足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1137 ~ 石割山の コガネネコノメソウ ~ 

2013年04月25日 | 植物

ブナの巨木と富士

コバイケイソウが続く

彼落ち葉の中からナガバノスミレサイシンが

首をすくめたエイザンスミレがほほ笑む

道の真ん中にヒオドシチョウが

何か見つけたようだ

黄金を散らしたように

コガネネコノメソウだ!

まるで純金で作られているようだ

山を降りるとヒナスミレが

観 察 月 日  2013.4..12.快晴 13℃

観 察 場 所  山梨県 山中湖村

 自分の気分と予定に追われ、気の早い春に追いついて行け

ない。そこで、季節の先へ回ってやろうと石割山へ登ってみた。

 ところが、下界は春が通り過ぎても山上はまだ浅く、木々は葉

を落したまま、草も未だ眠り、尾根道は10㎝もの霜柱

、昼になっても融けなかった。ブナの巨木の冬芽もまだ硬く、

その向こうの富士の雪が目に沁みた。

 それでも日だまりでは、落ち葉の下からナガバノスミレサイシン

が花だけをもたげ、首をすくめたエイザンスミレが微笑みかけて

くれた。

 早く目覚めているのはコバイケイソウで、外の葉に守られなが

ら中の葉が一枚一枚と伸びて来る。道の真ん中で陽を受けてい

るヒオドシチョウにも出会った。

 「春には早かった」と気を落としての下山途中、思いがけない

コガネネコノメソウに出会った。この山は何度も来ているが見た

事がなかった。花の時期でないと他の草に融け込んで目に入ら

なかったのだろう。黄金色の4枚の蕚が開くと、黄金の皿に8本

の雄蕊と雌蕊が現われるのだ。思わず「きれい」「すごい」「不思議

」と叫んでしまった。

 

 

 


No.1136 ~ ギフチョウ は 飛ばず ~

2013年04月24日 | 昆虫

登山道にセンボンヤリが咲き始める

シュンランの花はそろそろ終わりです

寒いが初夏の景色だ

ヒトリシズカも伸びすぎ

道端のカンアオイ

卵が産みつけられていた

 

これでは、ギフチョウは飛べない

12年4月10日撮影、ヒナスミレに来たギフチョウ

観 察 月 日  2013.4..10.曇 13℃

観 察 場 所  相模原市 篠原

 ギフチョウは不思議な存在の蝶だ。初めて出会ってから、有に

3分の2世紀は過ぎているのに、今でも4月の声を聞くと会いに行

きたくて、“ムズムズ”する。

 今年は気候変動で春が早く、サクラも終わってしまい、急かれる

様に出かけて見た。この日は天気が回復する筈が動かず、それで

も、いつも会いに行く場所まで歩いた。時には薄日が射したものが、

雲は厚くなり色も黒くなって、気温も昼に向かって13℃まで下がり、

寒くなってきた。

 これではギフチョウも体温を確保する事が出来ず、じっと堪えて

いるのだろう。

 出会った2人の方は「先日は気温が高く、飛び回っていましたよ」

「山麓の家の庭に咲くミツバツツジの花に何頭も蜜を吸いに来てい

て、それを取り囲むカメラマンで大賑わいでした」と。

 今年はギフチョウの羽化率が高かったのか、道端のカンアオイに

は、多数の卵が産み付けられているのが見られた。

 

 


No.1135 ~ ヤマエンゴサク・アズマイチゲ 他 ~

2013年04月24日 | 植物

桂川の河川敷を見下ろす

Fさんが引かれたミヤマキケマン

ヤマエンゴサク小葉が円い

葉の切れ込みに変化

安比高原のエゾエンゴサク

ヒメニラ

裸地の斜面に密生するヒメニラ

アズマイチゲ

安比高原を埋めるキクザキイチゲ

観 察 月 日  2013.4.5.晴 23℃

観 察 場 所  大月市

 仲間の人達とカタクリを見ようと大月駅に降りた。街中を外れ

た所で桂川を見降ろす。

「あの、黄色い花は何だろう」とFさんに引き止められて目をやると、

ミヤマキケマンの群落であった。そこは、河川敷を使って耕作をし

ている人の小道の様で、続けて降りて行くと赤紫色の花を付けた

ヤマエンゴサクの群落であった。基本的には2~3回3出葉だが、

小葉を見ると卵円形から針形まで変化がありそれらを見る事が

出来た。以前、安比高原を歩いた折エゾエンゴサクがあったし、

日本海要素の植物ミチノクエンゴサクがあった事を思い出した。

 河川敷まで降りると、ヒメニラで斜面の一部が領有されていた。こ

れも広葉樹林の林床にヤマシャクヤクやレンプクソウと共にあった

のを思い出した。ヒメニラは3月の頃地上に現われ、木々が葉を広げ

日を遮る5月には地上から消える春植物なのだ。ここは裸地なので

どう対応しているのだろう。

 尚も川に向かって行くと、白い花を付けたアズマイチゲに出あった。

キクザキイチゲに似るが葉の切れ込みが違う。

 今日はカタクリよりも思わぬ収穫に溢れた一日となった

 


 No.1134 ~ ツルリンドウ の 今 ~

2013年04月23日 | 植物

エイザンスミレの花がほほ笑む

頭上にヤマザクラが!

スギの林の下はエビネの花が!

小豆色の実が道端に

昨年11月7日のツルリンドウを思い出す

登山道の脇にはツルリンドウの若芽が伸びて

秋の準備もハイカーは知らず

観 察 月 日  2013.4..4.晴 16℃

観 察 場 所  相模原市 子孫ノ頭

 昨日降り続いた雨も嘘の様に上がり、雲一つない晴天だ。

 与瀬神社の裏山をジグザクに登山道が登り続ける。足を

踏み外さない様に道の傍に目をやると、タチツボスミレが

青い花を開き、淡い紅色のエイザンスミレが微笑み掛ける。

途中見晴らし台でコーヒーを入れると、「頭上をヤマザクラが、

枝を広げて・・・」とRさん。赤に染めた葉を広げながら、花を

咲かせている。

 尾根へ出ると雑木林からスギ・ヒノキの植林に変わるが、

枝打ちがされていて明るい。そこにはシュンランが緑や黄色

の花を開き、顔を寄せると何故か京都の香りがした。

 子孫ノ頭を回ると、道端に赤紫色の小豆大の実が土の上

に転がっていた。不思議にも昨秋出会ったツルリンドウの実

が残っていたのだ。そう言えば、「ツルリンドウ街道だ」と呟

いたのを思い出した。

 ツルリンドウは花や実の季節に向かって、若い芽を5㎝に

も伸ばし秋の準備をしているが、歩き行くハイカーは誰一人

気付かず通り過ぎて行く。

 


No.1133 ~ ニリンソウ 花の不思議 ~

2013年04月07日 | 植物

貝沢を下る

ヒカゲスミレ

道の脇にマルバスミレの群落が

谷筋のニリンソウの群落

ニリンソウ二輪草と言うが 咲いている花は・・・・・

二輪目の花の蕾はまだ硬い

蕚片は普通5枚だが ・・・・

雌蕊が見当たらない

観 察 月 日  2013.4..4.晴 16℃

観 察 場 所  相模原市 貝沢

 大平小屋を後に、貝沢に沿って下る。淡い色の葉の間から花茎

を伸ばし、白地に紫のすじをあしらう優しい花“ヒカゲスミレ”に見

送られ気持ちよく歩が進む。流れゆく沢の中の石を選んで渡ると

、林道へ飛び出した。明るくなった道の傍に、マルバスミレの群落

があり、思わず座り込んでカメラを向けた。

 「こっちへ降りて来て下さい。驚きますよ」Rさんが呼んでいる。

撮影を中止して谷川へわき道を下ると、そこはニリンソウの群落

が待っていた。

 ニリンソウの名は、花が二輪咲くから付けられたのであろうが、

二輪揃って咲く事は先ずはない。柄のない総苞葉の中心から花茎

が伸びて花を付けるが、一輪咲いた時点で二輪目の花はまだ小さ

な蕾で、咲くのにはまだ時間が掛かる。

 花は5枚の白い花弁の様に見えるが、花の構造から言えば、それ

は蕚片に当たる。花の存在をアピールし、昆虫へのコマーシャルだ

と考えれば、“白い蕚片”は蕾の時代は花を守り、開花した時は花

弁の役目と二役を果たしている。

 その蕚片の数は普通5枚だが、3枚から9枚まであると言う。ここの

群落では、4・6・7枚が殆どで5枚は、少ない様に見えた。

 地球の歴史と言う長い時間の中で,未だ蕚片の数が定着していな

いのか、また、花弁を獲得する過程ににあるのか、それとも、偶発的

な出来事なのか、生命の不思議さを感じさせられた。