足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1544 ~ 頑張る ヒロハネヒナバッタ ~

2017年12月31日 | 昆虫

観察月日  2017.12.17.晴 9℃

観察場所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 アメリカの秋の風景を思わせるモミジバフウは、すっかり

葉を落とし冬の風景と変わった。

 どこまでも深く、吸い込まれそうな青空に、枝を広げたセン

ダンは黄緑の実を一杯に付け、ヒヨドリには「食べるのには、

まだ早いよ」と、サインを送っている。きっと来月には、セン

ダン食堂にはヒヨドリが押し掛け、賑やかな事であろう。

 センダンの樹皮は縦に荒く割れていて、ヨコズナサシガメ

幼虫の越冬場所と成り、今年も集団を作っている。何時も不

思議に思う事は、「何故集団越冬するのを、選択したのだろ

う」と言う事だ。だって、彼等は動物食なのだ。冬の間でも暖

かい日には動き出す。全くエネルギーがいらない訳は無い。

しかし、その対象になる虫など居る筈が無い。ならば、自分

のすぐ隣に居る兄弟が目に止まる筈だ。

 春が近づくにつれて、集団を形成しているカメムシが少な

くなって行く。

 先月は、何種かのバッタが頑張っていたが、今日はヒロハ

ネヒナバッタのみに変わった。形の大きさはバラバラ、羽の

先が切れていたり、後足が無かったり色々で、オスもメスも

いるのだろう。近づくと1m以上も跳ね、12月だと言う季節

感を忘れそうだ。

 耳を澄ませると「シャカシャカ、シャカシャカ・・」と羽を後ろ

足で擦り、鳴くのが聞こえる。交尾している個体もいた。

 大山中腹の登山道の日だまりでも、出会うバッタだ。

アメリカの 冬の風景に変わった。

 センダンが黄緑の実を付ける。

あそこに、カメムシの集団が・・・・。

樹皮の割れ目は ヨコズナサシガメにとって・・・・・。

陽だまりの草地は 12月だと言うのに・・・・。

オオイヌノフグリの花が・・・。

ナナホシテントウが歩く、飛ぶ。

ヒロハネヒナバッタが元気だ。

交尾しているのもいる。

ミニ観察会 今日の仲間です。


No. 1543 ~ 再び ミサゴ が ~

2017年12月27日 | 野鳥

観 察 月 日   2017.12.15.晴 6℃

観 察 場 所   清川村 宮が瀬

 湖畔の広場では、クリスマスツリーに電飾が付けられ、毎夜

人々で賑わっていると言う。

 今日は“けやきの会”の人達と自然を楽しもうと、林道歩きを

している。山から流れ出した水は路上に広がり、枯葉や落ちた

実を巻き込み凍りついている。

 会の人達が欄干にもたれ、下を覗き込んでいる。山からの流

水が作った溜まり水に、カエルが何匹か居るのだと言う。空から

の水面反射を避けて見ると、ヤマアカガエルが水面から顔を出

し、前後の足を伸ばし、体を沈めているが、元気そうだ。

 「そろそろ越冬に入る頃だと思うのだが?」頭の中でカエルの

いる情景を何回か展開させてみたが、カエルの気持ちが解ら

ない。

 今度は一同立ち止まって、大空を見上げている。高い空をトビ

が互いに円を描きながら舞つている。円を作ったり、崩れて細長

くなったり、旋回する度にトビの姿が小さくなって行く。トビの群れ

は上昇気流に乗って高度を上げているのだ。青空に吸収されそ

うだ。

 私は3日前にこの林道を歩いている。湖面に浮かぶ台上にミサ

ゴが居たのを思い出し、双眼鏡を目にすると、同じ場所に今日も

いた。違いは腹面を見せている事だ。

暫く行くと旋回に出会った。「ホントだ。頭から体の下面が白く見え

る」双眼鏡を目にした一人が呟いた。

 胸の茶色の帯が細いので、♂のミサゴなのだろう。

湖畔は クリスマス気分。

落ち葉も 落ちた実も 凍りついて・・・

ヤマアカガエル 元気だ。

トビが 何処へ旅する。

今日も ミサゴ が待っていた。

ミサゴが 今日も飛んだ。

けやきの会の仲間

 


No. 1542 ~ ミサゴ が 飛んだ ~

2017年12月26日 | 野鳥

観 察 月 日   2017.12.12.晴 9℃

観 察 場 所   清川村 宮が瀬

 ジェット旅客機の後を、少し遅れて飛行機雲が、サルビア

ブルーの空に、白い布を晒しながら進んでいく。

 宮が瀬の上空は空路になっているのか、次々と西に向か

う。高度は1万m付近なのだろう 爆音は聞こえないが、今日

の様に気象条件の合った日には、飛行機雲が教えてくれる。

 ニセアカシアの枝にいるツグミが、飛行機雲を眺める様に、

振り返って空を見た。

 ヌルデが粟粒状の実を、房状に下げている。冬鳥が食べ

た痕もなく、時期が早いのだろうか。

 前方にカメラを持つ2人連れが、日陰の山の斜面にレンズ

を向けている。「フサザクラの枝で、実を食べているらしいで

すよ」とRさんが耳打ちしてくれた。

 体を赤く染めたベニマシコの♂が、まだ未熟そうな実を啄ん

でいる。翼が嘴からはみ出したまましばらく動かしているが、

種子が分離し難いのだろうか。

 湖面を見ると何時もの様に監視台が浮いている。今日もカ

ワウ、アオサギが休んでいるが、屋根状の金具にミサゴが背

を向けて止まっていた。頭を左右に動かしてはいるが、向き

は変わらない。特徴の体下面の白色が見えない。「飛んで

欲しい。羽を広げた姿を見たいわ」とRさん。しばらく行くと

、トビ大の鳥が空を旋回している。

 双眼鏡を目にして、小声で叫んだ。「ミサゴが飛んだ!」

ジェット旅客機に 少し遅れて飛行機雲が・・・

ツグミが 振り返り空を見た。

ヌルでお実は まだ早いのか。

「フサザクラの実を 食べているらしいですよ」・・・

「カワウですよ」とUさん。「頭が白く見えるのは、ミサゴでしょう」とRさん。

背を見せて 止まっていた。「飛んでほしい」・・・・

 声が聞えたように ミサゴが飛んだ。・・・


No. 1541 ~ 突然のヤマセミ ~

2017年12月24日 | 野鳥

観 察 月 日   2017.12.12.晴 9℃

観 察 場 所   清川村 宮が瀬

 林道に入ると、山から浸み出した泉が道路へ流れ出し、此処

のところの寒さで滑らかに凍り、空からの光を青白く写し出して

いる。

 冬枯れの木々を眺めつつ、これと言う鳥も、虫も、草もなく、汁

垂橋まで来た。

 前回この橋を眺めたのは11月28日で2週間前、この日は湖

を囲む山々は深紅の衣を水面に写し、「今年の宮が瀬は今まで

にない素晴らしさだ」と興奮気味であった。それが今日の眺めは、

隧道を囲むイロハモミジの深紅の陰もなく、何処へ消えたのか

裸木が立って居るばかりであった。

 「ヤマセミですよ!」突然Rさんの声、そして指さした。

いつもは、一拍遅れ気味の私も、その瞬間目に入り、レンズが捕

えた。

 「さっきから、キョッ キョッ と鳴き声が聞こえていて、気になって

いたんです。」「それで・・」と私が聞き返すと、「アオゲラ等キツツキ

の声に似ていたし、それもこの山の上の方から聞こえたので、直ぐ

にはヤマセミに結び付かなくて」と・・・。

 直ぐではではないが、崖から略水平に湖面に向かって伸びた木

の幹に、ヤマセミがいた。そして、首を動かし水面や周囲に気を配

り、時折 キョッ と鳴く。「鳴くと、尾があがりますね!」とRさん。

確かに自分の存在を表すには、体全体の力を出し切っているのだ

ろう。、 やがて幹を離れて急降下、湖面を大きく旋回し、青空に向

かって伸びた高木の先端に移動した。

流れ出た泉も 完全に凍りつく。

汁垂橋、隧道は、完全に冬景色。

「・・・山を越して キョッ の鳴き声が・・・・・」とRさん。

「ヤマセミですよ!」

「 鳴くと 尾が上がるのね!」

湖面を 大きく2周する・・・

高木の先端に 移動。眺めがいいのでしょうか?

再び飛翔 入り江の林に姿を消した。


No. 1540 ~ 玄倉の12月 ~

2017年12月22日 | 昆虫

観 察 月 日   2017.12.10.晴 3℃

観 察 場 所   山北町 玄倉

 5℃あった気温が、トンネルを抜け玄倉に入ると3℃に下がり、

敷き詰められた落葉の上では、霜が眩しく光る。

 今日も駐車場は満車、ハイカーの他に団体さんも加わって、

西丹沢とは思えぬ賑わいだ。

 私たちは、人の波が収まるのを待って、閉鎖されているビジ

ターセンターに立ち寄る。先月玄関わきの柱の陰に休んでいた

クダマキモドキはどうしているかと目をやると、そのままの姿で

硬くなっていた。無事産卵を終えたのだろうか。先月の時は、玄

倉は山だから“ヤマクダマキモドキ?”か、としていたが、今日は

産卵管の形からサトクダダマキモドキと解った。

 裏庭へ回って見た。それは、シモバシラが植えてあるからだ。

調度この時期、野草のシモバシラが水を上げそれが凍って霜柱

が出来る。それを確かめたかったのだ。今年は雨が少なく乾燥し

ているのでどうかと思ったが、氷が15cm程も昇っていた。

 私たちはハイカーの人達とは違い、湖の対岸を歩く事にした。

山際から突き出したカラスザンショウは、実が鈴なりに付き、紅

葉した葉がそれを隠す。青空に映える様は、服地の柄を見てい

る様だ。

 ひと風吹くと、サラサラと音を立て、枯葉が枝を離れて降り注い

で来る。それが落葉となって溜まる。ウラギンシジミの♀が暖を求

めて止まると、落葉に融け込み姿が消える。ハサミツノカメムシ

の♀が現われた。両種共、越冬に備え太陽のエネルギーを蓄積

しているのだ。

トンネルをくぐると3℃ 落ち葉の上は霜だ。

今日も 西丹沢らしからぬ すごい賑わい。

先月のまま 硬くなっていた。

シモバシラに霜柱が!

カラスザンショウが 描いた模様。

ウラギンシジミ

ハサミツノカメムシ

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