足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1383 ~ 酒匂川に マガン飛来 ~

2016年02月22日 | 野鳥

観 察 月 日   2016.2.19.快晴 17℃

観 察 場 所   小田原市 酒匂川 (飯泉取水堰)

自然に親しむグループ「けやきの会」の仲間で、酒匂川を歩いた。

 以前は、河口付近は、多くのカモ類が見られ良い観察ポイントで

あったが、近頃は鳥の姿は寂しく、立ち寄るのを止め飯泉取水堰

へと向かう事にした。

 途中芝生の広場では、ツグミ、カワラヒワ、タヒバリ等を双眼鏡で

眺め、テトラポット上のダイサギの群れを見ては、「何を考えている

のかしら」とささやき、対岸近くの流れに「カワアイサ♀が現われた」

と言っては歓声を上げ、取水堰に付いたのは12時近くであった。

 取水堰は川幅がぐっと広がり、水深も深く、マガモ・コガモ・カルガ

モ・ヒドリガモ・オオバン等が小さな群れを作っていた。そこから少し

離れたところに、ひときわ大きく太った水鳥が、水面で逆立ちし白い

腹部を残して水中の餌を取っている姿が、皆の目を引いた。

 それも終わり、川面をゆっくり泳ぎ出すと、周りのカモ達とは比べ

物にならない程の大きさだ。「何だろう」「見た事ない鳥だね」「アヒル

より綺麗で大きい」等口々に呟き、図鑑のある人は、ページをめくっ

て比べ始めた。

 「マガンに似ている」「マガンらしい」中には「私はマガンにきめた!

」と言う人も出てきたが、安易に決めない事が大切と促した。

 マガンは、主として北日本の湖沼や内海に飛来し、宮城県の伊豆

沼に大群で越冬する事が知られている。神奈川県では、多摩川、相

模川、酒匂川、に渡来した事はあるが数例の様で、稀と思われる。

翌日、確認するため、日本鳥類保護連盟に元勤められ、現在(県)

自然環境保全センターの坂本堅五氏に写真を見て頂いた。

*(マガンは国の天然記念物。 国・準絶滅危惧種)

カワアイサが現われた

ダイサギの群れ

取水堰にはカモメ類の群れ、カモの仲間も。

丸々と太ったカモ??水中の餌を!みんなの目を引いた。

餌捕りをやめて泳ぎ出す。大きい!目立つ!

浅いようで 立ち上がる。

砂だまりへと歩き出す。

マガンに楽しませてもらった ”けやきの会” の人達。

★ 神秘さや、不思議さに、目を見張る感性が!


  No.1382 ~ 事故?カンムリカイツブリ ~

2016年02月06日 | 野鳥

 観 察 月 日   2016.2.12.曇 10℃

 観 察 場 所   小田原市 酒匂川 

 酒匂川へは何回か野鳥を見に来ているが、この頃は鳥の飛

来が少ない様に思うがどうだろうか。

 台風が来て川の様子が変わったり、重機が入って川の改修

が行われたり、水の流れが変わったり、それらに連れて鳥の

様子も変わったり、川には川の歴史があるのだろう。

 今日は、ダイサギ、コサギ、アオサギが小魚を狙っている様

を見ながら飯泉取水堰へと歩いた。

 取水堰は水深が深くなり、オオバンの群れが泳いでいるの 

は前と変わらず、砂利が溜まり浅瀬が生まれ、沢山のカモメ

の仲間とカワウが羽を休めていた。

 それらの群れから遠く離れた水面を、ただ一羽孤独に泳い

でいる小型の水鳥が目に入った。レンズを通して見ると、頭

の羽毛が立って見える。隣で見ていたFさんが「カンムリカイ

ツブリね!」と私の方を向き、私は頷いた。

 間を置いて、離れたところで見ていたRさんがやって来て

、「ミミカイツブリですよね」と確かめる様に話し掛けてきた。

「私が見ているカンムリカイツブリは、首が長く立っているのに、

これは首が短く立っていない?」と続けた。

 カンムリカイツブリの特徴の一つは、首が長い事だ。それを

意識して見ると首が短く立っていない。そこで改めて見ると、

“首は背に向かって丸めている。”だから、短く見えるのだ。

「首に怪我をしているのでは?」Fさんが小声で叫んだ。

 カンムリカイツブリの左の首筋に、肌色の“くの字”に折れた

ひご状の物が突き出て見える。筋肉の筋が出ているものか、

それとも首に何かが付着しているのか、突き刺さっているのか、

よく解らないが、人間が関わっていなければ良いのだが。

 カイツブリは泳ぐ方向を変え、堰の方へと猛スピードで行っ

てしまった。

コサギ・ダイサギ・アオサギを見ながら歩く。

飯泉取水堰

カモメの仲間とカワウの群れが。

遠く離れて一羽 カンムリカイツブリが泳ぐ。

左の首筋に 肌色の何かが。 怪我!事故?何かあった・・・・・・・

長い首を 背に曲げている。 ”くの字”に見える、何かが首に。だから首を、伸ばせない?

それでも、元気に 猛スピードで泳いで行ってしまった

★ 何かアクシデントがあったのか? これでは、潜ることも、餌をとる事も、出来ないだろう。


No. 1381 ~ 雪面に散るフサザクラの種子 ~

2016年02月05日 | 植物

観 察 月 日   2016.1.28.晴 15℃ 

観 察 場 所   清川村 宮が瀬

 1月18日に降った雪がまだ残り、林道の日陰の部分は凍結もしている。

雪は水分が多く重い雪だったようで、倒れた木もあり、枝も散乱している。

 雪が積もると、一面白となり、今まで見えなかったものが、目に付くよう

になる。カマドウマもどこかで越冬していたのだろう。雪上に哀れな姿に

なっていた。

 先月までは、木に巻き上がった蔓に多数の鞘を下げていたフジも、鞘は

はじけて種子と一緒に雪の路面に散っていた。

 又、先月までは枝々に、確りと付いていたフサザクラの種子も、雪の重み

からか落下し、雪面に散りばめていた。

この冬、この林道を歩いてみて感じた事がある。それは、ベニマシコがフサ

ザクラの枝に何羽かが飛来し、その種子を食べている光景に何度か出会っ

た事であった。

 フサザクラの花は早春の3月に開き、出来た種子は夏を過ぎ、秋が過ぎ、

冬になっても付いたままだ。そして、再び巡りくる早春3月、花が咲いても種

子は枝に留まっている、不思議な?植物だと見ていた。その不思議さ?が、

冬鳥の生命を繋いでいる事を、ベニマシコにより知る事が出来た。

 帰り道、先程親しく立ち話をした人が先方にいて、私に手招きをしている。

静かに近寄ると「ベニマシコがいます。私がここへ来た時は、林道の雪の上

で餌を拾っていたのですが・・・」と。私は「きっと、雪面に散ったフサザクラの

種を拾っていたのだろう」と心で呟きながら雪の残る斜面に、レンズを向け

たのであった。

1月18日の雪が残っていた。

重い雪であったようで 枝や種や・・・・落ちていた。

哀れ カマドウマが・・・・・

多かったのは フサザクラの種だ。

「ベニマシコがいますよ!」と手招きしてくれた人。

ベニマシコが 種子を拾っている。

嘴に 雪を付けて。

★ 「犬も歩けば 棒に当たる」  子供の頃遊んだ”いろはかるた”を思い出す。 棒=幸運


No. 1380 ~ ジョウビタキとシロハラ・ヌルデの? ~

2016年02月04日 | 野鳥

観 察 月 日   2016.1.28.晴 15℃ 

観 察 場 所   清川村 宮が瀬 

丹沢山麓を歩いていると、最近気になる木がある。それは、焦げ茶をした

細かな実を穂状に付けるヌルデだ。青く澄み切った空に、余り綺麗とは思

えない穂に、時折鳥がやって来ては、その実を啄んでいるのを見掛ける

からだ。

 今日も鳥がやって来そうなヌルデの木の下で、リックを下ろして休憩、

ポットのお茶を飲もうとしたら、小枝が揺れた。案の定ジョウビタキ♂が

やって来たのだ。2~3粒啄むと辺りを見回し急ぎ飛び立った。

 どこか不自然の感じがしたので、ヌルデの木全体を見回すと、混み合

う枝の中程にシロハラがいた。「そうか、ジョウビタキは体長14cm、シロ

ハラは24cm。そこで、ジョウビタキは追われたのか」と納得。だが、「シロ

ハラが、落葉だまりを“ガサゴソ・・”と音を立てて、餌を探しているのは良

く見掛ける」私の頭をそんな景色が巡った。が、シロハラはヌルデの穂に

移り、実を9粒程啄むと飛び去った。

 すると間髪入れずに、ジョウビタキが現われた。すぐに実を啄むのでは

なく、頭を回して当たりの様子を伺う。やっとⅠ粒食べたところで又見回す。

しばらく辺りに気を配ったところでⅠ粒食べる。周囲を警戒する合間に餌を

食べると言う感じであった。

 再びシロハラが現われジョウビタキは飛んだ。シロハラは8~9粒食べる

とヌルデを離れた。こんな行動が3回程続いた。

 両種共ヌルデを離れた後を追うと、遠くへ飛ぶのではなく、近くの茂みの

中にいた。ジョウビタキも、シロハラも、このヌルデに執着があるように見

えたのだが、どうだろうか。

今日も 気になる ヌルデの木。

ヌルデの木の下で 一寸休憩。

休む暇もなく ジョウビタキがやって来た。

2~3粒 啄ばんだと思ったら飛んだ。 不自然だと思ったら・・・

シロハラが 来ていたのだ。

9粒食べて 飛び去った。

シロハラがいる間 ジョウビタキは近くの茂みで待っている。

シロハラが 飛び去ると戻ってきて・・・。

再びシロハラが戻ってきて 食べ始める。

ヌルデを離れても 近くの藪で シロハラも休んでいた。

★ ジョウビタキも シロハラも このヌルデの木が お気に入り?


No.1379 ~ ヨコズナサシガメの越冬他 ~

2016年02月01日 | 昆虫

観 察 月 日   2016.1.20 晴 7℃

観 察 場 所   厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 ヒヨドリがセンダンの樹に波状的に飛来し、実を食べ始めた。

 ミニ観察会で、その様子を観察していると、幹にヨコズナサシガメ

の幼虫を見付けた人がいた。それは地上から170cm程のところ、

皮の割れ目に数拾匹が集団で越冬していた。

 冬越しの昆虫を探すなら、北側を探索するが良いと言われる。昆

虫は変温動物だから厳しい冬の季節を乗り切るには、冬を逆手に

とって気温変化の小さい北側を選び、冬眠して冬を乗り切る。

 ところが、ヨコズナサシガメのいる幹は南面で(幹が前方斜めに傾

いているので、太陽光は斜光となるものの)冬越しするのに良い場

所とは思え難い。

 当日は良く見る事が出来なかったので、後日訪れて見ると、カメム

シ達はゆっくりと動き、割れ目から外に出ているものもいた。そして樹

皮上には、脱皮殻が多数重なる様に付いていた。と言う事は、この時

期カメムシは、冬眠どころか活動しているのだ。幼虫が活動し成長す

るには、それだけのエネルギーが必要だろう。この先、この冬をどう乗

り切るのか追い駆ける必要がありそうだ。

 野鳥にとっても、餌の少ない冬を乗り切るのは大変な事だ。

 シジュウカラが樹上で何かを肢で抑え、食べているのを見ていると、

「小片が、ひらひらと落ちてきた」とRさん。拾って持って来た小片を見

ると、フクラスズメ(蛾)の後羽と千切れた胸部であった。フクラスズメに

とっては、成虫で越冬していた所を不運であった。

 シジュウカラにとっては、何よりの御馳走だっただろう。

センダンの南面の幹に ヨコズナサシガメ幼虫が越冬、

 

 皮の割れ目に

皮の表に 脱皮殻が

シジュウカラが木の上で。 「小片がひらひらと 落ちて来た」と Rさん。

それは、フクラスズメの残骸 

アカハラは 土を掘って餌を探す。

アオジも 落ちてる実を探して歩く。

カシラダカも・・・・・・歩く。

        ★ 餌の少ない冬は 生き抜くのに大変!