消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

夜は早く寝るに尽きる

2010-08-10 23:04:01 | 消防・救急
前回の当番は4件、忙しい方でした。

1つは真夜中の事案。出場から帰署までが3時間近くかかり、夜はあまり眠れませんでしたがそれほど眠たくは感じませんでした。

夜中の指令時には既に仮眠に入っており、指令が鳴った時には夢の中にいましたがパッと起きれて頭もスッキリしていた分、睡魔に襲われずに済んだかな


普段は機関員(主に運転)として勤務している私。その時の当番編成により後ろの患者室に乗って勤務することはあるものの、基本的には救急車の運転をメインにしています。

そして消防署の部隊の中で最も出場する機会が多い救急隊。出場件数の多さ故、寝静まった真夜中に出場することも多々あります。

隊長をはじめ救急隊員3人とも同じ現場に行っていますので3人とも同じように疲れるのですが、機関員はそれにプラスして運転をしなくてはならないと言うのもあり、機関員はさらに疲労が溜まる傾向にあります。

その結果、居眠り運転などを引き起こしたり注意力散漫になり事故に繋がると言ったことが起こる可能性があります。現に私も事故にはならなかったものの、あわや…と言うことは何度かありました。

もう本当に眠たくて仕方なくて、頬をつねったり目薬さしたり、フリスクまとめて食べてみたりなど色々試してみましたが、人間の三大欲求である睡眠には勝てず、ウトウトしたことがあります。

今まで何度もあったけど、事故にはなっていない。ヒヤリハットだけで済んでいます。運が良いんでしょうね、私は。

そう思います


一部の消防本部では、ある程度の出場件数や走行距離に応じて隊員と機関員をチェンジしたり、他の部隊の隊員とチェンジしたりすることがあります。

例えば10件出場したら、あるいは走行距離が150kmを超えたらなどの基準を設けて、交代をしているところもあるようです。

やはりその時の当番部隊編成によって交代メンバーがいないこともありますが、負担を減らすべくこのような取り組みを行っている消防本部もあるようです。

私の消防では明確な基準は設けられておらず、自己申告制。疲労が溜まりどうしても辛くなってきた場合には上司に申し出てチェンジしてもらいますが、他の部隊だって出場はしていないにしろ仕事を抱えています。なので交代を申し出にくいと言うのが正直なところなのです。

交代を言い出しにくく、無理をして勤務を続け、やがて事故に至る。事故に至ることは稀ですが、やはり年に1度や2度は起こっています。


前回の当番も件数こそ4件だったものの、距離をだいぶ走っていました。

夜の仮眠の前の段階で相当な距離を走っており、疲れたなと言う実感はありました。まだやらねばならないことがありましたが、これでこのまま起きていてまた指令が入ってしまうと眠さがピークに達してしまいそうでしたので、上司に仮眠時間に入ったらすぐに寝ますと申し出ました。

隊長や他の上司も理解を示して下さいまして、仮眠時間までは残った仕事を片付け、夜は早く仮眠に入りました。

2時間ぐらい寝たところで救急指令。時間は真夜中でしたが、少しまとめて寝れた分しっかり覚醒できての出場。冒頭にも書きましたが、この出場の前にまとまって寝れた分、時間帯のわりにはそれほど疲れず眠たくならずにこの事案を終えました。

ただ走った距離が距離なだけに、次の出場は隊員と機関員をチェンジすることになりましたが、その後の出場はありませんでした。


この日の夜中は雨が降っており、視界は悪かったです。ただでさえ見にくくて危ないのに、これが眠たくて頭フラフラなままだったら事故を起こしていた可能性もあります。

そう考えると、あの時早く寝たのは正解だったかな?と思います。


交代を申し出にくいとも書きましたが、仮眠時間に入っても上司がまだ事務所にいたりすると私みたいな下の立場の人間は先に仮眠しづらいのも正直なところ。

出場が無ければまだ良いですが、これで災害出場して眠たいまま運転して事故を起こせば、その部隊の責任者なり当直責任者なりが上から色々言われるものの、一番損をするのは運転していた機関員です。

私は機関員も好きなのでそれほど苦にはしていませんが、中にはリスクを嫌がって機関員をやりたがらない人もいるぐらいです。


体調が悪かったり疲労が溜まれば、素直に申し出てチェンジするなり何なり、対策を積極的に行わなければいけませんね。事故を起こせばそこで現場活動が滞ってしまう。最終的に一番被害を受けるのは市民の皆さんなのですから。

睡眠は大事だな、と改めて思った勤務でした。


『夜は早く寝るに尽きる』のタイトルどおり、今日はもう寝ます。

では、おやすみなさい