足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1327 ~ 初めての マガタマハンミョウ ~

2015年06月07日 | 昆虫

観 察 月 日  2015.5.23.晴 24℃

観 察 場 所  群馬県 水上町 藤原

 土地の人が呼ぶ、悪沢沿いの林道を行く。入口付近の開けた場        ( ハウチワカエデ)

所は、イタドリが領有しているが、私達の背をゆうに越す北国に多い

オオイタドリだ。子供の頃テントウムシと思ったイタドリハムシが群れ

ている。

 しばらく進むと山側はヒノキの大木が続き、根元には雪が残り、冷

たい風が流れて来る。天狗のうちわを思わせるハウチワカエデの葉

が揺れ、紅く染めた細かな花が覗いた。

 落葉の積もる林道を、忍者の如く足早に歩く昆虫がいた。体全体黒

緑色に光るヒメツチハンミヨウだ。少ない種類の様だが、春先は出会

う事が多い。時折立ち止まっては立ち上がる姿勢を見せ、触角、足、

頭部、や口を手入れする動作を見せる。雌でお腹が卵ではち切れそ

うだ。飛ぶ羽を持たないので産卵場所を歩いて見つけるのだろ。

 「小さなハンミョウがいますよ」と、Y氏が私の顔を見た。すぐ足元の

ブナの落葉の積もる林床を、せっせと歩く、(私が初めて出会った)”マ

ガタマハンミヨウ“だ。鞘翅に”勾玉マーク”が付いている事から名前

が付いたと言う。  普通ハンミョウの仲間は山道等で出会うと、一定

の距離を保って先へ先へと飛ぶ。だから人は“道教え”と呼んだりす

る。所が、マガタマハンミヨウは飛ぶ羽を持たない為、歩くのが専門

だ。出会いは道ではなく、ブナの落葉の積もる林の中であった。

殆ど人の入らない林道、悪沢を遡る。

オオイタドリが、繁茂する。

イタドリハムシが群生している。

葉を食べるもの、茎を食べるもの、いろいろだ。

ブナの葉の上には、孵ったばかりのキリギリスの幼虫が。

雌のヒメツチハンミョウが 歩く歩く。

時々止まっては、体のお手入れを。

マガタマハンミョウも 翅を欠くので 歩け歩け。

                                  * 豊かな森に いのちを繋ぐ。


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