消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

頼まれ通報

2010-08-13 23:34:15 | 消防・救急
前回は5件、夕食前にバタバタ出場したため、報告書がどんどん溜まっていってしまった勤務でした。

災害出場だけならまだしも、他の事務仕事もやらなくてはならず。全て片付いたのは仮眠時間のちょっと前。

夜中の通信勤務を終えて、後は引継ぎ時間を待つばかりでしたが、終了間際に指令がかかり延長勤務となりました。


今日はタイトルにもある『頼まれ通報』のお話。

たまたまその場に居合わせて、救急車を呼ぶように頼まれた。複数のお店が入るような大きな店舗で急病・負傷者が発生して、お客さんが店の人に119番通報を頼んだが、頼まれた店の人がまた店長とかに相談し、その後119番通報。

例に挙げるとこんな感じ。共通するのは、その事故などの当事者・関係者でないために傷病者がどういった状況なのかが分からないと言うことです。ただ救急車を呼んでと頼まれただけで、あとはよく知らないよ、と言う感じ。


119番通報時、火事なのか救急なのか、消防車や救急車の来てほしい場所が最低限分かれば出場指令を出すことが可能ですが、119オペレーターは出場部隊に詳細情報を送るために火事であれば何が燃えているのか、救急であれば急病なのか事故なのか、それともケガをしたのか。

負傷者は何人か、性別、今どんな状況なのかを聞き出して出場部隊に情報を送りますが、頼まれ通報だとこれらが一切分からないことがあります。


先日の救急活動を例にとりますと、『交通事故が発生して負傷者がいるらしい。』これ以下の詳細は分からず。

負傷者の性別や年代、意識はあるのか、自力で動くことができるのか分からないため、最悪の状態を想定して資器材を準備しますが、到着してみれば頚部(首)の痛みだけで自ら救急車に乗ってこれるぐらい元気だったと言う方も。

またその逆もあったりで、負傷者多数いて救急隊を増隊したり、車の下敷きになっており救急隊だけじゃどうにもならなくて救助隊を要請した…なんてことも。

現場に到着する前にある程度の詳細を知ることによって、使う資器材をあらかじめ準備したり、現場に向かう途中で活動方針を部隊で確認しあったりすることがありますが、やはり頼まれ通報で詳細が不明だと最初の一手が遅れてしまうことがあります。


119番をする場合、極力その当事者や関係者、目撃した方が通報する形が一番スムーズに伝わるかと思いますが、なかなか難しい部分もあります。なので、できれば現場を確認して状況を教えてくれるとありがたいな、とも。


現在開催されている夏の高校野球、時間さえあれば観ています。攻守交代のイニングの合間にバックスクリーンに現在の試合状況が映し出されているわけですが、その脇に球場からのお願いも一緒に映し出されています。

その中に、『119番通報は最寄りの係員に』のようなことが書かれていたと思います。記憶が曖昧ですが、自分で通報しないで下さいと言うようなことも書いてあったような気が…。

(画面にちょっとしか映らなかったので、本当に記憶が曖昧です。間違ってたらお詫び致します


ただこれが私の思った通りならば、命に関わるような場合には最初の一手が遅れてしまう恐れがあるな、と。

あれだけの大観衆の中席の移動はそうそう簡単ではなさそうだし、係員がすぐ近くにいるかも不明。係員を探すのに手間取り通報が遅れたら、命に関わるような場合には救命の可能性は低くなってしまう。

ちょっと階段踏み外して歩けないと言うぐらいの、命に関わらなさそうな事案であればまた別ですが…。


高校野球を観ててちょっと気になってしまい、仕事のことを交えて思うことをちょっと書いてみました。


明日は仕事です。