クズの群落が続く、昆虫にとって小宇宙だ
寄生された成虫、ヤドリガの幼虫が透けて白く見える
後ろから覗くようにしないとヤドリガの幼虫は見えない
羽が屋根型に開き 幼虫は保護されている形だ
ヤドリガの幼虫に寄生されても、ベッコウハゴロモは元気に活動する
アオバハゴロモは羽を閉じ立てているので、寄生できないのだろう
繭になったハゴロモヤドリガ
観 察 月 日 2011 8、24 晴 32℃
観 察 場 所 横浜市 戸塚区 舞岡町
“夏休みサイエンス講座”で市大まで行く途中、クズの群落を覗いて
みた。アオバハゴロモが多くその他の昆虫もいたが、受講者の一人
が白い綿状の小さな虫を指でつまみ、「これは何か」と持ってきた。
体長6㎜ほどで、色は白くカイガラムシ状のもので、「ハゴロモ
と一緒にいた」との事であった。
ハゴロモは半翅目で、広く見れば“セミの仲間“とも言える。セ
ミには”セミヤドリガの幼虫“が何匹も寄生しているのをよく見掛
ける。そこで、「ハゴロモ科に付くヤドリガの幼虫ではないか」と
話をした。
今日はその検証のため、再びクズの群落を訪れてみた。
クズの葉をつかみ持ち上げて茂みの中を見ると、アオバハゴロモ
がクズの茎に何匹も並んで汁を吸っている。数えきれない程いるが
ヤドリガの幼虫は一匹も寄生していない。やっとの事で、ベッコウ
ハゴロモを四匹見付け、内、二匹にヤドリガの幼虫が腹部の背に乗
る様に一匹づつ寄生していた。羽を屋根型開きなので幼虫が寄生す
るには好条件なのだろう。その点羽を閉じるアオバハゴロモには、
無理があるのだろうか。
ベッコウハゴロモは寄生されても、変わりなく活動している。セミ
ヤドリガの様に、ハゴロモヤドリガも寄主にダメージを与えないの
であろうか?