろいろ・・・
昆虫仲間には、鳥には どう見えるのだろう?
こんなに近づいても、逃げようとしない。なぜ?
スミナガシにとって、ご馳走の鳥の糞があったのだ。
昆虫には、鳥には、それぞれの世界が・・・
* 自然は いろいろ。解っているつもりが 実は 解らない事でいっぱい。