消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

それじゃタクシー

2010-08-25 22:07:28 | 救急隊の本音
前回の当番は3件。夜中に1件出場し、それがまた長引いてしまったため非番はとても眠たかったです。

昔は夜中の出場が当たり前、身体もそれに慣れてしまっていたのですが、今の署は夜中に出場することがあまりなく。なのでたまに夜中に出場すると身体がキツイですね


さて今日のお話は救急車をタクシー代わりに使われた事案。

子供が家庭内でケガをしたために救急要請。現場到着時には泣き疲れていたのか寝ている状態。玄関先で親に抱かれており救急車を待っていました。

すぐに車内収容して状況聴取と同時にバイタル測定、これは特に問題なし。

夜間帯で近所の病院は既に診療が終わっていたため、救急隊の把握している病院情報から診察可能な病院に収容依頼の電話をしました。


1件目の病院に電話したところ、収容不能との回答。そこで『○○病院はちょっと診ることができないとの回答でしたので、他をあたりますね』と言ったところ、

『そこはさっき電話して無理だと言われました』と家族。

『自身で病院に電話されたんですか?』と救急隊。

『ええ、3つぐらい電話して、○×病院がとりあえず診てくれると言ってました』との話。


家族の話にあった○×病院に確認の電話をしたところ、確かに家族から電話があってこれから向かうとの話だったようです。病院の受付の方も、『救急車呼ばれたんですか!?』とだいぶ驚かれていたようですが…。

とりあえず確認が取れましたので、診てくれる病院へ搬送。

その旨を同乗の家族に伝えたところ、『診察時間が決まっていて、酒飲んじゃって運転できないし今からタクシー呼んで行っても間に合うか微妙なところ。タクシーの運転手が道にでも迷って間に合わなかったら嫌だから、病院を知ってる救急車呼んだ方が早いと思って救急車を呼んだんです』と。


完全にタクシー代わりに使われました。

開いた口がふさがらないと言いますか、呆れて物も言えないと言いますか…。

とにかくガッカリした事案でした。


理想と現実のギャップに悩み、意欲をなくす職員がいるのもこれじゃ無理はないなと思いますね。

このご時世公務員ばっかり叩く風潮がありますが、あまりにも非常識な振る舞いだってもっと取り上げたっていいんじゃない?と考えます。


その救急車は本当に必要ですか?

救急車で行かなければいけないような病気、ケガですか?

今一度、考えてもらえれば幸いです。


明日は仕事です。